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第弐章・存在意義

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あなたの名字は?
あなたの名前は?
あなたのあだ名は?

障子が開いたのを見ると、土方と近藤が泣きわめく千鶴と、抱きつかれながらも必死に彼女を慰めているを呆然と見ていた。
それに気付いた私は「ち、千鶴………っほら、あんたが話してくれたさっきの事情を話してきなって」と言うとようやく泣き止んだ。



千鶴「ぅぅっ………はい」



「もう、目が真っ赤だよ?」



涙を拭いたはいいものの、泣きすぎて目の周りが真っ赤な彼女に私は苦笑しつつ、土方さんの方へと促した。
彼女が立つと、土方さんに「………てめぇも来い、暁犬」と呼ばれ、私は無言でその場を立った。








* * * * * *








再び広間に戻って、千鶴は自分が女だと言う事を明かしてから、京まで来た理由を………私に話してくれたこと全部を説明していた。
千鶴が女であることを知った幹部の反応は人、様々だった。

………ああ、私の性別上はなぜか沖田さんに言われてしまい(土方さん辺りは千鶴同様気付いてたらしい)、全員が唖然としていた。
………特に永倉さんや平助、近藤さんは全く気付かなかったことに、言葉を失っていた。


          
近藤「そうか………君達・・も江戸の出身なのか!!
雪村君は父上を捜して、遠路遙々………京に来たのか!」



「あ、いえ………近藤さん。私は違いますけど」



何故か私まで含まれていたことに気付いたので、すかさず横やりを入れる。



近藤「む?そうなのか?君はどこの出身なのだね?」



「えっと、なg………、信濃の出身です」



いつもののごとく、“長野県”と言いかけたのをそっと飲み込んでから、“信濃”と言い直す。
今の県名になったのも、廃藩置県のおかげだしね。そこまで時代を変えるわけにはいかないでしょ。



近藤「なんと、信濃からか!?それは遠いところから………」



「そうかそうか」と涙ぐみながら頷いている近藤さんに、私は苦笑するほか無かった。
ほんと、この人は情に厚い人だ。
見ず知らずの子ですら、こうやってわが事のように悲しんだり喜んだりするのだろう。
それだからこそ、人望も厚いってことなんだろうけど、些か不安がある。
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