第弐章・存在意義
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
障子が開いたのを見ると、土方と近藤が泣きわめく千鶴と、抱きつかれながらも必死に彼女を慰めている楓を呆然と見ていた。
それに気付いた私は「ち、千鶴………っほら、あんたが話してくれたさっきの事情を話してきなって」と言うとようやく泣き止んだ。
千鶴「ぅぅっ………はい」
楓「もう、目が真っ赤だよ?」
涙を拭いたはいいものの、泣きすぎて目の周りが真っ赤な彼女に私は苦笑しつつ、土方さんの方へと促した。
彼女が立つと、土方さんに「………てめぇも来い、暁犬」と呼ばれ、私は無言でその場を立った。
* * * * * *
再び広間に戻って、千鶴は自分が女だと言う事を明かしてから、京まで来た理由を………私に話してくれたこと全部を説明していた。
千鶴が女であることを知った幹部の反応は人、様々だった。
………ああ、私の性別上はなぜか沖田さんに言われてしまい(土方さん辺りは千鶴同様気付いてたらしい)、全員が唖然としていた。
………特に永倉さんや平助、近藤さんは全く気付かなかったことに、言葉を失っていた。
近藤「そうか………君達 も江戸の出身なのか!!
雪村君は父上を捜して、遠路遙々………京に来たのか!」
楓「あ、いえ………近藤さん。私は違いますけど」
何故か私まで含まれていたことに気付いたので、すかさず横やりを入れる。
近藤「む?そうなのか?楓君はどこの出身なのだね?」
楓「えっと、なg………、信濃の出身です」
いつもののごとく、“長野県”と言いかけたのをそっと飲み込んでから、“信濃”と言い直す。
今の県名になったのも、廃藩置県のおかげだしね。そこまで時代を変えるわけにはいかないでしょ。
近藤「なんと、信濃からか!?それは遠いところから………」
「そうかそうか」と涙ぐみながら頷いている近藤さんに、私は苦笑するほか無かった。
ほんと、この人は情に厚い人だ。
見ず知らずの子ですら、こうやってわが事のように悲しんだり喜んだりするのだろう。
それだからこそ、人望も厚いってことなんだろうけど、些か不安がある。
それに気付いた私は「ち、千鶴………っほら、あんたが話してくれたさっきの事情を話してきなって」と言うとようやく泣き止んだ。
千鶴「ぅぅっ………はい」
楓「もう、目が真っ赤だよ?」
涙を拭いたはいいものの、泣きすぎて目の周りが真っ赤な彼女に私は苦笑しつつ、土方さんの方へと促した。
彼女が立つと、土方さんに「………てめぇも来い、暁犬」と呼ばれ、私は無言でその場を立った。
* * * * * *
再び広間に戻って、千鶴は自分が女だと言う事を明かしてから、京まで来た理由を………私に話してくれたこと全部を説明していた。
千鶴が女であることを知った幹部の反応は人、様々だった。
………ああ、私の性別上はなぜか沖田さんに言われてしまい(土方さん辺りは千鶴同様気付いてたらしい)、全員が唖然としていた。
………特に永倉さんや平助、近藤さんは全く気付かなかったことに、言葉を失っていた。
近藤「そうか………
雪村君は父上を捜して、遠路遙々………京に来たのか!」
楓「あ、いえ………近藤さん。私は違いますけど」
何故か私まで含まれていたことに気付いたので、すかさず横やりを入れる。
近藤「む?そうなのか?楓君はどこの出身なのだね?」
楓「えっと、なg………、信濃の出身です」
いつもののごとく、“長野県”と言いかけたのをそっと飲み込んでから、“信濃”と言い直す。
今の県名になったのも、廃藩置県のおかげだしね。そこまで時代を変えるわけにはいかないでしょ。
近藤「なんと、信濃からか!?それは遠いところから………」
「そうかそうか」と涙ぐみながら頷いている近藤さんに、私は苦笑するほか無かった。
ほんと、この人は情に厚い人だ。
見ず知らずの子ですら、こうやってわが事のように悲しんだり喜んだりするのだろう。
それだからこそ、人望も厚いってことなんだろうけど、些か不安がある。