第弐章・存在意義
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近藤「待て、総司!!
楓君、キミは………その後のことを考えて、言っているのかね?」
近藤さんが沖田さんを止めてから、私に振り向いてそう言いだしてきた。
そりゃそうだろう。
なんてったって、あの新選組に喧嘩を吹っ掛けているようなものなのだから。
最悪、私が負けたとしてもかすり傷ではすまないことを意味しているんだろうが、そうでもしなければ、私の存在理由にならない。
楓「言ったはずですよね?それが本望だと。
俺はもう、死ぬことすら無くしたんです。
………だったら、生きる意味も、この世にとどまる意味も無いじゃないですか」
「試合の最中に、俺を殺してくださっても構いません」と言うと再び静寂に包まれた。
千鶴のように、“助かりたい”と言う抵抗もなければ、ただ“己を殺せ”と言う楓は、誰がどうみても、尋常ではなかった。
楓「己の存在すら、自らで消すことが出来ない俺に……生きる資格なんぞ、ありはしない。
あんたらのためにも、俺のためにも、ね」
土方「………っ!!」
そう言って無垢なる花のような笑顔で、彼らに向かってにっこりと微笑んだ彼女に、土方さんはすっかり黙ってしまい、斉藤さんがそんな彼に向き合っていた。
斉藤「副長。………結論も兼ねて、一旦こいつらを部屋に戻して構いませんか?
………同席させた状態で、誰かが機密を漏らせば処分も何も、殺すほか無くなります」
土方「………そうだな、頼めるか」
斉藤「はい」
そうして、私達二人は部屋に戻された。
* * * * * *
二人が去った後、広間には、何とも言えない空気が流れていた。
平助「あいつ………可哀想だな」
ぽつりと、平助が言うのを聞いた左之さんが「お前なぁ………」と諭していた。
左之「嘘かもしれねぇだろ?」
平助「だってさ、左之さんも思っただろ?
俺。どうしても、あいつが嘘ついてたようには見えねぇよ」
左之「そりゃまぁ────」
沖田「………あの子を背負って連れてきたのは僕なんだけどさ」
そうだけどよ、と言おうとした左之さんの言葉を遮るように、沖田さんが口を挟む。
沖田「さっきの子を庇って背中を斬られてたんだけど、意識が朦朧としている中で、僕達に向かって斬りかかってきたんだよね。
………まあ、僕が気絶させといたんだけど。
それに、あの子、言ってたんだ」
新八「言ってたって、何をだよ………?」
沖田「………“守れなかった”って、小さくね。
最初はあの子のことかなって思った。けど、さっきの話を聞いてちょっと考えたんだけどさ。
あの理由なら………まぁ、納得できなくもないかな」
肩をすくめながら珍しく同意する彼に、その場にいなかった男達は、ひどく驚いていた。
山南「………私は楓君を信じましょう」
土方「山南さん!?」
思いがけない人が賛同したのに驚いた土方が、思わず非難の声を出した。
楓君、キミは………その後のことを考えて、言っているのかね?」
近藤さんが沖田さんを止めてから、私に振り向いてそう言いだしてきた。
そりゃそうだろう。
なんてったって、あの新選組に喧嘩を吹っ掛けているようなものなのだから。
最悪、私が負けたとしてもかすり傷ではすまないことを意味しているんだろうが、そうでもしなければ、私の存在理由にならない。
楓「言ったはずですよね?それが本望だと。
俺はもう、死ぬことすら無くしたんです。
………だったら、生きる意味も、この世にとどまる意味も無いじゃないですか」
「試合の最中に、俺を殺してくださっても構いません」と言うと再び静寂に包まれた。
千鶴のように、“助かりたい”と言う抵抗もなければ、ただ“己を殺せ”と言う楓は、誰がどうみても、尋常ではなかった。
楓「己の存在すら、自らで消すことが出来ない俺に……生きる資格なんぞ、ありはしない。
あんたらのためにも、俺のためにも、ね」
土方「………っ!!」
そう言って無垢なる花のような笑顔で、彼らに向かってにっこりと微笑んだ彼女に、土方さんはすっかり黙ってしまい、斉藤さんがそんな彼に向き合っていた。
斉藤「副長。………結論も兼ねて、一旦こいつらを部屋に戻して構いませんか?
………同席させた状態で、誰かが機密を漏らせば処分も何も、殺すほか無くなります」
土方「………そうだな、頼めるか」
斉藤「はい」
そうして、私達二人は部屋に戻された。
* * * * * *
二人が去った後、広間には、何とも言えない空気が流れていた。
平助「あいつ………可哀想だな」
ぽつりと、平助が言うのを聞いた左之さんが「お前なぁ………」と諭していた。
左之「嘘かもしれねぇだろ?」
平助「だってさ、左之さんも思っただろ?
俺。どうしても、あいつが嘘ついてたようには見えねぇよ」
左之「そりゃまぁ────」
沖田「………あの子を背負って連れてきたのは僕なんだけどさ」
そうだけどよ、と言おうとした左之さんの言葉を遮るように、沖田さんが口を挟む。
沖田「さっきの子を庇って背中を斬られてたんだけど、意識が朦朧としている中で、僕達に向かって斬りかかってきたんだよね。
………まあ、僕が気絶させといたんだけど。
それに、あの子、言ってたんだ」
新八「言ってたって、何をだよ………?」
沖田「………“守れなかった”って、小さくね。
最初はあの子のことかなって思った。けど、さっきの話を聞いてちょっと考えたんだけどさ。
あの理由なら………まぁ、納得できなくもないかな」
肩をすくめながら珍しく同意する彼に、その場にいなかった男達は、ひどく驚いていた。
山南「………私は楓君を信じましょう」
土方「山南さん!?」
思いがけない人が賛同したのに驚いた土方が、思わず非難の声を出した。