第弐章・存在意義
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それがもし本当だとしたら、どれだけこの子は、つらいとは言い切れないほどの痛みを受けてきたのだろう。
精神的にも、肉体的にもひどい大打撃 を受け続けてきたのだろうか。
近藤「楓君。
つかぬことを聞くが………キミは今、いくつかね?」
そう、難しそうな顔をしつつ、近藤さんが聞いてきた。
とはいえ、自分も今は一体何歳だったのか、覚えていないところもあったから、「そうですね」と私は唸る。
いや、死んだときの歳を言った方がいいのか、それとも死んでからの歳を言った方がいいのかよく分からないのが本音なわけで。
楓「………18です。一年前ぐらいに、父は教士七段の称号を任命されました。
あとは、………………まあ、両親 の話は俺の癇に障るんで止めて貰いたいッスがね」
平助「???………“きょうしななだん”???」
左之「………すまねぇ、聞いたことのねぇ名前だな。その称号とやらはどれぐらいすごいんだ?」
全員が全員頭をひねらせている。
………って、普通はそうなるか。
再び説明不足だったことを知り、私は、自分で自分に苦笑を禁じ得なかった。
楓(………そっか、ここはまだ明治にもなっていない時代だから)
【教士】と言う称号は、明治35年頃に今の全日本剣道連盟などが設立される大元となった、大日本武徳会 と言う組織?が定めた称号のこと。
こことはまるっきり段も階級のことも異なる。
ここの時代では、【口伝】【免許】などで伝承していくので、誰が何段だの、そう言った決めごとなど存在しないのだ。
当然、彼らにとって初耳以上のことで、今から数年後に知ることになる話なのだから、分からないのは当たり前。
楓「あー………、簡単に言えば、師範代に近いですかね。
ちなみに俺は、正中伝といって、師範代の二回りほど下の地位にいます」
千鶴「よく………分からないですけど、すごいです、アキさん!!」
千鶴ちゃんが形相にキラキラとした瞳で見てくるので苦笑を漏らすと、それこそ、幹部全員がざわめいた。
師範代から下、と言うことは理解できるらしいから、ひとまず良かったと心の中でほっと一息つく。
沖田さんはと言うと、面白いおもちゃでも見つかった、とでも言うかのように「へぇ………」と面白そうに笑っていた。
土方「………お前、今考えただろ」
楓「しょうがないですよ。色々と思い出せないところもあるんでね」
「ほら、気が付いたらあの場所にいたって言うのだってそうじゃないですか」というと土方さんは押し黙ってしまった。
楓「でもまあ。ここに来て、俺。何かと楽しみで仕方がなかったんですよね」
土方「どういう事だ?」
さっきのおぞましさと打って変わったかのように、私は眉をひそめる土方さんの問いに答える。
楓「さっきも言いましたよね?
ほかの門下生よりも強かった 。と」
土方「ああ………」
平助「………なあ、もしかして」
新八「お前の時代にいた奴らは弱すぎた、ってことか!?」
平助と新八さんが言葉を紡ぎながら、冷や汗をかいて楓に聞くと「だって、試合にならないんですよ」と口を尖らせる。
本気で来いって言ってたくせに、いざやれば打ち所が悪くて重症だの。ハンデをつけていたにも関わらず、いちゃもんをつけてくるだの、本っ当につまらないものだった。
楓「ま、どうせなら幹部の方々との一騎打ちを楽しませてもらいたいものですけど?………それが駄目なら、」
「全員まとめてかかってきてくれても構いませんが」と笑顔でそこまで言うと、皆ポカンと私を眺めていた。
沖田「………へぇ?僕達に喧嘩売ろうって言うの?キミ」
沖田さんが満面の笑顔でカチャ………と刀に手をかける。
精神的にも、肉体的にもひどい
近藤「楓君。
つかぬことを聞くが………キミは今、いくつかね?」
そう、難しそうな顔をしつつ、近藤さんが聞いてきた。
とはいえ、自分も今は一体何歳だったのか、覚えていないところもあったから、「そうですね」と私は唸る。
いや、死んだときの歳を言った方がいいのか、それとも死んでからの歳を言った方がいいのかよく分からないのが本音なわけで。
楓「………18です。一年前ぐらいに、父は教士七段の称号を任命されました。
あとは、………………まあ、
平助「???………“きょうしななだん”???」
左之「………すまねぇ、聞いたことのねぇ名前だな。その称号とやらはどれぐらいすごいんだ?」
全員が全員頭をひねらせている。
………って、普通はそうなるか。
再び説明不足だったことを知り、私は、自分で自分に苦笑を禁じ得なかった。
楓(………そっか、ここはまだ明治にもなっていない時代だから)
【教士】と言う称号は、明治35年頃に今の全日本剣道連盟などが設立される大元となった、
こことはまるっきり段も階級のことも異なる。
ここの時代では、【口伝】【免許】などで伝承していくので、誰が何段だの、そう言った決めごとなど存在しないのだ。
当然、彼らにとって初耳以上のことで、今から数年後に知ることになる話なのだから、分からないのは当たり前。
楓「あー………、簡単に言えば、師範代に近いですかね。
ちなみに俺は、正中伝といって、師範代の二回りほど下の地位にいます」
千鶴「よく………分からないですけど、すごいです、アキさん!!」
千鶴ちゃんが形相にキラキラとした瞳で見てくるので苦笑を漏らすと、それこそ、幹部全員がざわめいた。
師範代から下、と言うことは理解できるらしいから、ひとまず良かったと心の中でほっと一息つく。
沖田さんはと言うと、面白いおもちゃでも見つかった、とでも言うかのように「へぇ………」と面白そうに笑っていた。
土方「………お前、今考えただろ」
楓「しょうがないですよ。色々と思い出せないところもあるんでね」
「ほら、気が付いたらあの場所にいたって言うのだってそうじゃないですか」というと土方さんは押し黙ってしまった。
楓「でもまあ。ここに来て、俺。何かと楽しみで仕方がなかったんですよね」
土方「どういう事だ?」
さっきのおぞましさと打って変わったかのように、私は眉をひそめる土方さんの問いに答える。
楓「さっきも言いましたよね?
土方「ああ………」
平助「………なあ、もしかして」
新八「お前の時代にいた奴らは弱すぎた、ってことか!?」
平助と新八さんが言葉を紡ぎながら、冷や汗をかいて楓に聞くと「だって、試合にならないんですよ」と口を尖らせる。
本気で来いって言ってたくせに、いざやれば打ち所が悪くて重症だの。ハンデをつけていたにも関わらず、いちゃもんをつけてくるだの、本っ当につまらないものだった。
楓「ま、どうせなら幹部の方々との一騎打ちを楽しませてもらいたいものですけど?………それが駄目なら、」
「全員まとめてかかってきてくれても構いませんが」と笑顔でそこまで言うと、皆ポカンと私を眺めていた。
沖田「………へぇ?僕達に喧嘩売ろうって言うの?キミ」
沖田さんが満面の笑顔でカチャ………と刀に手をかける。