第弐章・存在意義
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楓「だって、俺を殺そうとしたの、実の親 ですよ?
俺を家族だなんて、これっぽっちも思ってなんか無い。
処分に困ったゴミでしかないし、家畜と飼い主でしょ、どうみても。」
「いや、正確には“俺を殺した”か?」と軽く嘲ら笑う彼女に、誰も言葉がでなかった。
どこで彼女を狂わせてしまったのだろう、と誰も思っただろうが、同情の眼差しも言葉も、今の彼女にとっては煩わしいものでしかないのだろう。
千鶴「………っ!!」
楓「………それほどまでに殺したかったんでしょうねぇ。
………2年前、俺に、あの子を奪われたから」
土方「………あの子?」
沖田「………。じゃあキミは、キミの言うその子を奪った から、殺されたって言うの?」
左之「そいつぁ、屁理屈ってもんじゃねえか?
そいつを奪った、ってんなら、なんで殺されなきゃならない?」
周りにも相当驚いていたのか、目を見張る者もいた。千鶴ちゃんに至っては口を押さえ、涙を浮かべている始末。
確かに、違和感を覚える内容だろう。
その奪った が、恋に落ちて 、なのだと解釈されているのが、安易に想像できるものだが。
楓「………さて、ね。こればっかりは分かりませんよ。
今更気にしたって、後の祭りでしょう?」
これ以上は答えたくないが為に、あえてはぐらかすと、少し冷静になってきたのか、土方さんが再び問いかける。
土方「………てめぇが火事に遭ってるって事を知っている奴は………」
楓「いないに決まってるじゃないですか。まあでも、瓦版ぐらいは出てるでしょうね。………あいつらが恨み、憎んだ奴なんかを心配する訳がないでしょ?
むしろ、遺体がないって知ったら、斧やナタを振りかざして探すでしょうけど…………死んだとわかるまで、ずっと………ね?」
嘲笑された彼らは、彼女から溢れ出る怨念をひしひしと肌に感じていた。
話を聞くだけでも、ゾッと背筋が凍るほどおぞましく思える。
楓「気が付いたら真っ暗で、この世界にいたし。
火傷だって負っているはずなのに、その痕も見当たらない。
これでもビックリしてますよ?………まさか、あんなところでこいつと出会ったと思ったら、これですからね」
そう言って千鶴ちゃんを指差ししてから笑う楓に、誰もが複雑な眼差しを向ける。
近藤「………信じがたい話だが、俺は信じようと思う」
同情と共に訪れていた沈黙も、彼の言葉で崩れ去った。
それを聞いた彼らは、飛び跳ねるように彼に食いついた。
土方「正気か、近藤さん!
どこかの間者かも知れねぇんだぞ!!」
近藤「だがなぁ………俺には楓君が嘘をついているようには見えんのだ。
それに、目視できるほどのあの傷や痣の多さ、あんなにやせ細ったことも気になる」
それは、彼も含め………皆が感じていた。
何かで何回も殴られたかのような大きな青紫色の痣と、古傷のような小さな傷が幾重にも重なっている。
どこかで軟禁か、監禁でもされたのだろうか、骨格が見えるぐらいやせ細っていて、見るからに幽霊のようだ。
そして………尤 も印象づけるのが、生きることを忘れた、あの、虚ろな茶色の瞳と彼女から感じる覇気の無さだ。
俺を家族だなんて、これっぽっちも思ってなんか無い。
処分に困ったゴミでしかないし、家畜と飼い主でしょ、どうみても。」
「いや、正確には“俺を殺した”か?」と軽く嘲ら笑う彼女に、誰も言葉がでなかった。
どこで彼女を狂わせてしまったのだろう、と誰も思っただろうが、同情の眼差しも言葉も、今の彼女にとっては煩わしいものでしかないのだろう。
千鶴「………っ!!」
楓「………それほどまでに殺したかったんでしょうねぇ。
………2年前、俺に、あの子を奪われたから」
土方「………あの子?」
沖田「………。じゃあキミは、キミの言うその子を
左之「そいつぁ、屁理屈ってもんじゃねえか?
そいつを奪った、ってんなら、なんで殺されなきゃならない?」
周りにも相当驚いていたのか、目を見張る者もいた。千鶴ちゃんに至っては口を押さえ、涙を浮かべている始末。
確かに、違和感を覚える内容だろう。
その
楓「………さて、ね。こればっかりは分かりませんよ。
今更気にしたって、後の祭りでしょう?」
これ以上は答えたくないが為に、あえてはぐらかすと、少し冷静になってきたのか、土方さんが再び問いかける。
土方「………てめぇが火事に遭ってるって事を知っている奴は………」
楓「いないに決まってるじゃないですか。まあでも、瓦版ぐらいは出てるでしょうね。………あいつらが恨み、憎んだ奴なんかを心配する訳がないでしょ?
むしろ、遺体がないって知ったら、斧やナタを振りかざして探すでしょうけど…………死んだとわかるまで、ずっと………ね?」
嘲笑された彼らは、彼女から溢れ出る怨念をひしひしと肌に感じていた。
話を聞くだけでも、ゾッと背筋が凍るほどおぞましく思える。
楓「気が付いたら真っ暗で、この世界にいたし。
火傷だって負っているはずなのに、その痕も見当たらない。
これでもビックリしてますよ?………まさか、あんなところでこいつと出会ったと思ったら、これですからね」
そう言って千鶴ちゃんを指差ししてから笑う楓に、誰もが複雑な眼差しを向ける。
近藤「………信じがたい話だが、俺は信じようと思う」
同情と共に訪れていた沈黙も、彼の言葉で崩れ去った。
それを聞いた彼らは、飛び跳ねるように彼に食いついた。
土方「正気か、近藤さん!
どこかの間者かも知れねぇんだぞ!!」
近藤「だがなぁ………俺には楓君が嘘をついているようには見えんのだ。
それに、目視できるほどのあの傷や痣の多さ、あんなにやせ細ったことも気になる」
それは、彼も含め………皆が感じていた。
何かで何回も殴られたかのような大きな青紫色の痣と、古傷のような小さな傷が幾重にも重なっている。
どこかで軟禁か、監禁でもされたのだろうか、骨格が見えるぐらいやせ細っていて、見るからに幽霊のようだ。
そして………