第壱話・暗闇の道
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平助「なあ。お前、本当に何も見てないのか?」
千鶴「見てません」
問い詰めるように身を乗り出してきた平助に、千鶴はきっぱりとそう言いきる。
平助「ふーん………。見てないなら、いいんだけどさ」
新八「あれ?総司の話では、お前が隊士共を助けてくれたって話だったが………」
楓「………」
千鶴「ち、違います!」
永倉さんの言葉を慌てて否定した彼女は、沖田さんを見たので、私も同じ様に彼に視線をやるけど、そこにあるのは感情の読めない笑顔だけ。
その笑みに、ぞわりと鳥肌が立つ感じがした。
千鶴「私、その浪士達から逃げていて………そこに新選組の人達が来て………」
………ってゆーか、これはさすがにヤバイかも知れない。
恐らく、これは自分たちを陥れるために、沖田さんが仕掛けた罠、と言っても過言ではないだろう。
まんまとその罠にかけられてしまった彼女は案の定、否定の言葉を続けた。
───────助けられたのは、自分のほうだ 、と。
新八「じゃ、隊士共が浪士を斬り殺してる場面は、しっかり見ちゃった、てわけだな?」
千鶴「………っ!!!」
否定の言葉を紡げなくなった彼女は、再び、青ざめた顔をして沈黙してしまう。
どうやら彼らの方が、こちらより何枚も上手だったらしい。
楓「………誘導尋問、ですか。さすが頭が冴えてますね、新八さんとやら」
新八「お褒め戴き、光栄だね、坊主」
千鶴「………」
沈黙は、“肯定”と取られても仕方がない。
なぜなら、カマをかけられて、嘘をついたことがバレてしまったからには、それ以上の言葉が紡ぎ出せないのだから。
左之「つまり最初から最後までの一部始終を見てたって事か」
千鶴「ぅぅ………」
左之さんがそう言うと、千鶴ちゃんは言葉を詰まらせた。
ああ、最初に案じていたことが現実になってしまうのは、どうしても避けたかったのになぁ。
こういう子にとっては最悪の場合、知らなかったとしても犯罪に手を貸してしまうことがあり得る。
事が終わってから知りませんでした だなんて、話が通じるわけがない。
そんなもの、手を貸した奴が悪い。と指を差されるだけだ。
左之「お前、根が素直なんだろうな。それ自体は悪いことじゃないんだろうが………」
千鶴「………っ」
その素直さがかえって仇 となり、結果的に自分の首を絞めることになっているのは目に見えている。
左之さんの曖昧な言葉は、きっと彼女にとって死刑宣告のように感じたことだろう。
千鶴「見てません」
問い詰めるように身を乗り出してきた平助に、千鶴はきっぱりとそう言いきる。
平助「ふーん………。見てないなら、いいんだけどさ」
新八「あれ?総司の話では、お前が隊士共を助けてくれたって話だったが………」
楓「………」
千鶴「ち、違います!」
永倉さんの言葉を慌てて否定した彼女は、沖田さんを見たので、私も同じ様に彼に視線をやるけど、そこにあるのは感情の読めない笑顔だけ。
その笑みに、ぞわりと鳥肌が立つ感じがした。
千鶴「私、その浪士達から逃げていて………そこに新選組の人達が来て………」
………ってゆーか、これはさすがにヤバイかも知れない。
恐らく、これは自分たちを陥れるために、沖田さんが仕掛けた罠、と言っても過言ではないだろう。
まんまとその罠にかけられてしまった彼女は案の定、否定の言葉を続けた。
───────
新八「じゃ、隊士共が浪士を斬り殺してる場面は、しっかり見ちゃった、てわけだな?」
千鶴「………っ!!!」
否定の言葉を紡げなくなった彼女は、再び、青ざめた顔をして沈黙してしまう。
どうやら彼らの方が、こちらより何枚も上手だったらしい。
楓「………誘導尋問、ですか。さすが頭が冴えてますね、新八さんとやら」
新八「お褒め戴き、光栄だね、坊主」
千鶴「………」
沈黙は、“肯定”と取られても仕方がない。
なぜなら、カマをかけられて、嘘をついたことがバレてしまったからには、それ以上の言葉が紡ぎ出せないのだから。
左之「つまり最初から最後までの一部始終を見てたって事か」
千鶴「ぅぅ………」
左之さんがそう言うと、千鶴ちゃんは言葉を詰まらせた。
ああ、最初に案じていたことが現実になってしまうのは、どうしても避けたかったのになぁ。
こういう子にとっては最悪の場合、知らなかったとしても犯罪に手を貸してしまうことがあり得る。
事が終わってから
そんなもの、手を貸した奴が悪い。と指を差されるだけだ。
左之「お前、根が素直なんだろうな。それ自体は悪いことじゃないんだろうが………」
千鶴「………っ」
その素直さがかえって
左之さんの曖昧な言葉は、きっと彼女にとって死刑宣告のように感じたことだろう。