第壱話・暗闇の道
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心外、と言いながらも微笑んだままの山南さんと、薄く笑ったままの土方さん。
折り合いが悪いというか、静かにケンカしているような空気に嫌気が差す。
だたでさえ、ここにいるだけでも嫌なのに、さらに息が詰まりそうだ。
?「トシと山南君は、相変わらず仲がいいなあ」
楓(………いや、それを仲がいいとは言えないんじゃ………)
そんな張り詰めた空気を、一瞬でぶち壊してしまう大物も、ここには存在していた訳なのだが………。
近藤「ああ、自己紹介が遅れたな。俺が新選組局長、近藤勇だ」
………そう、この無邪気っぷりのあるおじさんこそが、あの新選組局長・【近藤勇】、その人だ。
と言ってはいるものの、彼は自己紹介から始まり、土方さんが副長であること、山南さんが総長であることまで話し出した。
これから殺すことになるかも知れない相手に、色々と教える必要など無いのでは、と半ば呆れてしまったのは、どうやら私だけではないらしい。
土方「いや、近藤さん。なんで色々教えてやってんだよ、あんたは」
近藤「………む?ま、まずいのか?」
新八「これから詮議する相手に、自己紹介はないんじゃねーか?」
平助「だよなー。わざわざ教えてやる義理はないんじゃね?」
近藤「ううっ………」
楓(天然って………ある意味、こえー………)
これが新選組の局長………。抜けている、と言うか、こんなお人好しそうな人物で大丈夫なのだろうかと心配しても、案外そうでもなかったりする。
時々、ハラハラさせられるけどね。
純粋で真っ直ぐな正確の人は好感を持たれやすいけど、組織の上に立つ者として考えると、いささか不安なのではとも思ったりする。
永倉さんや平助が同意すると、うろたえている近藤さんを見て、その場を取り直すように笑ったのは左之さんだった。
左之「ま、そう言うクソ真面目なところが、近藤さんらしいっちゃらしいがな。知られて困ることもねぇよ」
近藤さんはしょんぼり、と肩を落としていたが(ある意味可愛い)、気を取り直したように居住まいを正した。
近藤「………さて、本題に入ろう。まずは改めて、昨晩の話を聞かせてくれるか?」
そう言って近藤さんは、斉藤さんに視線を向ける。
彼はかしこまった仕草で頷くと、昨晩のことを話し出した。
斉藤「昨晩、京の都を巡回中に浮浪の浪士と遭遇。相手が刀を抜いたため、斬り合いとなりました」
そこに、私達が居合わせ、“失敗”した隊士を目撃された、と斉藤さんは続けた。
そして彼がちらりとこちらへ視線を寄越すと、私の隣にいた千鶴ちゃんが口を開いた。
千鶴「私、何も見てません」
楓「………」
間を開けず、きっぱりと言いきった千鶴に、土方さんの表情が少しだけ和らいだ。
斉藤さんは無表情で、沖田さんは相変わらずの笑顔だったわけだけど。
このまま彼女が何も見ていないと言い切ってしまえば、彼らが彼女を口封じする必要はなくなる。
折り合いが悪いというか、静かにケンカしているような空気に嫌気が差す。
だたでさえ、ここにいるだけでも嫌なのに、さらに息が詰まりそうだ。
?「トシと山南君は、相変わらず仲がいいなあ」
楓(………いや、それを仲がいいとは言えないんじゃ………)
そんな張り詰めた空気を、一瞬でぶち壊してしまう大物も、ここには存在していた訳なのだが………。
近藤「ああ、自己紹介が遅れたな。俺が新選組局長、近藤勇だ」
………そう、この無邪気っぷりのあるおじさんこそが、あの新選組局長・【近藤勇】、その人だ。
と言ってはいるものの、彼は自己紹介から始まり、土方さんが副長であること、山南さんが総長であることまで話し出した。
これから殺すことになるかも知れない相手に、色々と教える必要など無いのでは、と半ば呆れてしまったのは、どうやら私だけではないらしい。
土方「いや、近藤さん。なんで色々教えてやってんだよ、あんたは」
近藤「………む?ま、まずいのか?」
新八「これから詮議する相手に、自己紹介はないんじゃねーか?」
平助「だよなー。わざわざ教えてやる義理はないんじゃね?」
近藤「ううっ………」
楓(天然って………ある意味、こえー………)
これが新選組の局長………。抜けている、と言うか、こんなお人好しそうな人物で大丈夫なのだろうかと心配しても、案外そうでもなかったりする。
時々、ハラハラさせられるけどね。
純粋で真っ直ぐな正確の人は好感を持たれやすいけど、組織の上に立つ者として考えると、いささか不安なのではとも思ったりする。
永倉さんや平助が同意すると、うろたえている近藤さんを見て、その場を取り直すように笑ったのは左之さんだった。
左之「ま、そう言うクソ真面目なところが、近藤さんらしいっちゃらしいがな。知られて困ることもねぇよ」
近藤さんはしょんぼり、と肩を落としていたが(ある意味可愛い)、気を取り直したように居住まいを正した。
近藤「………さて、本題に入ろう。まずは改めて、昨晩の話を聞かせてくれるか?」
そう言って近藤さんは、斉藤さんに視線を向ける。
彼はかしこまった仕草で頷くと、昨晩のことを話し出した。
斉藤「昨晩、京の都を巡回中に浮浪の浪士と遭遇。相手が刀を抜いたため、斬り合いとなりました」
そこに、私達が居合わせ、“失敗”した隊士を目撃された、と斉藤さんは続けた。
そして彼がちらりとこちらへ視線を寄越すと、私の隣にいた千鶴ちゃんが口を開いた。
千鶴「私、何も見てません」
楓「………」
間を開けず、きっぱりと言いきった千鶴に、土方さんの表情が少しだけ和らいだ。
斉藤さんは無表情で、沖田さんは相変わらずの笑顔だったわけだけど。
このまま彼女が何も見ていないと言い切ってしまえば、彼らが彼女を口封じする必要はなくなる。