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第壱話・暗闇の道

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あなたの名字は?
あなたの名前は?
なんと呼ばれたい?〔例;○○ちゃん〕
大切だった幼なじみの名前は?

?「でさ、土方さん。………そいつらが目撃者?」



そう言って千鶴と私を一瞥いちべつしたのは、幹部の中でも特に年若い少年だった。
幹部って言葉を聞くだけでも、年の言った人物像を想像しがちだけど、新選組は全体的に見ても、年齢層が低いように思えた。
………そして、あまり柄が良くなさそうだ。例えとして出すなら、ある意味………不良集団みたいなものだろう。



?「ちっちゃいし、細っこいなぁ………。まだガキじゃん、こいつら」



「………」



それはお前もだろう。と言いたいが、なんか睨まれそうなんで、心の中に閉まっておく。
ここに来るまで、源さんが教えてくれた幹部全員の名前と特徴を照らし合わせると、恐らく彼が新選組最年少幹部である【藤堂平助】なのだろう。



?「お前がガキとか言うなよ、平助」



?「だな。世間様から見りゃ、お前もこいつらも似たようなもんだろうよ」



じろりと睨んでいた私を観察していた男が、くつくつと笑いながら口を開く。
そんな会話に頷きながら、彼の向かいに座っている男がそう言った。



平助「うるさいなぁ、おじさん二人は黙ってなよ。新八っつぁんも左之さんもいい年してさ」



左之・新八「「ああ"??」」



“おじさん”という言葉を強調して、平助は言い返すと、新八と呼ばれた男と左之と呼ばれた赤髪の男も反論する。
源さんが賑やかな二人組がいる、と言っていたから、それがこの二人なのだろう。
確か髪の長く、腹にサラシを巻いている方が【原田左之助】で、髪が短くて鉢巻きをしてる方が【永倉新八】だったはず。



新八「ふざけんなよ、このお坊ちゃまが!!俺らにそんな口を聞いていいと思ってんのか?」



左之「平助におじさん呼ばわりされるほど、歳は食ってねぇよ。………新八はともかく、この俺はな」



新八「てめぇ………裏切るのか、左之」



互いににらみ合う三人に、土方さんが「ちったぁ黙れ!!てめぇら!!」と怒鳴り散らしていた。
まるで仲がいい兄弟のように言い合いをしているこの三人だけど、彼女と私に注がれる好奇を含んだ視線だけはそのまま。
そんな自分たちに対する興味の裏の確かな敵意を、私は肌に感じていた。
彼女もそれを感じ取ったのか、彼らの目から逃れるように俯いてしまう。



?「口さがない方ばかりで申し訳ありません。あまり、怖がらないでくださいね」



千鶴「あ………」



「………」



騒がしい三人とは真逆の、落ち着いた声色で優しい言葉をかけられ、彼女は顔を上げた。
すっと障子が開いて、眼鏡をかけた、物腰の穏やかそうな人が入ってきた。
私もその人物を目にやったけど、正直なところ、笑顔には沖田さん並………いや、それ以上の胡散臭さを感じる。



(………なんか、腹に一物抱えてそー。あの人)



土方「何言ってんだ。一番怖いのはアンタだろ、山南さん」



そんな事を思っていたら、土方さんが淡い笑みを浮かべながら、からかうような口調で言った。
それに同意するように、頷く者もいた。
どうやら彼が、あの新選組、唯一の参謀【山南敬介】らしい。



山南「おや、心外ですね。皆さんはともかく、鬼の副長まで何を仰るんです?」
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