第壱話・暗闇の道
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
?「でさ、土方さん。………そいつらが目撃者?」
そう言って千鶴と私を一瞥 したのは、幹部の中でも特に年若い少年だった。
幹部って言葉を聞くだけでも、年の言った人物像を想像しがちだけど、新選組は全体的に見ても、年齢層が低いように思えた。
………そして、あまり柄が良くなさそうだ。例えとして出すなら、ある意味………不良集団みたいなものだろう。
?「ちっちゃいし、細っこいなぁ………。まだガキじゃん、こいつら」
楓「………」
それはお前もだろう。と言いたいが、なんか睨まれそうなんで、心の中に閉まっておく。
ここに来るまで、源さんが教えてくれた幹部全員の名前と特徴を照らし合わせると、恐らく彼が新選組最年少幹部である【藤堂平助】なのだろう。
?「お前がガキとか言うなよ、平助」
?「だな。世間様から見りゃ、お前もこいつらも似たようなもんだろうよ」
じろりと睨んでいた私を観察していた男が、くつくつと笑いながら口を開く。
そんな会話に頷きながら、彼の向かいに座っている男がそう言った。
平助「うるさいなぁ、おじさん二人は黙ってなよ。新八っつぁんも左之さんもいい年してさ」
左之・新八「「ああ"??」」
“おじさん”という言葉を強調して、平助は言い返すと、新八と呼ばれた男と左之と呼ばれた赤髪の男も反論する。
源さんが賑やかな二人組がいる、と言っていたから、それがこの二人なのだろう。
確か髪の長く、腹にサラシを巻いている方が【原田左之助】で、髪が短くて鉢巻きをしてる方が【永倉新八】だったはず。
新八「ふざけんなよ、このお坊ちゃまが!!俺らにそんな口を聞いていいと思ってんのか?」
左之「平助におじさん呼ばわりされるほど、歳は食ってねぇよ。………新八はともかく、この俺はな」
新八「てめぇ………裏切るのか、左之」
互いににらみ合う三人に、土方さんが「ちったぁ黙れ!!てめぇら!!」と怒鳴り散らしていた。
まるで仲がいい兄弟のように言い合いをしているこの三人だけど、彼女と私に注がれる好奇を含んだ視線だけはそのまま。
そんな自分たちに対する興味の裏の確かな敵意を、私は肌に感じていた。
彼女もそれを感じ取ったのか、彼らの目から逃れるように俯いてしまう。
?「口さがない方ばかりで申し訳ありません。あまり、怖がらないでくださいね」
千鶴「あ………」
楓「………」
騒がしい三人とは真逆の、落ち着いた声色で優しい言葉をかけられ、彼女は顔を上げた。
すっと障子が開いて、眼鏡をかけた、物腰の穏やかそうな人が入ってきた。
私もその人物を目にやったけど、正直なところ、笑顔には沖田さん並………いや、それ以上の胡散臭さを感じる。
楓(………なんか、腹に一物抱えてそー。あの人)
土方「何言ってんだ。一番怖いのはアンタだろ、山南さん」
そんな事を思っていたら、土方さんが淡い笑みを浮かべながら、からかうような口調で言った。
それに同意するように、頷く者もいた。
どうやら彼が、あの新選組、唯一の参謀【山南敬介】らしい。
山南「おや、心外ですね。皆さんはともかく、鬼の副長まで何を仰るんです?」
そう言って千鶴と私を
幹部って言葉を聞くだけでも、年の言った人物像を想像しがちだけど、新選組は全体的に見ても、年齢層が低いように思えた。
………そして、あまり柄が良くなさそうだ。例えとして出すなら、ある意味………不良集団みたいなものだろう。
?「ちっちゃいし、細っこいなぁ………。まだガキじゃん、こいつら」
楓「………」
それはお前もだろう。と言いたいが、なんか睨まれそうなんで、心の中に閉まっておく。
ここに来るまで、源さんが教えてくれた幹部全員の名前と特徴を照らし合わせると、恐らく彼が新選組最年少幹部である【藤堂平助】なのだろう。
?「お前がガキとか言うなよ、平助」
?「だな。世間様から見りゃ、お前もこいつらも似たようなもんだろうよ」
じろりと睨んでいた私を観察していた男が、くつくつと笑いながら口を開く。
そんな会話に頷きながら、彼の向かいに座っている男がそう言った。
平助「うるさいなぁ、おじさん二人は黙ってなよ。新八っつぁんも左之さんもいい年してさ」
左之・新八「「ああ"??」」
“おじさん”という言葉を強調して、平助は言い返すと、新八と呼ばれた男と左之と呼ばれた赤髪の男も反論する。
源さんが賑やかな二人組がいる、と言っていたから、それがこの二人なのだろう。
確か髪の長く、腹にサラシを巻いている方が【原田左之助】で、髪が短くて鉢巻きをしてる方が【永倉新八】だったはず。
新八「ふざけんなよ、このお坊ちゃまが!!俺らにそんな口を聞いていいと思ってんのか?」
左之「平助におじさん呼ばわりされるほど、歳は食ってねぇよ。………新八はともかく、この俺はな」
新八「てめぇ………裏切るのか、左之」
互いににらみ合う三人に、土方さんが「ちったぁ黙れ!!てめぇら!!」と怒鳴り散らしていた。
まるで仲がいい兄弟のように言い合いをしているこの三人だけど、彼女と私に注がれる好奇を含んだ視線だけはそのまま。
そんな自分たちに対する興味の裏の確かな敵意を、私は肌に感じていた。
彼女もそれを感じ取ったのか、彼らの目から逃れるように俯いてしまう。
?「口さがない方ばかりで申し訳ありません。あまり、怖がらないでくださいね」
千鶴「あ………」
楓「………」
騒がしい三人とは真逆の、落ち着いた声色で優しい言葉をかけられ、彼女は顔を上げた。
すっと障子が開いて、眼鏡をかけた、物腰の穏やかそうな人が入ってきた。
私もその人物を目にやったけど、正直なところ、笑顔には沖田さん並………いや、それ以上の胡散臭さを感じる。
楓(………なんか、腹に一物抱えてそー。あの人)
土方「何言ってんだ。一番怖いのはアンタだろ、山南さん」
そんな事を思っていたら、土方さんが淡い笑みを浮かべながら、からかうような口調で言った。
それに同意するように、頷く者もいた。
どうやら彼が、あの新選組、唯一の参謀【山南敬介】らしい。
山南「おや、心外ですね。皆さんはともかく、鬼の副長まで何を仰るんです?」