ヴァルプルギス戦争終結時における新聞報道

戦争終結――熱狂の代償を、我々は直視しなければならない

聖暦800年12月25日、ヴァルプルギス戦争の終結が正式に宣言された。

六年に渡る戦乱は終わった。

だが本紙は、この終結を安易な勝利として語ることを拒否する。

この戦争の発端となった「ヴァルプルギス事件」、そして戦争全体を通じ、世界を最も深く蝕んだものは何だったのか。

それは魔術そのものではない。
まして一人の魔女でもない。

人々を呑み込んだ熱狂である。

理性は失われた。
秩序は軽視された。
人々は“夢”という名の幻想に惹かれ、現実の重みを忘れた。

その結末が、六年間に及ぶ破滅である。

首魁たる魔女は消滅した。

しかし熱狂の残滓はいまだ各地に存在し、人々の心にもまた、戦争の影は深く刻み込まれている。

終戦とは、秩序回復の始まりに過ぎない。

我々アイゼルネが、この戦争から学ばなければならない教訓は明白である。

幻想に国家を委ねてはならない。
感情に秩序を明け渡してはならない。

自由とは、理性によって支えられる時にのみ成立する。

本紙はこれからも、熱狂にも扇動にも与することなく、事実のみを観察し、記録し続ける。

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