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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■理由]


俺だけが不可解な殺気に見舞われる中、アキラは楽しげに会長と談笑。
そして昼飯をご馳走になり、まだ引き止めたそうな会長を残して、やっと一般棟の自分の部屋に戻ってきた。

「ちょっと」

戻ってすぐ、一言言ってやらねばと声をかける。

「はい、なんでしょうか?」

たっぷり買い置きしている猫缶片手に、アキラが振り向いた。

「あんたさ、一緒に寝てること、わざわざ会長に言った?」

「はい。以前そのようにご報告いたしましたでしょう」

「以前?」

「お忘れですか?」

すっかり忘れている俺のために、アキラが日付までばっちりと教えてくれた。
そうして、やっと思い出しました。
あの日のことをちゃんと思い出した。

『それってさ、誰に言われたわけ?』

『会長さんですよ』

『ふーん、会長さんね……』

あの日、あの時、間違いなくそうおっしゃってましたね。

「それでは、行って参りますね」

「はいはい、いってらっしゃい」

どうせ今から行くとこにも、会長様はお出でになってるのでしょうね。

上機嫌のアキラの背を見送り、俺は一人ソファに沈む。
暫くボーっと天井を見ながら、何気にさっきのことを振り返ってみた。

明らかに会長の様子はおかしかったよな。
なぜだか俺に対して敵愾心を燃やしてたみたいだし。
ま、俺も見た瞬間からなんかムカついたけど。

しかし、会長があそこまで俺に当たる理由が分かんねーよな……理由、理由……。

なんで一緒に寝てるってだけで、あんなに殺気立つんだ?
そういえばアキラは、会長に一人で寝るべきだと言われたって言ってたよな……てめぇに関係ねーって感じだけどねー。

いやいやそれよりも会長に睨まれる理由理由……書記のことか? いやそれはねーよな、誰にも言ってないはずだし。
あ、アキラから洩れたか、いやいやだからといって、あそこまでされる謂れは……理由、理由……。

だいたい初対面なんだから、あそこまで恨まれる筋合いは……ない! それはないだろ!

ははは、ないない……まさか、ねーってば、それはないの!

会長がアキラに惚れてるとか、まさか、そんな、絶対にありえねーってば!!
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