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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[東峰■友達?]


「な、何を出鱈目を! そんなの職権乱用ですよ! 大問題ですよ!」

「なんとでも言え、勝手に口出しする奴らのせいで、なんでこの俺様が我慢しないといけないんだ!」

卑怯なことなど重々承知の上だ。
しかしこうでも言わないとこの馬鹿は、絶対に俺を避けるに決まっている。

「だいたい、僕と会ったって、あなたにはなんの得もないじゃないですか!」

そう言われれば、そうだな……知るかっ、そんなこと!

「お前は損得で友人を選ぶのか?」

「は…?」

「お前は自分の損得で、お子様会の連中と付き合ってるのか?」

キラキラ会などとやけに可愛らしい会を結成したことは、ついこの間教えて貰った。
高橋はもちろん、鈴木やら伊藤やらと勝手に友人を増やし、俺をやきもきさせてくれたしな。
しかも全員アキラなどと、かなりふざけた絆を見せ付けてくれやがった。

そっちが良くて、こっちは駄目だなどと、そんな道理の通らねぇことは、絶対に許さねぇぞ!

「えっと、その、少々確認させてください」

あまりにも突飛な話をするせいか、佐藤のほうがかなり冷静になってきた。

「会長様は僕を友達と思ってくださっている、ということでしょうか?」

咄嗟に返事ができない。

友達?
佐藤と、友達……そんなこと考えたこともねぇな。

「ふふ、そんな訳ないですよね」

考え込む俺を見て否定の意に捉えたのだろう、佐藤は打って変わって安心したような笑顔を見せた。
その様子にまた怒りが再燃しそうだ。

しかし、このままでは今までの話はなかったことになっちまうぞ。
いや、だが、友達でもないのに無理矢理俺に関わらせるのは、問題だよな。
FCに睨まれるのは佐藤にとって、なんの利点もねぇし。

「では、別に無理して会う必要もない、」

「駄目だ!!」

「ひゃっ!」

立ち上がりかけた佐藤の腰を掴み、元の位置へと戻す。
元の位置とはどこかって? 俺の膝の上に決まってるだろ!

「うぅ、会長様は、僕の平穏な学園生活を邪魔するおつもりなのですね……」

「とんでもない言い掛かりだな」

「だってそうではないですか! 友人でもないのに会うってことは、FCをけしかけるためとしか思えません!」

ふむ、確かにその通りだ。

「僕が何をしたと言うのですか!?」

恨みがましく俺を睨んで、佐藤が叫んだ。

何をしたかって……? いやいや充分しただろ。
俺が自分でも理解できないまでに、おかしくなったのは、間違いなくお前のせいだ、お前がなにかしたに決まってる。

だからその責任は、きっちりと取ってもらわないとな。
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