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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■シズカ]


あれから、アッという間に一週間がすぎた。
今日は、書記と約束した日曜日だ。

よくよく考えたら、時間は決めてないし、連絡先も知らない。
ま、適当でいいでしょ。

午前中はアキたちも一緒に食堂で食事して、そのあとは俺たちの部屋で談笑した。
はっきりいって、こいつらと居ることで、俺はとてつもない安心感を得ている。
そして、昼食を食ったあとは、各自別行動となった。

俺はやつとの約束通り、あの場所に向かう。
念のため、本も持っていくことにしましょう。

そうして、到着した例の場所では、すでにあの巨体がベンチに座っていた。

「お待たせー」

「昭……」

瞳をやけにウルウルさせて、こっち見た大型犬……もとい書記。
あ、先週感じた違和感の正体が、今分かったぞ。
こいつ、俺のことをファーストネームで呼んでやがる……ま、いっか。

しかし、会話するといっても、これと言って話題がないのよね。
仕方ないから、この一週間の出来事を語ってやるか。

キラキラ会のくだりで、書記が笑ったのが分かった。
でかいワンコのくせに、その笑顔はなんとも儚くて、まるで繊細なガラス細工のよう……って俺は詩人か!

とにかく、笑うならもっと豪快に笑えってことだ!

「昭…楽しそう…」

「ん? そりゃ、まぁ、友達だしね。楽しいことは楽しいね」

アキラたちの話をすると、自然表情が緩んでるみたいね。

「あんたも、役員の話してるときは、まだマシな顔してるじゃん」

「ん、仲、間…」

そかそか、仲間と思える相手がいるのは良いことだ。
どうしようもなく孤独になりたがる奴だと思ったが、こうして自然にそうだと言える奴らがいて、かなりホッとした。

「そうそう、今度アキラ連れてきてやるよ。あいつもあんたの国の言葉話せるし」

アキラが色んな国の言葉を話せると教えてもらったのは、つい最近。
ったく、なんでも出来るやつだよなぁ…あ、運動以外はwww

「ん、どした?」

書記が珍しく眉を少し寄せて、俺をジッと見てやがる。
自分の国の言葉を話すやつが他にもいるってのに、なんでそんな顔してるんだ?

「シズ、カ…」

「あ、なに?」

「俺…シズカ…」

「は…?」

うーんと、シズカ、しずか、あ、静ね。

「あぁ、名前ね。うん、知ってるけど、それが何?」

一条静だろ、それくらい覚えてるっての。

「静……呼んで…」

「はぁ?」

なんか、すっげーヤダ。
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