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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■望んでいた]


今日は、俺もアキラも、戻りの時間が遅かったせいで、昨日に引き続き、またあの騒ぎに巻き込まれちまった。
昨日と同じように、隅っこで食事して、早々に引き上げたけどね。

「なぁ、アッキーってさ、ちょー無口じゃん。あれってどう思う?」

部屋で食後のコーヒーを飲みながら、ふと思ったことをアキラに訊いてみた。
こいつがどんな答えを返すか少々気になる。

「アッキーは確かに無口ですね。ですが本人がそれでいいと思っているので、問題ないのでは?」

「あぁ、ま、そうね」

「なんだか、タイムリーな話題ですね。……会話は相手を知る上での一部になると思いますが、それをしないということは、知ってもらう必要性を感じていないからだと思います。アッキーは他者に理解なんて求めてないですしね」

「だよねー、じゃさ、理解されたいのに話さない奴ってどう思う?」

「それは、単に愚かなだけでしょう。会話だけで人を理解しきれるとは思いませんが、話もせずに理解されたいなど、エスパーじゃあるまいし、無理です」

「はは、だよねー」

なんか、アキラと俺って思考が似てるのかな?

「なにかありましたか?」

「んー、ちょっとねー」

アキラが俺の顔を覗き込んできた。
これは、話しとくほうがいいのかな?

「なるほど……書記は書記なりに悩んではいたのですね、まぁ愚か者に変わりはありませんが」

「はは、辛辣なのねー」

とりあえず、図書室での出会いから、夕方の出来事までを語り終えました。

「自分から人を遠ざけて、孤独になったと嘆く幼稚な方を、それ以外に表現できません」

「ま、確かにねー。でも、家庭環境やら見た目やら、色々ハンデもあったことだしねー」

「ふむ、そこは同情の余地があるかもしれませんね。ところで」

「ん、なに?」

「またお会いになるんですよね」

「うん、約束したしね」

「そうですか。……人と接することに少しでも慣れてくれるといいですね」

「だね……」

にっこりと微笑んだアキラ。
こいつは、かなり厳しいところもあるが、人の努力を馬鹿にしたりはしないやつだ。

こういうところもひっくるめて、俺はアキラのことをかなり気に入っている。
変わり者であることには違いないけれど、だけど、気が付いたら、近くにいることを許している。
いや、違うな、俺がこいつの傍に居たいと望んでいるんだ。
無意識に、おそらくは出会った当初から、そう、望んでいた気がする。

「あ、もうこんな時間ですね。そろそろ、寝ませんか?」

「はいはい、ほんじゃ寝ましょうか」

今夜はゲームをすることもなく、同時にベッドの中に潜り込んだ。
一度も使用されていないアキラのベッドには申し訳ないが、こいつの体温を感じながら眠りにつくことを、俺はかなり嬉しいと思ってるみたいです。
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