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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[東峰■アーちゃん]


基本的に佐藤は甘えたのガキだ。

初めだけは子供ではないからと遠慮していたが、結局素直に膝に抱かれている。
しかも、それに違和感を抱いてはいないようだ。
恐ろしいと言っていたおじさんに、よほど甘やかされたのだろう、かなり抱かれ慣れてもいる。
もし、おじさんの話しを聞いていなかったら、身勝手にも憤慨していたかもしれない。
抱かれ慣れているなどと、許せないからな・・・・・・なぜかは訊くなっ!

そうやって、意味不明な怒りを鎮めた俺に、佐藤は無邪気にも爆弾を落としてくれた。

「寮ではアーちゃんが一緒に寝てくれるので、ホッとしました」

アーちゃんっ!? 一緒に寝ているだとっ!!

佐藤は寮に入るまで、ずっとおじさんと一緒に寝ていたらしい。
いくら小学生とはいえどうかと思ったが、かなり愛情深く育てられたようで、それはそれで大事にしてもらっていたのだと、黙って話しを聞いていた。
そこに、突然のこの発言。

「でも、高等部に進学したら、一人部屋なんですよね・・・・・・あ、アーちゃんの部屋に行けばいいんですよね」

とても良いことを思いついたとでもいうように佐藤が語っている。
今のうちならまだ許せるが、高校生になってまで、一緒に寝るなど断じて許さんっ!

「待て佐藤。その年にもなって、一人で寝れないなど大問題だぞ」

「え、そうなのですか? 大問題・・・ですか・・・」

あぁ、しょげてしまった。
しかし、ここは心を鬼にして躾をしなければ、俺が安心できない。

「普通、中学生にもなったら、一人で寝るもんだ。その同室者も困ってると思うぞ」

「あ、それは確認をとりました。別に気にしてないそうです。でも・・・そうですか、普通は一人・・・ですか」

そうか、気にしていないのか、つまりは一緒に寝たいということだな・・・・・・佐藤と同室のアーちゃんとやら、しっかりと覚えておくぞ。
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