このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■うそーん]


「いやー、あれはある意味才能だよねー。天が二物与えたってかんじー?」

「・・・・・・ぐしっ」

結局佐藤は、見学に回されて、5限目は無事終了となりました。
更衣室で着替えたあと、教室に戻ってきた俺たち。
俺は俯き落ち込んでいる佐藤を、更に落ち込ませる作業に没頭中です。
だって、おもしろいもん。

「7月に球技大会あるねー。いやいや、楽しみだねー」

「ううぅっ・・・」

あ、机に突っ伏しちゃいまいた。
初日からの不満をぶつけすぎちゃいましたかね?

「ま、まぁ、苦手な人もいるよね。うん、気にするな」

「あぅ、うぅ、ひっく・・・嫌いです・・・」

嫌いと言われ、胸がズキリと痛んだ・・・へ、なんで?
だけど、少々虐めすぎた気もするし、ここは謝っとくか。

「佐、」

「嫌いです嫌いですっ! スポーツなんて大っ嫌いですっ!! この世から消えて去ってしまうがいいっ! いやーーーーーーーー」

教室中に木魂する絶叫。
クラスメイトは唖然として、佐藤を見つめている。
当然俺も同じ表情で、佐藤を見つめる。
すると、いやいやと叫びながら、いきなり立ち上がり、窓を全開にして、外に向かって叫び始めてしまった。

「こんな学校など滅びてしまうがいいっ! 高天原に神留り坐す皇親神漏岐・・・・・・八百萬神等を神集えに・・・・・・神掃いに掃い賜いて・・・・・・・・・」

ちょっ、ちょっとーーー
なんか始まりましたよーー

「ちょ、ちょっと待てっ! ストップ、ストップーー」

「いやーーーー、滅してしまえばいいんですっ! 球技大会などいりませんっ! いやーーーーーーー」

数人係りで押さえつけ、とにかく窓から引き剥がす。
なんなんだよー、こいつはっ!
頭おかしくなったのかっ!? 俺のせいかよーーっ!?

「落ち着けって、佐藤、俺が悪かったから」

「いやです・・・いやです・・・ぶつぶつ・・・」

うそーん、マジでおかしくなってるー
28/74ページ
スキ