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★その他★

[綺星キララ■偉い人]


小さい頃から可愛いと言われ続けた。
その名が示すとおりに綺麗で輝いてると、みんなが俺のことを褒めるんだ。
お父さんもお母さんも12歳上の兄さんも、誰も彼もが俺のことを愛していて、ホント困るくらいだ。

だけど俺は、甘やかされたりしてねーぞ。
ちゃんと周囲に気を使ってるし、厳しく育てられてる。
俺はすごく偉い人になるから、だから厳しくしなきゃいけないって、そう、お母さんが言ってた。
だから弱い奴には優しくしなきゃいけないんだ。

いじめられてる奴がいたら守ってやるし、友達にもなってやるんだ。
そしたら兄さんがいつも褒めてくれてさ、さすが綺星(きらら)だってますます大事にしてくれる。

将来はすごく偉い人になるけど、兄さんのことはちゃんと面倒みるって約束したら、兄さん嬉しそうに笑ってた。
お母さんもがんばれって言ってくれた。

だけどさ、偉い人ってどうやったらなれんの?
がんばれって、どうがんばればいいの?

お母さんが言うには、ある人物に選ばれたらいいってことだった。

それって、好きになってもらえばいいってこと?

そう訊いたら、そうだと言われた。

なんだ簡単なことじゃないか。
だってさ、俺を嫌いになる人なんて、この世にはいないんだぜ。
皆が言ってる、漣綺星(さざなみきらら)は誰からも愛される存在だって。皆がそう言ってるんだ。
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