泣血哀慟
キミの、バースデイ。
白い壁と白い天井に囲まれた部屋で、みんな揃ってお祝いをした。
僕とアキとで用意した手作りケーキ。
キミが、目を細めて喜ぶ。
ベッドの中、白いシーツに包まれて、たくさんの管に繋がれたキミが、潰したイチゴの甘い汁を数口啜る。
愛する伴侶の指先に、白く塗られたクリームも、一舐め。
36歳おめでとう。
出会ってから、20年になるんだね。
早いね、あっという間だね。
もう、皆おじさんだよ。
でも、キミはあまり変わらないね。
ああ、あの頃よりも、髪は伸びたけどね。
不精だからね、キミは。
え、僕もあまり変わらないって?
それって、成長してないってこと?
もうっ、アキは、人のこと言えないでしょ。
そういえば、アッキーもほとんど変わらないね。
アーちゃんは、少しは大人っぽくなったかな。
より一層男らしさが増したというか……え、大人の魅力?
そこまで言ってないよ。
イタッ、もうっ。
ああ、疲れちゃったね。
久しぶりに騒いだものね。
うん、おやすみ。
東峰さんは、ずっとこちらに?
そうなんですか。
ふふ、御船さんも大変ですね。
アーちゃんも、ずっと泊まってるんでしょ。
あまり無理はしないでね。
え……、そ、それでも、休めるときは、ちゃんと休んで。
うん、そう、そうだね。
じゃあ、おやすみ。
また明日。
彼の、36回目の誕生日を、皆で祝った。
楽しかったね、疲れたね。眠くなっても、仕方ないよね。
でもね、キミが眠ると、どうしようもなく不安になるんだ。
その瞳が、再び開けられるそのときまで、この不安は付き纏う。
だから、早く起きて。
明日。また明日、会いに来るから、だから、その両眼に僕を映して。
彼の瞳が永久に閉ざされたのは、この三日後のことだった……。
白い壁と白い天井に囲まれた部屋で、みんな揃ってお祝いをした。
僕とアキとで用意した手作りケーキ。
キミが、目を細めて喜ぶ。
ベッドの中、白いシーツに包まれて、たくさんの管に繋がれたキミが、潰したイチゴの甘い汁を数口啜る。
愛する伴侶の指先に、白く塗られたクリームも、一舐め。
36歳おめでとう。
出会ってから、20年になるんだね。
早いね、あっという間だね。
もう、皆おじさんだよ。
でも、キミはあまり変わらないね。
ああ、あの頃よりも、髪は伸びたけどね。
不精だからね、キミは。
え、僕もあまり変わらないって?
それって、成長してないってこと?
もうっ、アキは、人のこと言えないでしょ。
そういえば、アッキーもほとんど変わらないね。
アーちゃんは、少しは大人っぽくなったかな。
より一層男らしさが増したというか……え、大人の魅力?
そこまで言ってないよ。
イタッ、もうっ。
ああ、疲れちゃったね。
久しぶりに騒いだものね。
うん、おやすみ。
東峰さんは、ずっとこちらに?
そうなんですか。
ふふ、御船さんも大変ですね。
アーちゃんも、ずっと泊まってるんでしょ。
あまり無理はしないでね。
え……、そ、それでも、休めるときは、ちゃんと休んで。
うん、そう、そうだね。
じゃあ、おやすみ。
また明日。
彼の、36回目の誕生日を、皆で祝った。
楽しかったね、疲れたね。眠くなっても、仕方ないよね。
でもね、キミが眠ると、どうしようもなく不安になるんだ。
その瞳が、再び開けられるそのときまで、この不安は付き纏う。
だから、早く起きて。
明日。また明日、会いに来るから、だから、その両眼に僕を映して。
彼の瞳が永久に閉ざされたのは、この三日後のことだった……。
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