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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[東峰■大量]


「ほわぁ、ここは本当に学校ですか?」

高等部に上がれば、Sクラスも特別寮での一人部屋になるが、中等部の間は一般より多少広い部屋を二人で使うことになっている。
しかし、役員は別。
中等部の生徒会役員と風紀委員長副委員長は、高等部での同役職と同じレベルの部屋が与えられるのだ。
もちろん部屋の場所は、特別棟内。

「適当に座ってろ」

茶くらいは出してやるべきだろう。

「あ、先に冷蔵庫に入れます」

両手に持った大量のビニール袋をキッチンへと運び、飲み物くらいしか入っていない3ドアの冷蔵庫へと、材料を入れ始めた。

「会長、お米はありますか?」

「米? そんなものはない」

「はぁ、炊飯器は?」

「ないな」

「調理器具は・・・?」

「なんか、その辺にあるだろ」

ごそごそと、キッチンを漁りだしやがった。

「会長、僕もう一回買物に行ってきます」

「あ、ああ」

「では、行って参ります」

裾を引き摺り、こけそうになりながら、靴を履いて出て行ってしまった。
大量に買ってきたように見えたのに、まだ足りないのか。
食事を一回作るだけでも、材料というのはそれほど用意しないといけないんだな。

もちろん俺は料理なんてしたことはねぇ。
しかし、あの量でも足りないってことは、作るのは相当な金額がかかるってことだろう。
制服代よりも高くつかないことを、祈るばかりだ。
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