★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★
[アーちゃん■風紀]
「ふわぁぁぁあぁ、……センセ、今何時ー?」
起き抜けに盛大な欠伸をかまし、ついでに思いっきり背筋を伸ばした。
いやいや、よく寝ました。
「とっくに、放課後だっ」
「えっ、嘘!? なんで起こしてくんないのよ!?」
「保健室にモーニングコールなんてサービスはないぞっ」
アキラにバ会長のことを渋々認めさせたあと、朝までゲームに熱中してたせいで今日の俺は少々寝不足気味。
昼食後に眠気のピークがきたもんだから、保健室でベッドを借りたまではいい。
が、まさかまさかの放課後とな!?
壁の時計を見れば、まさしく放課後真っ最中でございました。
つか、アキラさん、どうしてお迎えに来てくれないのよ。
「そもそも保健室の利用は……」
何度か利用してるから、とうに校医とは顔見知り。
説教じみたセリフは聞き飽きたことだし、ここはシカト上等だ。
「センセ、ありがとねー」
「あ、こら、高橋!」
引き止める声を無視して、教室に駆け戻った。
全力に近い速度で疾走したというのに、教室内には既に誰もいない。
俺の鞄は、なかった。
おそらくアキラが持ってるんだろう。
ちゅーことは、迎えにこようとしてたってことだよな。
それが来てないってことは……めっちゃ嫌な予感がするんですけどーーー。
校内を当て所もなく探し回るより、ここはそれ専門の人に訊くほうがいい。
というわけで、やってきました風紀室。
とりあえず人気のない場所でも、教えてもらおうかな。
「失礼しまーす」
ノックしてから、しっかりと閉められていた扉を開く。
中にいた4人の風紀委員たちが一斉にこちらを向いた。
「なにかあったのか?」
おっと、この男前は、確か委員長の葛西……あ! yusuke-kasaiの人だ!
いかん、落ち着け。
こんなところで笑ったら、顰蹙(ひんしゅく)ものだぞ!
だいたい、あれがこの人の物とは断定できねーわけだし、まずはアキラのことが先決だもんね。
アキラの顔を思い浮かべたその瞬間、頭の中から例のPCのことは消え失せた。
そうして真面目な面持ちで、委員長に質問を試みる。
「えっと、少々訊きたいことがあるんですがー」
俺にしては比較的丁寧な言葉使いだろ?
「1年だな。困ったことでも起きたのか?」
上級生らしく、声をかけてくれる委員長。
うむ、なかなか好青年じゃねーか。
「えっと、」
FCが制裁に使いそうな場所はどこでしょう?
そう質問しようとした矢先、風紀室の扉がノックされ、開閉音の後、俺と同じく1年らしき生徒が入室してきた。
「あ、あの、失礼…します」
俺含め、中にいる人間の注目を浴びたせいか、多少オドオドしている。
「どうした? 何かあったのか?」
委員長はそちらに目線を移し、俺にしたのと同様の質問をした。
「あ、あの……実は、FCっぽい人たちに囲まれてる人がいたので、一応知らせておいたほうがいい、かと…」
「え、マジで!? どこ!?」
「あ、えっと、」
「おい、落ち着け」
食って掛かる俺を押し止めたのは、風紀委員長だった。
いかん、思わず興奮してしまった。
それでも、アキラに匹敵するほどに地味で平凡な容姿をした情報提供者が、オドオドとその場所を教えてくれた。
「さんきゅー」
「あ、おいっ」
礼だけ言って委員長が止めるのも聞かず、猛ダッシュで風紀室を飛び出した。
制裁とかされてたら、マジ洒落になりませんからね。
「ふわぁぁぁあぁ、……センセ、今何時ー?」
起き抜けに盛大な欠伸をかまし、ついでに思いっきり背筋を伸ばした。
いやいや、よく寝ました。
「とっくに、放課後だっ」
「えっ、嘘!? なんで起こしてくんないのよ!?」
「保健室にモーニングコールなんてサービスはないぞっ」
アキラにバ会長のことを渋々認めさせたあと、朝までゲームに熱中してたせいで今日の俺は少々寝不足気味。
昼食後に眠気のピークがきたもんだから、保健室でベッドを借りたまではいい。
が、まさかまさかの放課後とな!?
壁の時計を見れば、まさしく放課後真っ最中でございました。
つか、アキラさん、どうしてお迎えに来てくれないのよ。
「そもそも保健室の利用は……」
何度か利用してるから、とうに校医とは顔見知り。
説教じみたセリフは聞き飽きたことだし、ここはシカト上等だ。
「センセ、ありがとねー」
「あ、こら、高橋!」
引き止める声を無視して、教室に駆け戻った。
全力に近い速度で疾走したというのに、教室内には既に誰もいない。
俺の鞄は、なかった。
おそらくアキラが持ってるんだろう。
ちゅーことは、迎えにこようとしてたってことだよな。
それが来てないってことは……めっちゃ嫌な予感がするんですけどーーー。
校内を当て所もなく探し回るより、ここはそれ専門の人に訊くほうがいい。
というわけで、やってきました風紀室。
とりあえず人気のない場所でも、教えてもらおうかな。
「失礼しまーす」
ノックしてから、しっかりと閉められていた扉を開く。
中にいた4人の風紀委員たちが一斉にこちらを向いた。
「なにかあったのか?」
おっと、この男前は、確か委員長の葛西……あ! yusuke-kasaiの人だ!
いかん、落ち着け。
こんなところで笑ったら、顰蹙(ひんしゅく)ものだぞ!
だいたい、あれがこの人の物とは断定できねーわけだし、まずはアキラのことが先決だもんね。
アキラの顔を思い浮かべたその瞬間、頭の中から例のPCのことは消え失せた。
そうして真面目な面持ちで、委員長に質問を試みる。
「えっと、少々訊きたいことがあるんですがー」
俺にしては比較的丁寧な言葉使いだろ?
「1年だな。困ったことでも起きたのか?」
上級生らしく、声をかけてくれる委員長。
うむ、なかなか好青年じゃねーか。
「えっと、」
FCが制裁に使いそうな場所はどこでしょう?
そう質問しようとした矢先、風紀室の扉がノックされ、開閉音の後、俺と同じく1年らしき生徒が入室してきた。
「あ、あの、失礼…します」
俺含め、中にいる人間の注目を浴びたせいか、多少オドオドしている。
「どうした? 何かあったのか?」
委員長はそちらに目線を移し、俺にしたのと同様の質問をした。
「あ、あの……実は、FCっぽい人たちに囲まれてる人がいたので、一応知らせておいたほうがいい、かと…」
「え、マジで!? どこ!?」
「あ、えっと、」
「おい、落ち着け」
食って掛かる俺を押し止めたのは、風紀委員長だった。
いかん、思わず興奮してしまった。
それでも、アキラに匹敵するほどに地味で平凡な容姿をした情報提供者が、オドオドとその場所を教えてくれた。
「さんきゅー」
「あ、おいっ」
礼だけ言って委員長が止めるのも聞かず、猛ダッシュで風紀室を飛び出した。
制裁とかされてたら、マジ洒落になりませんからね。