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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■エスパー]


< > ロシア語だと思ってね

3回くらいは殴りたいのを我慢しましたよ。

書記が、たどたどしく語った内容は、かなり「はぁぁぁぁぁぁっ!?」な内容でした。
しかし、そこをグッと耐え、静かに大人しく、奴の話を聞いてた俺ってかなり大人だと思いません?

ま、こいつの話は第一章37ページを参照……て、なんじゃこのメモはっ!?

<誰も…俺に、話さない……誰も、分かって、くれない…>

なぁ、そろそろキレていいかな?
いいよな、うん、いい、オッケーオッケー。

<怖くて話さないくせに、何考えてるか理解して欲しい? それってどんなエスパーだっての!>

<…え……>

<じゃあ、てめぇは俺のこと理解してんのかよ!? 誰も話しかけない!? 分かってくれねぇ!? じゃ、てめぇは話しかけたのかって話だよな!>

いきなりの俺の怒声に、書記がポカーンとしている。

<会話したからってな、誰も全部分かりゃしねーんだよ! そんなもん分かってるっつーの。だけどな、話さなきゃさっぱり分かんねーんだよ! 当然、分かってもらう努力くらいはしたんだよな!?>

<あ……>

「てめぇ、日本語できるんだよな。ここが日本だってこと忘れてんじゃねーか!?」

<あ、分かって、る…>

「ここは日本だろが! 日本語くらい使えっ、この間抜け!」

「あ、ご、ごめん……」

よほど俺が怖いのか、書記はビクビクしながら謝罪した。
しかし、攻撃の手を緩める気などさらさらない、こういう奴は心底ムカつくんだよ!

「ったく、愚痴愚痴と人のせいにばっかしやがって、根性腐りすぎなんだよ。で、もちろん努力はしたんだよな」

多少怒鳴ってスッキリしたから、幾分声のトーンは抑えてやる。

「あ、それは…」

「まぁ、てめぇ見てたら想像つくわ。どうせ話しかけないのは自分と話したくないからだ、なんて思い込んで、最初っから何もしなかったんだろ」

ムカつくことに頷きやがった。

「あのさぁ、あんたはどうしたいわけ?」

「……」

「なんだよ、またダンマリかよ。じゃ、そうやってずっと黙ってな。てめぇがどんだけ辛いとか寂しいとか、言われない限り、こっちは知ることもないしな。理解されたくないなら、ダンマリ続けてな。ほんじゃ、戻るし。バイバーイ」

書記の方など見ることもせず、本を手に立ち上がる。
もうここに用はないからね、さっさと立ち去ることにします。

「待って――」
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