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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[東峰■高橋某]


「そういう訳で、少しずつ慣らしていくことにしました」

佐藤は俺の体に全身を預けて、少しはにかみながら昨夜のことを語ってくれた。
場所はいつもの裏山、もちろん昨日と同じように、佐藤は俺の膝に座らせている。
制服ではなかったが、先輩としては、後輩の服が汚れてしまうのは見過ごせないからな。
意味がわからないのは自覚してるから、ツッコムなよ。

しかし、慣らしていくというのはいいんだが、アーちゃんなるものに、焦って練習しなくてもいい、などと言われたそうだ。
昨日見たあやつの顔を脳裏に浮かべる。
そうか貴様は、どうしても佐藤と一緒に寝たいわけだな、良い度胸だ。

「どうかなさいましたか?」

「あ、いや、どうもしねぇ」

「とても怖いお顔をなさっておりましたが、僕が何か失礼なことをしましたか?」

しまった、とても不安そうな顔をしている。

「その、アーちゃんとか言う同室者は、どんな奴なんだ?」

「高橋昭君と言って、僕と同じクラスで副級長をしてるんですよ。ちなみに、級長は僕です」

高橋……アキラ!?
佐藤と同じ名前なのか、生意気な。

「とても博識な方で、彼にMMOというゲームを教えてもらいました」

よほど面白いゲームなのか、佐藤が楽しそうにその内容を話はじめた。
高橋某にはムカつくが、こうやって俺に全てを委ね、無邪気な笑みを見せる佐藤を拝めるのありがたいことだ。
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