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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[東峰■忘れない]


基本的に、飯は役員どもととることにしている。
下手に誰かを誘えば、そいつに要らぬ迷惑をかけることがあるからな。
それに、4人揃って皆の前に登場してやれば、それだけでサービスになるだろ。
俺は、こうやって勝手に崇拝する奴らを、無下に扱う気はないしな。

見た目家柄それら全てが、幸運にも己に与えられたのだ。
だから、それに甘んじて、何もしないなんてことはしない。
ましてや、それらを不快に思うというなら、切って捨てればいいだけなんだからな。
こう言った部分だけは、葛西としか意見が合わないんだよな。

「東峰、早く頼んだらどうですか?」

「あ、ああ、そうだな」

パネルにカードを通し、シェフのおすすめをタッチする。
今日は俺の好物のフォアグラだ。

注文したものが来るまで、下に広がる食堂内を見下ろした。
俺の前には一条が座っているが、やつも同じように、食堂内に視線を走らせている。
いつも、無表情にどこを見てるか分からないやつが、珍しいこともあるもんだ。

役員席への侵入を阻むように、階(きざはし)に陣取るFCを通り過ぎ、ある一点で俺の視線は止まった。
真黒の小さな頭。
一番隅の、遠く離れたテーブルから、今まさに立ち上がったのは、まさしく佐藤だ。

いつも時間をズラしてでもいるのか、食堂で姿を拝見できたのは初めてだ。
思わずほくそ笑んでしまったが、それはすぐに消え去った。
食堂を出て行こうとする佐藤の隣りには茶髪の男――まさか、あれがアーちゃんか!?

チラッと役員席を見上げ、またすぐ佐藤と共に歩き出した。

そうか、貴様がアーちゃんなんだな。
貴様は寝るだけでは飽き足らず飯まで一緒に食ってるのか!
許さん、何が許せないかはよくわからんが、とにかく許さん。
その顔、決して忘れねぇからな。
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