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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■アーちゃん誕生]


突然、鈴木が不思議な行動をとった。

「う、アキラよ、アキラ、なのよっ! あ、アキラ、のよっ!」

「どしたん、いきなり?」

俺たち一人一人を順に指差し、アキラアキラと叫んでる。
確かに俺たち全員アキラですけど、それが何か?

「アキラよ、なの、キラするのよ、キラキラ、するのよ」

「は?」

思わず横目で佐藤さんを見た。
見られたご本人は、やけに優しく鈴木に微笑み、

「ふふ、アキラの名を持つ僕たちは、そんなにキラキラしているのですか? なんだか、照れますね。でも、とても嬉しいです」

「キラキラ? なに、輝いてるってこと?」

「キラ、のよ、なのよ、キラキラなのよ、みるの」

「アキラの名前のキラが表すとおりに、僕たち皆が輝いて見えるそうですよ」

「はは、そりゃ光栄だねー。じゃ、鈴木も輝いてるねー」

「あ、う、アキ、キラするの、なの」

「うんうん、鈴木もキラキラしてるよー」

「あ、あう、アーちゃん、なのよ、キラなのよ」

「へ、なに?」

俺を指差しキラキラしてると言ってくれてるけど、アーちゃんってなに?

「なるほど、高橋君は、アーちゃんなのですね」

「は? ちょっと、分かるように説明しなさい」

「アキが高橋君のあだ名を、アーちゃんに決定したのです。大変喜ばしいことですよ」

「アー、ちゃんって・・・・・・俺が、ちゃん!?」

「なのよ、なの、アーちゃん、なのよ」

そんな必死こいて言われたら、拒否れないじゃん。

「はいはい、なんでもいいですよ。好きに呼んで」

「では、アーちゃんに決定ですね」

「そういう、あんたは何よ?」

「僕はそのままですよ。アキラです」

「なの、なのよ、アキラ、なの」

「え、なんかそれ、卑怯じゃね?」

「なぜ卑怯なのですか? アキがそうだと決めたから、そうなっただけです」

「ええ、まいっか。んじゃ、無ひょ、伊藤はなんかついてんの?」

「彼はアキの幼馴染なので、ちゃーんとありますよ」

「アッキー、なのよ、なの、アッキー、のよ」

「アッキー・・・・・・」

チラリと無表情、いや、アッキーを見やると・・・・・・眉間に皺を寄せて俺を見た。

「ぶははははは、いい、それサイコー、うけるー、アキのセンスサイコーーー」

あ、やばかった・・・・・・かも。
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