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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■問題]


「ほんっとに、勘弁してくれよっ!」

「・・・申し訳ありません」

あれからすぐに6限目が始まって、先生がやってきた。
それでも床に蹲り錯乱していた佐藤を、俺が、この俺が、保健室まで連れて行くように命じられたのだ。

「マジ焦っちゃったでしょ」

「・・・本当に、申し訳ございません」

保健室のベッドの中で、佐藤は上半身だけ起こしていた。
俯いて反省の色を滲ませた顔を見ていると、あんま怒るのも申し訳ない気がする。

「ま、俺も言いすぎたしねー、はいはい、ごめんねー」

「・・・こ、これは、報告されて、しまいますかね?」

「んぁ? なんのこと?」

「授業をサボったと思われて、保護者に報告とかされるのでしょうか?」

「はあぁぁぁ?」

「問題を起こすと叱られるのです。報告されたらどうしましょう・・・」

「あのさぁ、いちいちこんなことで、実家に報告とかねーよ」

「そうなのですかっ!?」

お、急にテンションが上がったぞ。

「実家に連絡なんて、退学のときくらいじゃねーの?」

「そういうものなのですか?」

「授業サボったなんて、問題にもなりゃしないよ」

「そうなのですか、この程度は問題にはならないのですね」

「だいたいさー、ここって、風紀と生徒会がいるから、よっぽどじゃない限り大丈夫っしょ」

「ここの管理運営は、ほぼ風紀と生徒会が仕切っている、というのは存じてますが・・・」

「だから、なんか問題起こったら、風紀と生徒会が速攻出てきて解決すんの。教師出てきて実家に連絡なんて、よっぽど酷くないとねーよ、たぶん」

「どんなことでも報告されるのだと思ってました・・・」

「あはは、大丈夫大丈夫。めったにないって聞いたし」

「そうなのですか・・・あ、では先輩に口答え、というのも大丈夫ということですよね」

「はぁ? それくらい普通っしょ。口答えくらい先生にもするっちゅーの」

「そうなのですか」

先ほどまでとは打って変わって、表情を綻ばせ満面の笑み。
え、まさか、そんなことを気にしてたのか?

「はぁぁぁ、ほんとに変な奴・・・」

安心したのかホッと胸を撫で下ろす佐藤が、意外に可愛く見えて、おもわず頭をポンポンと撫でてしまった。

「ちょ、ちょっと、駄目ですっ! 身長が縮みますっ!」

やっぱ、こいつって変な奴・・・・・・。
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