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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[東峰■妄想注意]


「なんかー、今年の首位ってちょー地味だったねー」

「そうですね、やけに地味なこでしたね」

「地味・・・?」

無事入学式を終え、生徒会室に戻った俺たちは、ソファで右京の入れた紅茶を飲んでいた。
そして、藤村と右京の言葉に、俺は首をかしげてしまった。
2人が何を言っているのかが、いまいち理解ができない。
首位ということは、佐藤の話しをしてるんだよな。
いや、案外違うのか?
ここは、確認をとっておくべきだろう。

「地味ってのは、新入生代表のことか?」

「そだよ、あー、もう顔忘れたちゃった」

「正直言って、私も朧げですね」

「佐藤・・・のことだよな?」

「そんな名前だっけ?」

「ええ、佐藤・・・なんでしたっけ? まぁ、とにかくそのこの事ですよ」

やはり佐藤のことなのか、ちなみに佐藤晃12歳だからな。

「会長と違って、俺たちさっきが初めてだもん。覚えてるわけないよねー」

「そうですね、印象に残ってないですね」

「そう・・・なのか・・・」

初対面から、普通に覚えていたが・・・なるほど、着ぐるみが衝撃的すぎて、忘れられなかったんだな、俺は。
そう考えると、訳の分からない行動のすべては、あの衝撃が原因かもしれねぇな。
よし、得心がいったぞ。

ためしに、着ぐるみじゃない佐藤の姿を思い浮かべてみる。
2人が地味だと言っていたのだから、そうなのだろう。
だからこれといって、何も印象には残っていないはずだ。

こうやって思い出すと、確かに役員どもや葛西、御船、他の生徒たちと比べて、特筆すべきところはない。
というか、格段に落ちる・・・はずだ。

真黒で、直毛の髪は一度もいじったことがなさそうだったな。
全体に長めなのは、単なる無精かもしれないが、似合ってはいる。
少し硬めの髪は意外に手触りが良く、サラサラとしていた。
あれは、指に絡ませると気持ち良さそうだな。

身体は痩せてて貧弱だが、骨ばってる感じはなく、まだまだ幼い子供という体型。
ま、ついこの間まで小学生だったしな。
あの大きさだと、すっぽりと腕の中に納まりそうだな。

頬は幾分ふっくらしていて、肌理細かく滑らかそうな肌をしていた。
そういえば色もかなり白かったから、あまり表に出ないのかもしれない。
あの肌は、なかなか触り心地が良さそうだ。

顔は稚い印象だが、時折大人のように冷めた表情も見せる。
無邪気な笑顔はもちろん可愛らしかったが、あの真黒の瞳を驚きに瞠らせたり、思い出話に涙したりとそんな表情もかなり愛らしい。
小さい顔にすっきりと納まる口で、大量の飯を頬張る姿には驚いたが、唇は少し厚めで、色も淡いピンク色をしてたぞ。
あの小さい口で――

・・・・・・やばい、勃ってきた。

大きく頭を振り、佐藤晃の姿を一旦脳裏から追い払い、すかさず、数学の問題を思い浮かべた。

よし、おさまってきたぞ。

「東峰、かなり疲れているのでは?」

「会長、一人で準備させて、ごめんねー」

右京と藤村になぜか気遣われ、一条には気の毒そうに見られている。

「急にどうした? 別に疲れちゃいねぇぞ」

「どうしたって・・・いきなり呻き声をあげて、首を振られたら焦りますよ」

「会長、壊れたかと思っちゃったよ」

「あ、ああ悪い。ちょっと考え事してただけだ。気にするな」

そうだな、疲れてるのかもしれないな。
今日は仕事も食事も早めに終わらせて、早々に寝ることにしよう。
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