★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★
[東峰■黙れ]
「で、お前はそこで礼をして、そっちの階段から降り、そこを通って着席だ。ま、こんな流れだが、覚えただろ?」
「はい、大丈夫です」
御船たちへの説明を終え、佐藤と2人きり・・・にはなれず、俺は式の流れと当日の所作についての説明を終えた。
「お疲れ様です、会長様。佐藤君も大丈夫のようですから、そろそろ解散でよろしいでしょうか?」
講堂内には、俺と佐藤と、御船。
なぜか佐藤が心配だと言い張り、この場に残った御船に、少なからず怒りが湧いてくる。
「あ、解散ですか? では、戻ってもよろしいでしょうか?」
「会長様、解散でよろしいですよね」
「あ、ああ、そうだ、な」
「佐藤君、もう戻っていいみたいだよ」
御船は先輩らしく優しげに微笑みかけ、佐藤を出口へと促した。
「そうですか、ではこれで失礼します」
佐藤は一度頭を下げて、まったく未練などございませんという態度で、素直に出口へと向かう。
「あ、そうでした」
早々に背を向けた佐藤が、いきなり足を止め、こちらへ向き直った。
「会長、様、制服だけではなく、体操着までご用意してくださり、ありがとうございました」
佐藤はその場で礼をして、再び背を向け足早に去っていった。
そうして、講堂内に残っているのは、なぜか傷心気味の俺と、御船。
「制服・・・体操着・・・? 会長様、どういうことでしょうか?」
御船の疑問も当然だろう。
「・・・あいつが、サイズの合っていない制服を着ていたから、俺が別のを用意しただけだ。無様な姿で、壇上に上がられたら、俺が恥をかくだろ」
「でしたら、他の者に、」
「黙れ」
俺の機嫌を損ねたことが分かったのだろう御船は、その一言で静かになった。
「たかが、制服くらい安いもんだ、気にする必要もねぇ」
「・・・そう、ですね」
「で、お前はそこで礼をして、そっちの階段から降り、そこを通って着席だ。ま、こんな流れだが、覚えただろ?」
「はい、大丈夫です」
御船たちへの説明を終え、佐藤と2人きり・・・にはなれず、俺は式の流れと当日の所作についての説明を終えた。
「お疲れ様です、会長様。佐藤君も大丈夫のようですから、そろそろ解散でよろしいでしょうか?」
講堂内には、俺と佐藤と、御船。
なぜか佐藤が心配だと言い張り、この場に残った御船に、少なからず怒りが湧いてくる。
「あ、解散ですか? では、戻ってもよろしいでしょうか?」
「会長様、解散でよろしいですよね」
「あ、ああ、そうだ、な」
「佐藤君、もう戻っていいみたいだよ」
御船は先輩らしく優しげに微笑みかけ、佐藤を出口へと促した。
「そうですか、ではこれで失礼します」
佐藤は一度頭を下げて、まったく未練などございませんという態度で、素直に出口へと向かう。
「あ、そうでした」
早々に背を向けた佐藤が、いきなり足を止め、こちらへ向き直った。
「会長、様、制服だけではなく、体操着までご用意してくださり、ありがとうございました」
佐藤はその場で礼をして、再び背を向け足早に去っていった。
そうして、講堂内に残っているのは、なぜか傷心気味の俺と、御船。
「制服・・・体操着・・・? 会長様、どういうことでしょうか?」
御船の疑問も当然だろう。
「・・・あいつが、サイズの合っていない制服を着ていたから、俺が別のを用意しただけだ。無様な姿で、壇上に上がられたら、俺が恥をかくだろ」
「でしたら、他の者に、」
「黙れ」
俺の機嫌を損ねたことが分かったのだろう御船は、その一言で静かになった。
「たかが、制服くらい安いもんだ、気にする必要もねぇ」
「・・・そう、ですね」