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★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★

[アーちゃん■俺のペース]


ぐっすりです。
ぐっすり寝ましたよ。
二日も夜を共にした男は、まだ寝てるけどね。

「なんでだ・・・」

初日からそうだったけど、他人と寝てるのに、やけに安眠を貪ってる俺がいる。
佐藤はイビキもかかねーし、寝相もいいけど、それって全く関係ねーよな。

修学旅行でもまともに寝付けねー俺が、なぜだ・・・

「・・・考えるのやめとこーっと」

うん、理解できないものは、そのままにするが吉だ。
さてさて、まだ春休み、ここはゲームでもするのが一番健康的だよな。
とりあえず、俺は布団から抜け出して、着替えることにした。

「・・・ん・・・ふぁ・・・おはよう、ございます」

小さく欠伸をして、起きだしましたよ、変人が。
浴衣なのに、あまり寝乱れないんですね。

「ん、おはよ」

「今日もゲームをなさるのですか?」

「うん、するよー」

もそもそとベッドから降りて、尋ねられたから、素直にお返事。
これは、佐藤の予定も聞いてやるべきなんだろうか?
って、なんでこの俺が、そこまで気使わないといけないんだよ。

「うーん、今日はなんの予定もないんですよね・・・」

ふーん、あっそ。
じゃぁ、昨日みたいに一緒にゲームでもしますか。

「じゃ、ゲー、」

「せっかくなので、校内の散策をしてみようと思います」

とても良い考えが浮かんだと、寝起きとは思えない満面の笑みで今日の予定を語る佐藤。
はは、なんか俺・・・間抜けー

「もう、好きにして・・・」

「は? なにかおっしゃいましたか?」

「いいえ、なにも・・・」

くそぉぉぉぉ、誰かこいつをなんとかしてくれーーー
俺の、俺のペースが乱れていくーーー
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