★キラキラ 蘖(ひこばえ)の章★
[東峰■佐藤晃12歳]
「どうしました、会長?」
「いや・・・この量は・・・」
これは、この量はおかしくはないだろうか?
「あ、僕もご相伴にあずかろうと思いまして、2人分用意いたしました」
「2人・・・」
俺の目の前には大量に並べられた皿。
どれからも美味そうな匂いはしているが、如何せんその量が半端ない・・・気がする。
これで2人分なら、俺が過去に遭遇した2人分とは、いったいなんだったんだ。
「ささ、会長どうぞ。味は大丈夫だと思います」
俺の正面の椅子には、シャツ一枚の佐藤。
再び買物に出たあと、また大量の袋を手にして帰ってきた佐藤は、邪魔だからと上着を脱ぎ、ネクタイも外した。
ズボンは腰とは言えない位置でベルトによって極限まで締められ、想像通りのなんともみすぼらしい姿で、おもむろに料理をはじめたのだ。
すぐに立ち込めた芳香に、かなり期待はしたのだが、今思えばやけに時間がかかっていた気がする。
その結果が・・・この量か・・・
「では、いただきます」
きちんと両手を合わせる佐藤。
せっかくの手料理だ、ここは細かいことは気にせず、俺もいただくことにしよう。
唖然呆然・・・それ意外の表現が思いつかない。
中学生男子の標準より少し多目であろう食事を食い終えた俺。
そして、残り全てを片付けた、身長たった152cm、どうみてもガリガリで痩せこけた貧弱なチビ・・・の佐藤。
「いってぇ、どこに入ったんだ・・・」
「は? なにかおっしゃいましたか?」
「い、いや、気にするな・・・」
そうだ、気にするな。
こいつは、所謂あれだな、大食漢、痩せの大食いって奴なんだな。
飯は文句なく美味かったから、ここは素直に認めておこう。
しかし、久々に手料理などと言う物を口にして、かなり満足はできた。
ソファに寛ぎ、佐藤の入れてくれた食後のコーヒーを飲んではいるが、その佐藤は現在洗い物の最中だ。
なんだかこれって、アレっぽくねぇか・・・?
イカンイカン、ぶんぶんと首を大きく横に振り、詰まらない考えを頭の隅へと追いやった。
「会長、どうかしましたか?」
「あ、いや・・・終わったのか?」
いつの間にか佐藤が側に立っていた。
手をハンカチで拭きながら、少し心配そうに俺を見ている。
「はい、洗い物も終わりましたので、そろそろ部屋に戻ります」
片づけまでしてくれた佐藤に、この俺様がコーヒーでも・・・などと考えていた矢先の発言。
「え・・・」
いつの間にやらきちっとネクタイを締め、片手には上着。
そして、もうこの部屋にはなんの興味もない、と言わんばかりに玄関で靴を履いてる佐藤晃12歳。
「それではお邪魔いたしました」
未だソファに固まったままの俺に向かい、ペコリと頭を下げる、チビの佐藤晃12歳。
「待っ・・・」
半分だけ腰を浮かした俺を、もう見もせずに佐藤晃12歳は扉を開き・・・そして、すぐに閉まった。
「・・・て」
「どうしました、会長?」
「いや・・・この量は・・・」
これは、この量はおかしくはないだろうか?
「あ、僕もご相伴にあずかろうと思いまして、2人分用意いたしました」
「2人・・・」
俺の目の前には大量に並べられた皿。
どれからも美味そうな匂いはしているが、如何せんその量が半端ない・・・気がする。
これで2人分なら、俺が過去に遭遇した2人分とは、いったいなんだったんだ。
「ささ、会長どうぞ。味は大丈夫だと思います」
俺の正面の椅子には、シャツ一枚の佐藤。
再び買物に出たあと、また大量の袋を手にして帰ってきた佐藤は、邪魔だからと上着を脱ぎ、ネクタイも外した。
ズボンは腰とは言えない位置でベルトによって極限まで締められ、想像通りのなんともみすぼらしい姿で、おもむろに料理をはじめたのだ。
すぐに立ち込めた芳香に、かなり期待はしたのだが、今思えばやけに時間がかかっていた気がする。
その結果が・・・この量か・・・
「では、いただきます」
きちんと両手を合わせる佐藤。
せっかくの手料理だ、ここは細かいことは気にせず、俺もいただくことにしよう。
唖然呆然・・・それ意外の表現が思いつかない。
中学生男子の標準より少し多目であろう食事を食い終えた俺。
そして、残り全てを片付けた、身長たった152cm、どうみてもガリガリで痩せこけた貧弱なチビ・・・の佐藤。
「いってぇ、どこに入ったんだ・・・」
「は? なにかおっしゃいましたか?」
「い、いや、気にするな・・・」
そうだ、気にするな。
こいつは、所謂あれだな、大食漢、痩せの大食いって奴なんだな。
飯は文句なく美味かったから、ここは素直に認めておこう。
しかし、久々に手料理などと言う物を口にして、かなり満足はできた。
ソファに寛ぎ、佐藤の入れてくれた食後のコーヒーを飲んではいるが、その佐藤は現在洗い物の最中だ。
なんだかこれって、アレっぽくねぇか・・・?
イカンイカン、ぶんぶんと首を大きく横に振り、詰まらない考えを頭の隅へと追いやった。
「会長、どうかしましたか?」
「あ、いや・・・終わったのか?」
いつの間にか佐藤が側に立っていた。
手をハンカチで拭きながら、少し心配そうに俺を見ている。
「はい、洗い物も終わりましたので、そろそろ部屋に戻ります」
片づけまでしてくれた佐藤に、この俺様がコーヒーでも・・・などと考えていた矢先の発言。
「え・・・」
いつの間にやらきちっとネクタイを締め、片手には上着。
そして、もうこの部屋にはなんの興味もない、と言わんばかりに玄関で靴を履いてる佐藤晃12歳。
「それではお邪魔いたしました」
未だソファに固まったままの俺に向かい、ペコリと頭を下げる、チビの佐藤晃12歳。
「待っ・・・」
半分だけ腰を浮かした俺を、もう見もせずに佐藤晃12歳は扉を開き・・・そして、すぐに閉まった。
「・・・て」