このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

2012年ハロウィン

[ハロウィンの始まりです]


今日は待ちに待った特別な日。
今日だけは、猫耳だって尻尾だって、喜んで身につけちゃいます。
でも、スカートだけは、やっぱり嫌……。

だって、アキは男の子だから。
かけっこするのも、サッカーをするのも大好きな、健康的な男の子。
大切なモノのためなら、拳を出すのも厭わない、そんな元気ハツラツ日本男児なんだもの。

「う、ああ、いいのよ、ごいのよっ」

真っ黒の猫耳カチューシャに、すんなり長い尻尾ちゃん。
これがメイドだったら絶対やだけど、アキラが用意してくれたのは、白いドレスシャツに黒のショートパンツ。
それをサスペンダーでしっかりと止めて、赤いリボンタイを首元に飾ります。

「ああ、ごいのっ、ごいのよ!」

パンツに付けられた尻尾は、ちゃんとカーブしていて、上につんと向いた様はとても強そうです。
あとは、これまた真っ黒のマントを羽織れば、小さな小さな黒猫魔族のできあがりです。

「ああっ、うっ」

あ、小さなはいらないようです。

「大変お似合いですよ。夜鍋した甲斐がありました」

どうやら作ってくれたのは、アキラのようです。
運動神経も反射神経もなく、おそろしく不器用でドンくさいアキラ。
そのくせ料理も裁縫も得意だという、不思議な仕様(スペック)ではありますが、そんな彼が一生懸命作ってくれたのだと、そう考えるだけで、アキの胸は暖かいものでいっぱいになってしまいます。

「ありがと、なの、なのよ」

じんわりと染み渡る感動で、胸はいっぱいになりますが、お腹はまったく膨れません。
アキラの作った戦闘服に身を包み、いざ出陣です。

そう、今日は戦いなのです。
いかに効率よく、大量のブツを手に入れるかは、己の才覚にかかっているのです。
戦いに必要なのは、知力体力時の運! なのです。

己はすべてを兼ね備えている。

そう確信し、アキは襟元のリボンタイを、しっかりと引き締めました。

「う、ああ、いくの、なの、なのよっ」

「はい、ご武運を」

心配そうなアキラに、使い魔である猫(アキラ製黒いリュック)を背負わせてもらいながら、アキの心は既に戦いに向かっております。
アキラのためにも"いざ大漁"を胸に、進むは茨の道、なれどそこには確かな勝利(菓子)が待っているはず。

「とりっ、ああ、とりっ、なのよっ」


誰の所に行く?

アッくん

アッキー

アーちゃん

ぱぱさん

ちゃらさん
1/7ページ
スキ