2014年クリスマス
[イヴ3■アーちゃん]
アキラは毎年、御書初めってのをやっている。
内容はズバリ今年一年の抱負ってやつで、それはもう達筆な字で【脱童貞】とか【筆おろし】とか【雅人の尻】とか書きやがるんだ。
さすがに見せられたもんじゃないから、俺がこっそり処分してんだけどな。
つまりは、本年も抱負通りの一年にはならなかった、と。
年末が近づくにつれ、いろいろと(いつも以上に)おかしな言動が目立ったが、ようやく合点がいった。
東峰以上はほぼ不可能と遅い判断を下したアキラは、いちおう画策めいたことをして、目標を175センチまで引き下げさせていた。
東峰は多少難色を示したが、とある賭け(最終章のアッキーと藤村関連)に買ったことで条件を飲ませることに成功したんだ。
だがしかし、その目標もどうかと思うよね。
「ときに諦めってのも、人生に於いては必要なのよ」
「身長についてはまだまだ答えは出ておりませんよ。ですが、今のところはムリなので、引き続きもう一つの方針をがんばりたいと思います」
そうだった。
もともと身長が伸びる以前に、どうにか東峰を攻略したいと企んでいたアキラは、別の方法を考案していたのだった。
俺からすれば、そちらこそどうにもならないと思うのですがね。
曰く、
「接吻でメロメロのぐちゃぐちゃになったところを、なし崩し的にいただいてやります」
待っておれ雅人、などとさながら悪代官のような様相に、開いた口が塞がらなくなったのも初めだけ。
今では呆れ半分憐れみ半分でもって見ていられる。
「そのためにも、日々精進」
「待った」
「いいえ、待ちません」
「いっ」
加減という単語を知らない相手が、ガシッと髪を鷲掴んでくれる。
おいおい、何本か切れちゃってるだろ、これ。
髪は長いお友達だってのは、榊をはじめとしていろんな方々に言われてんだぞ。
そんな俺の気鬱などどこ吹く風のアキラさんは、こちらを真正面から覗き込む体勢で固まっていた。
正確には固まってるわけではないが、俺には固まってるようにしか見えないってだけだ。
「む、むむむ」
眼を閉じて、窄めた唇を精一杯前に突き出す様は、どっから見てもひょっとこ。
妙な呻り声とともに、ゆっくりゆっくり近づいてくるひょっとこを額を押さえて止める。
「むっ、むぐむぐ」
「言いたいことがあるなら、口を開ければいいんでないの」
ひょっとこのまま抗議しようとすっから、おかしなことになるんだよ。
「む、むぐぐ、もうっ、どうして邪魔なさるのですか」
「俺のライフがゼロになるから」
「たかが接吻の練習ごときで、どうしてゼロになるのですか?」
「きもいから」
「きもい!? それは僕がきもいと、」
「あんたがどうこうじゃないの、男とキスするのがきもいの。常識でしょ」
「僕を男性と思わなければよいのでは」
「無理」
「アーちゃんの大好きなAV女優を想像すればよいのですよ」
「だから、無理」
「どうしてですか」
「AV女優はおジョーズそうだし」
「処女で童貞のくせに生意気な」
「あのなっ、」
「ですが言いたいことは分かりました。つまり、僕が未熟だというダメだしなわけですね。やはり練習あるのみです」
「だから、うぐっ」
勢いよくぶつかってきた顔、いや、唇は、こちらを捕捉してもなお勢力衰えず、その威力たるや俺の唇を破壊せんほど。
これのどこがキスだよ!
暴力だ暴力。単なるぶつかり合いだっつの。
もう何度も何度もしてきたってのに、どうしてひとっ欠片も成長してないんだよ。
わざとか、わざとなのか!?
そんな疑いをもっちまうほどに、アキラはとにかくド下手すぎた。
これで東峰をどうにかするとか、夢みすぎだっつの。
そういや昔、訊いたことがあったな。
『東峰の技巧すべてを記憶してるのに、なんであんたはそんなに下手なの』
と。
アキラはあのときこう答えたんだ。
『ではあなたは、カンフー映画を見ただけで、まったく同じ動きができるというのですか。陸上選手の走りを見て、そのフォームすべてをマネできるのですか』
つまり、頭の中では完璧に再現できても、体がそれに付いていかない、と。
分かるような、分からないような。
「ん、ぐ、んぐ」
さらに唇を押し当ててくるアキラに仕方なく降参。
きつく眼を瞑るぶっさいくな面を拝みながら、ワイングラスをテーブルに置いて、空いた両手で背を支える。
たった三杯しか飲めなかったのが、心残りだ。
「ぷはっ」
ただただぶつけていただけの唇をもぎ離して、おもいっきり深呼吸するアキラさん。
まともに息つぎできなかったらしい。
わっかんねーな。
なんでひょっとこになると、呼吸ですら下手になるんだろ?
「お口を開けてくださいよ」
「自然に開けさせるもんだって、何回言わせんだよ」
「まだ、」
「いちいち回数を答えなくていいっ」
「はぁ」
「あんたに絶対的に不足してんのは、ムードと情緒だよ」
「雅人にも言われます」
「あっそ、じゃあキスがどーのと無駄なことしてないで、そっち方面精進すれば」
「さすがに感性の問題ですからね。まずは技術面から習得いたします。そして雅人をメロンメロンにして押し倒すのです」
ムリ、という無音の呟きは、見咎められることなくすんだ。
退かない相手には、何をどうしても敵うわけもなく。
とっくに降参してる身としては、これ以上拒む材料も見つからない。
またもや目測だけでぶつけられる前に顎に手を添え、あえてこちらから誘導する。
大人しく従うアキラは、今度は触れるだけの口付けってやつを成功させた。
だが、その後がいかん!
俺の唇をべろべろ舐めるとか、お前は犬か!
唇をこじ開けるつもりだろうが、俺が言ってたのは、そういうことじゃないんだよ!!
ムリだ。本気でムリだ。ムリムリムリ。
こいつが東峰を……なんて、一生かかってもムリ!
お願いだから目を覚ませと言いたいが、つか、言ってるが、いっかな目覚めない相手には自覚してもらうしか術がない。
結局、好きなようにやらせて諦めるのを待つという、ひじょうに消極的な手法も、相手によっては数少ない有効な手段てこった。
唇を舐め回されながら、はぁっとため息ついたら、アキラの額が俺の額を押してきた。
気を逸らすなってことかちゃんと口開けろってことなのか、いずれにしろ、これを接吻だキスだと受け止められるほど、俺はピュアではありませぬ。
「ふんぐっ、んん」
ちょっとばかし開いてやれば、よっしゃとばかりに鼻息荒くしたアキラが舌を捻じ込んできた。
なんか、すっげー虚しい気分になるんだよな……。
「うぐぐ、うんぐ、うぐんぐ」
短い舌が口ん中で暴れてます。
必死です。
顔が真っ赤です。
酸欠でしょうか。
色気もクソもないです。
たまにこっちの舌を、噛んでくれやがります。
かなり痛いです。
あちらの舌も俺の歯に当たってることでしょう、つか、自ら当てておりますね、はい。
ダメだ、こりゃ、をたらこ唇の人で脳内再生してから、忙しなく上下左右運動に励む舌をひっ捕らえた。
このままでは、アキラの舌筋運動で終わってしまう。
「んん……」
濡れた舌に舌を絡めて、一旦動きを止めてから仕切りなおしといく。
上唇を食みながら、アキラの口内に舌を進入させれば、それだけで身体が弛緩してくるのが伝わった。
呆れるほどに簡単な身体だ。
そりゃ、好き放題されるに決まってるわな。
東峰のような百戦錬磨の手にかかりゃ、赤子の手を捻るよりも容易いんだもんな。
「ん、んぅ、」
吸って絡めて時折軽く歯を立てて、マニュアル通りのキスをする。
ちゃんと覚えてくれてればいいんだけどなぁ。
ムリだろうなぁ、うん、ムリだ。
だって夢中になっちゃってんだもん……。
「練習になってんのか、これ?」
唇は触れ合わせたまま、いちおうの確認。
アキラがボンヤリと眼を開けた。
焦点が定まってないだけならともく、濡れてるのはアカンやろ。
なんてお手軽なやつなんだ。
女だってもう少し耐えるぞ。
たったこんだけの刺激でそこまで感じてるんじゃあ、攻めに転じるなんてムリだってば。
「なって、まふ……?」
疑問系だし、絶対なってねーし!
ああ、俺の努力はなんだったんだろう。
ぐったりと凭れてくる背中をあやしつつ、ワインに手を伸ばした。
このまま寝てくれたらいいのになー、なんて希望を添えながら、若干飲みにくい体勢で嚥下する。
その間アキラは、俺の首にチュッチュしてくれていた。
早く続きをと催促してるんだろうが、それってどうよ。
結局、気持ちよくなれるなら、誰でもいいんだよなぁ。
凡人には分かりえないが、快楽と心は別物を極めた御人だからね。
褒めてねーけど。
「ベッドに行きます」
「ん」
待ち望んでいた言葉を貰って、そのままの体勢でアキラを持ち上げた。
落ちないように尻を支えたら、俺の腰に脚を絡ませる。
器用に抱きつく姿は、まるでコアラだ。
寝室まで運んでベッドに入れて布団を被せ、いざリビングに戻ろうとしたら、
「なに?」
アキラが俺のシャツを掴んでいた。
「アーちゃんも、寝ましょうよ」
「えー」
俺にゲームをさせない気か!
「寝ましょうよ」
いやいやいや、あんたに邪魔された分、がんばらないとね。
イベントって、期限あるからね。
「あっち、片付けてくっから」
俺の根性なし!!
アキラは毎年、御書初めってのをやっている。
内容はズバリ今年一年の抱負ってやつで、それはもう達筆な字で【脱童貞】とか【筆おろし】とか【雅人の尻】とか書きやがるんだ。
さすがに見せられたもんじゃないから、俺がこっそり処分してんだけどな。
つまりは、本年も抱負通りの一年にはならなかった、と。
年末が近づくにつれ、いろいろと(いつも以上に)おかしな言動が目立ったが、ようやく合点がいった。
東峰以上はほぼ不可能と遅い判断を下したアキラは、いちおう画策めいたことをして、目標を175センチまで引き下げさせていた。
東峰は多少難色を示したが、とある賭け(最終章のアッキーと藤村関連)に買ったことで条件を飲ませることに成功したんだ。
だがしかし、その目標もどうかと思うよね。
「ときに諦めってのも、人生に於いては必要なのよ」
「身長についてはまだまだ答えは出ておりませんよ。ですが、今のところはムリなので、引き続きもう一つの方針をがんばりたいと思います」
そうだった。
もともと身長が伸びる以前に、どうにか東峰を攻略したいと企んでいたアキラは、別の方法を考案していたのだった。
俺からすれば、そちらこそどうにもならないと思うのですがね。
曰く、
「接吻でメロメロのぐちゃぐちゃになったところを、なし崩し的にいただいてやります」
待っておれ雅人、などとさながら悪代官のような様相に、開いた口が塞がらなくなったのも初めだけ。
今では呆れ半分憐れみ半分でもって見ていられる。
「そのためにも、日々精進」
「待った」
「いいえ、待ちません」
「いっ」
加減という単語を知らない相手が、ガシッと髪を鷲掴んでくれる。
おいおい、何本か切れちゃってるだろ、これ。
髪は長いお友達だってのは、榊をはじめとしていろんな方々に言われてんだぞ。
そんな俺の気鬱などどこ吹く風のアキラさんは、こちらを真正面から覗き込む体勢で固まっていた。
正確には固まってるわけではないが、俺には固まってるようにしか見えないってだけだ。
「む、むむむ」
眼を閉じて、窄めた唇を精一杯前に突き出す様は、どっから見てもひょっとこ。
妙な呻り声とともに、ゆっくりゆっくり近づいてくるひょっとこを額を押さえて止める。
「むっ、むぐむぐ」
「言いたいことがあるなら、口を開ければいいんでないの」
ひょっとこのまま抗議しようとすっから、おかしなことになるんだよ。
「む、むぐぐ、もうっ、どうして邪魔なさるのですか」
「俺のライフがゼロになるから」
「たかが接吻の練習ごときで、どうしてゼロになるのですか?」
「きもいから」
「きもい!? それは僕がきもいと、」
「あんたがどうこうじゃないの、男とキスするのがきもいの。常識でしょ」
「僕を男性と思わなければよいのでは」
「無理」
「アーちゃんの大好きなAV女優を想像すればよいのですよ」
「だから、無理」
「どうしてですか」
「AV女優はおジョーズそうだし」
「処女で童貞のくせに生意気な」
「あのなっ、」
「ですが言いたいことは分かりました。つまり、僕が未熟だというダメだしなわけですね。やはり練習あるのみです」
「だから、うぐっ」
勢いよくぶつかってきた顔、いや、唇は、こちらを捕捉してもなお勢力衰えず、その威力たるや俺の唇を破壊せんほど。
これのどこがキスだよ!
暴力だ暴力。単なるぶつかり合いだっつの。
もう何度も何度もしてきたってのに、どうしてひとっ欠片も成長してないんだよ。
わざとか、わざとなのか!?
そんな疑いをもっちまうほどに、アキラはとにかくド下手すぎた。
これで東峰をどうにかするとか、夢みすぎだっつの。
そういや昔、訊いたことがあったな。
『東峰の技巧すべてを記憶してるのに、なんであんたはそんなに下手なの』
と。
アキラはあのときこう答えたんだ。
『ではあなたは、カンフー映画を見ただけで、まったく同じ動きができるというのですか。陸上選手の走りを見て、そのフォームすべてをマネできるのですか』
つまり、頭の中では完璧に再現できても、体がそれに付いていかない、と。
分かるような、分からないような。
「ん、ぐ、んぐ」
さらに唇を押し当ててくるアキラに仕方なく降参。
きつく眼を瞑るぶっさいくな面を拝みながら、ワイングラスをテーブルに置いて、空いた両手で背を支える。
たった三杯しか飲めなかったのが、心残りだ。
「ぷはっ」
ただただぶつけていただけの唇をもぎ離して、おもいっきり深呼吸するアキラさん。
まともに息つぎできなかったらしい。
わっかんねーな。
なんでひょっとこになると、呼吸ですら下手になるんだろ?
「お口を開けてくださいよ」
「自然に開けさせるもんだって、何回言わせんだよ」
「まだ、」
「いちいち回数を答えなくていいっ」
「はぁ」
「あんたに絶対的に不足してんのは、ムードと情緒だよ」
「雅人にも言われます」
「あっそ、じゃあキスがどーのと無駄なことしてないで、そっち方面精進すれば」
「さすがに感性の問題ですからね。まずは技術面から習得いたします。そして雅人をメロンメロンにして押し倒すのです」
ムリ、という無音の呟きは、見咎められることなくすんだ。
退かない相手には、何をどうしても敵うわけもなく。
とっくに降参してる身としては、これ以上拒む材料も見つからない。
またもや目測だけでぶつけられる前に顎に手を添え、あえてこちらから誘導する。
大人しく従うアキラは、今度は触れるだけの口付けってやつを成功させた。
だが、その後がいかん!
俺の唇をべろべろ舐めるとか、お前は犬か!
唇をこじ開けるつもりだろうが、俺が言ってたのは、そういうことじゃないんだよ!!
ムリだ。本気でムリだ。ムリムリムリ。
こいつが東峰を……なんて、一生かかってもムリ!
お願いだから目を覚ませと言いたいが、つか、言ってるが、いっかな目覚めない相手には自覚してもらうしか術がない。
結局、好きなようにやらせて諦めるのを待つという、ひじょうに消極的な手法も、相手によっては数少ない有効な手段てこった。
唇を舐め回されながら、はぁっとため息ついたら、アキラの額が俺の額を押してきた。
気を逸らすなってことかちゃんと口開けろってことなのか、いずれにしろ、これを接吻だキスだと受け止められるほど、俺はピュアではありませぬ。
「ふんぐっ、んん」
ちょっとばかし開いてやれば、よっしゃとばかりに鼻息荒くしたアキラが舌を捻じ込んできた。
なんか、すっげー虚しい気分になるんだよな……。
「うぐぐ、うんぐ、うぐんぐ」
短い舌が口ん中で暴れてます。
必死です。
顔が真っ赤です。
酸欠でしょうか。
色気もクソもないです。
たまにこっちの舌を、噛んでくれやがります。
かなり痛いです。
あちらの舌も俺の歯に当たってることでしょう、つか、自ら当てておりますね、はい。
ダメだ、こりゃ、をたらこ唇の人で脳内再生してから、忙しなく上下左右運動に励む舌をひっ捕らえた。
このままでは、アキラの舌筋運動で終わってしまう。
「んん……」
濡れた舌に舌を絡めて、一旦動きを止めてから仕切りなおしといく。
上唇を食みながら、アキラの口内に舌を進入させれば、それだけで身体が弛緩してくるのが伝わった。
呆れるほどに簡単な身体だ。
そりゃ、好き放題されるに決まってるわな。
東峰のような百戦錬磨の手にかかりゃ、赤子の手を捻るよりも容易いんだもんな。
「ん、んぅ、」
吸って絡めて時折軽く歯を立てて、マニュアル通りのキスをする。
ちゃんと覚えてくれてればいいんだけどなぁ。
ムリだろうなぁ、うん、ムリだ。
だって夢中になっちゃってんだもん……。
「練習になってんのか、これ?」
唇は触れ合わせたまま、いちおうの確認。
アキラがボンヤリと眼を開けた。
焦点が定まってないだけならともく、濡れてるのはアカンやろ。
なんてお手軽なやつなんだ。
女だってもう少し耐えるぞ。
たったこんだけの刺激でそこまで感じてるんじゃあ、攻めに転じるなんてムリだってば。
「なって、まふ……?」
疑問系だし、絶対なってねーし!
ああ、俺の努力はなんだったんだろう。
ぐったりと凭れてくる背中をあやしつつ、ワインに手を伸ばした。
このまま寝てくれたらいいのになー、なんて希望を添えながら、若干飲みにくい体勢で嚥下する。
その間アキラは、俺の首にチュッチュしてくれていた。
早く続きをと催促してるんだろうが、それってどうよ。
結局、気持ちよくなれるなら、誰でもいいんだよなぁ。
凡人には分かりえないが、快楽と心は別物を極めた御人だからね。
褒めてねーけど。
「ベッドに行きます」
「ん」
待ち望んでいた言葉を貰って、そのままの体勢でアキラを持ち上げた。
落ちないように尻を支えたら、俺の腰に脚を絡ませる。
器用に抱きつく姿は、まるでコアラだ。
寝室まで運んでベッドに入れて布団を被せ、いざリビングに戻ろうとしたら、
「なに?」
アキラが俺のシャツを掴んでいた。
「アーちゃんも、寝ましょうよ」
「えー」
俺にゲームをさせない気か!
「寝ましょうよ」
いやいやいや、あんたに邪魔された分、がんばらないとね。
イベントって、期限あるからね。
「あっち、片付けてくっから」
俺の根性なし!!