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2013年お正月

[そうしてどうなった1]


結局、百人一首はアキのおかげでお開きとなった。
どの歌が終わったとか、誰がどの札を取っていたとか、そういうのは全部アキラが覚えてはいるけど、どうもそんな気にならなかったんだ。

「なーんか、絶対にアッキーが勝ちそうだしねー」

「そうですね。ターミ○ーター相手に勝機はなさそうですからね」

「うん、絶対に無理だよね」

遊びのつもりの百人一首で、なぜか熱くなっていた二人が、ようやく冷静になってくれました。
かなり、ホッとしました。

「う、するの、なのよ」

「おや、福笑いですね」

完璧なヘッドスライディングを披露してくれたアキが、大きな紙を両手で広げ掲げた。
頬がぷっくりと膨らんだ顔の輪郭だけが描かれた紙は、昔懐かしい福笑いだ。

「お、いいんじゃね」

「うん、楽しそうだね」

「僕はやったことがないので、非常に楽しみです」

あまり記憶にないけど、僕は幼いときにしたことがある。
これなら熱くなったりしなさそうだ。

「う、アキ、ごいのよ、ごいのっ」

「あーん? やったことないけど、たぶん俺の方が凄いんじゃね?」

「う、あ、アキなのよ、アキ、ごいのよっ」

なにやらアキとアーちゃんの間に、不穏な空気が流れつつあります。

「では、次は福笑いといたしましょう」

榊さんはやっぱりどこまでも微笑ましげに、女性たちに準備をするようにと促がした。
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