アーちゃん■MMO日記
[アーちゃん■MMO日記15-7]
熱っぽい体に、1ダースのアイスは魅力的だった。
しかも、たまにしか口にできない○ッツとくれば、嬉しさもひとしおだ。
これがアキラなら、まずはアイスと飛びつくだろうが、さすがに俺はそんなことはしない。
まずは新しいパジャマに着替えるべく、静に命じてパジャマ上下を準備させた。
せっかくアキラが用意してくれた付添人だ、充分活用させていただきます。
ベッド脇で大人しくしているオリコウさんな静を横目に、下着もろともすべてを脱ぎ捨て新しいものへと着替える。
あ? マッパ晒して恥ずかしくないのか、だって?
キモッ、男同士で恥ずかしいもクソもあるかっての。
俺にもこいつにも、同じモンが付いてるのに、隠す必要もないでしょ。
現に、静もまったく動じてない。つか、無反応の極みってやつだ。
え、アキラさんのときと違う?
そうだっけ? 気のせいじゃね。
「先に、飯にすっか」
「うん、あ、俺…する」
「あ? できんの?」
アッキーが中華粥を用意してるとのことだった。
あいつのことだから、たぶんレンジでチンすりゃ即食えるって状態にしてるはずだ。
温めるだけでいいんだから、本来なら俺の発言は失礼極まりないものだろう。
だけどね、静はお坊ちゃまであると同時に、とことん鈍くさい男でもあるのよ。
図体がでかいから、余計にそれが際立つ。
「うん、さっき、伊藤に、教わった…」
「……」
レンジでチンをわざわざご教示願ったってことか……ちょっとばかし不安が過ぎったぞ。
ついでに、扉を開けて静を迎え入れた犯人もわかりました。
一瞬自分でと考えたけど、やる気でキラキラしてる相手には逆らえません。
「あー、じゃあ、お願いしよっ、」
かな、と言い切る前に、静が颯爽と寝室から出て行く。
見送る先で、フリフリ振られる尻尾が見えたようなないような。
一人残ったベッドの上で、一応熱を計ってみた。
かなり下がっていたことで、ほどほどの安堵感に浸れた。
後はアキラが回復すれば、俺の気鬱はなくなるってもんだ。
ちゃんと昼飯は食えただろうか? あのケダモノに、BL界のお約束的なこと、されてないだろうか?
いろんな不安が押し寄せる中、静が盆片手に戻ってきたことで、いったん思考を中断した。
ケダモノの理性を、信じるしかあるまい。そんなものがあるならな……。
温かい中華粥は、普通に旨かった。
だが回復してきた胃袋は、もっとパンチの効いたものを寄越せと訴えかけてくる。
できれば、肉、肉が食いたい。しかも、おもいっきりジャンクなものが。
とはいえ、弱ってる内臓に無体なことはできないのが現実だ。食って吐くなんて、みっともない真似はしたくないもんな。
俺が粥を啜ってる間、静は持参したらしき菓子パンを食っていた。
育ちゆえか米への愛着が薄い静には、十分満足のいく昼飯なのだろう。
ふと見れば、皿が一枚置かれていて、そこには綺麗に丸められた卵焼きが乗っている。
「あ、これ、伊藤が…」
俺の視線の先に気づいた静が、まるで言い訳でもするかのようにアッキーの名を口にする。
それだけで、すべて理解可能だ。
「パンだけだと寂しいもんな。良かったじゃん」
「うん…」
アッキーが作り置きしていた卵焼きにフォークを突き刺しながら、静は照れたように微笑んだ。
見た目だけは立派な大人、なのにまだまだ幼子の純粋さが垣間見える、そんな笑顔。
俺が好きだとかほざいているが、雛が親鳥に懐くのと大差ないものだと、最近はそう思えるようになっていた。
アキラにいわすと、愛し方が分からない男の、最も分かりやすい親愛の形をなぞっているだけなのだそうだ。
あいつの恋愛観なんて、まったく当てにならねーけどな。
ま、なんにせよ、俺は今の関係を気に入っている。
なにより静も満足していると感じるから、この先も変わらずこのままでいいんじゃないかと考えていた。
つか、俺の邪魔にさえならなきゃ、なんでもいいんですけどね。
美味かったけど食い応えのない昼飯が終わると、静が空いた食器をキッチンへと運んだ。
さすがに洗い物はさせたくないから、水につけとけとだけ言っておく。
妙にかいがいしい姿がおかしくて仕方ないが、仮にも学園のアイドル様を顎でこき使うなんて、バレたらとんでもないことになりそうだ。
熱っぽい体に、1ダースのアイスは魅力的だった。
しかも、たまにしか口にできない○ッツとくれば、嬉しさもひとしおだ。
これがアキラなら、まずはアイスと飛びつくだろうが、さすがに俺はそんなことはしない。
まずは新しいパジャマに着替えるべく、静に命じてパジャマ上下を準備させた。
せっかくアキラが用意してくれた付添人だ、充分活用させていただきます。
ベッド脇で大人しくしているオリコウさんな静を横目に、下着もろともすべてを脱ぎ捨て新しいものへと着替える。
あ? マッパ晒して恥ずかしくないのか、だって?
キモッ、男同士で恥ずかしいもクソもあるかっての。
俺にもこいつにも、同じモンが付いてるのに、隠す必要もないでしょ。
現に、静もまったく動じてない。つか、無反応の極みってやつだ。
え、アキラさんのときと違う?
そうだっけ? 気のせいじゃね。
「先に、飯にすっか」
「うん、あ、俺…する」
「あ? できんの?」
アッキーが中華粥を用意してるとのことだった。
あいつのことだから、たぶんレンジでチンすりゃ即食えるって状態にしてるはずだ。
温めるだけでいいんだから、本来なら俺の発言は失礼極まりないものだろう。
だけどね、静はお坊ちゃまであると同時に、とことん鈍くさい男でもあるのよ。
図体がでかいから、余計にそれが際立つ。
「うん、さっき、伊藤に、教わった…」
「……」
レンジでチンをわざわざご教示願ったってことか……ちょっとばかし不安が過ぎったぞ。
ついでに、扉を開けて静を迎え入れた犯人もわかりました。
一瞬自分でと考えたけど、やる気でキラキラしてる相手には逆らえません。
「あー、じゃあ、お願いしよっ、」
かな、と言い切る前に、静が颯爽と寝室から出て行く。
見送る先で、フリフリ振られる尻尾が見えたようなないような。
一人残ったベッドの上で、一応熱を計ってみた。
かなり下がっていたことで、ほどほどの安堵感に浸れた。
後はアキラが回復すれば、俺の気鬱はなくなるってもんだ。
ちゃんと昼飯は食えただろうか? あのケダモノに、BL界のお約束的なこと、されてないだろうか?
いろんな不安が押し寄せる中、静が盆片手に戻ってきたことで、いったん思考を中断した。
ケダモノの理性を、信じるしかあるまい。そんなものがあるならな……。
温かい中華粥は、普通に旨かった。
だが回復してきた胃袋は、もっとパンチの効いたものを寄越せと訴えかけてくる。
できれば、肉、肉が食いたい。しかも、おもいっきりジャンクなものが。
とはいえ、弱ってる内臓に無体なことはできないのが現実だ。食って吐くなんて、みっともない真似はしたくないもんな。
俺が粥を啜ってる間、静は持参したらしき菓子パンを食っていた。
育ちゆえか米への愛着が薄い静には、十分満足のいく昼飯なのだろう。
ふと見れば、皿が一枚置かれていて、そこには綺麗に丸められた卵焼きが乗っている。
「あ、これ、伊藤が…」
俺の視線の先に気づいた静が、まるで言い訳でもするかのようにアッキーの名を口にする。
それだけで、すべて理解可能だ。
「パンだけだと寂しいもんな。良かったじゃん」
「うん…」
アッキーが作り置きしていた卵焼きにフォークを突き刺しながら、静は照れたように微笑んだ。
見た目だけは立派な大人、なのにまだまだ幼子の純粋さが垣間見える、そんな笑顔。
俺が好きだとかほざいているが、雛が親鳥に懐くのと大差ないものだと、最近はそう思えるようになっていた。
アキラにいわすと、愛し方が分からない男の、最も分かりやすい親愛の形をなぞっているだけなのだそうだ。
あいつの恋愛観なんて、まったく当てにならねーけどな。
ま、なんにせよ、俺は今の関係を気に入っている。
なにより静も満足していると感じるから、この先も変わらずこのままでいいんじゃないかと考えていた。
つか、俺の邪魔にさえならなきゃ、なんでもいいんですけどね。
美味かったけど食い応えのない昼飯が終わると、静が空いた食器をキッチンへと運んだ。
さすがに洗い物はさせたくないから、水につけとけとだけ言っておく。
妙にかいがいしい姿がおかしくて仕方ないが、仮にも学園のアイドル様を顎でこき使うなんて、バレたらとんでもないことになりそうだ。