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平凡君の日々彼此

[平凡君の日々彼此-無理矢理質問編1-]


うちの学園にも、新聞部は存在している。
意外に活動内容は多くて、例のランキングを主催しているのも、この新聞部だったりする。
噂によると、いろいろ怪しいことをしているらしいけど、僕は真面目な姿しか知らない。

「おや、新聞部のアンケートですか」

宿題を終わらせて、何気なくその用紙を取り出した僕の横から、アキラが覗き込んでいた。

「うん、アキラたちも貰った?」

「ええ、教室に配りにこられましたからね」

新聞部は、たまに一般生徒にアンケートを募ることがある。
アンケートは様々で、ふざけた内容のときもあれば、とても真面目な内容のときもあり、とにかくバラバラだ。
そのほとんどは他のクラブや委員からの依頼で請け負うらしく、学園の運営に関するようなアンケートのときは、大概生徒会か風紀かららしい。
どのクラブとも持ちつ持たれつという感じのせいで、裏での商売に目を瞑ってもらってるというのは、以前アーちゃんから教えてもらっていた。
裏って、いったいどんなことしてるんだろう?

「アッくんは、お答えになるおつもりですか?」

「うん、答えられる範囲はね」

アンケートはもちろん匿名だし、提出は各自の自由だ。
僕は毎回目を通して、記入できる部分は記入し、無理なところは空白で新聞部の受付BOXに入れている。
今回も同様にするつもりだ。



「アーちゃんはさ、ファーストキスっていつだったの?」

僕は見逃さなかった。
口に含んだコーヒーに、ちょっとだけ咽たその姿を。

「おやおや、最初の質問がそういう系だったのですか?」

貰いはしたけど、アンケート用紙を見もしなかったというアキラが、さもおかしそうに尋ねてきた。

「うん、最初の質問がね、ファーストキスは何歳のときですか? だって」

「ふふ、変な質問ですね」

「アキ、なのよ、アキ、ごいのよ」

「あのな、こういうのは身内はカウントされないもんなの」

「きゃう、あう」

アキの自慢げな言い方に、アーちゃんがすかさずデコピンをお見舞いする。

アキのキスの経験なんて、だいたい想像がつく。
だってね、アキって本当に子供のようなところがあって、子供……うーん、なんというか幼児? あ、これ、アキに言ったら絶対に怒られるよね。
でもね、本当にそんなところがあってね、たとえば、そうだ、あのときの話をするのが早いかもね。
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