平凡君の日々彼此
[平凡君の日々彼此1]
そもそも、訊いた相手が悪かったのか、訊くべきじゃなかったのか、この場合はどっちが正解なんだろう……?
「いいですか、アッくん。男同士の場合は、所謂肛門性交になります」
「コウモンセイコウ?」
「あ、意味が分かりませんか? ア○ルセッ○スのことですよ。ア○ル、つまりお尻の穴です」
「ア…し、り……えぇぇぇぇぇぇぇええぇぇ!!!」
「な、なにをそんなに驚いているのですか?」
「だ、だって、だって、お、し、えええええ、無理無理、しないよそんなこと、お、おかしいよ!」
アキラがきょとんとしている。
なんだか、僕のほうがおかしな事を言ってるみたいじゃないか。
「アッくんは、男性同士の性交の仕方を知りたいのでしょう。ですから説明しているのに、まさかしょっぱなから、全否定ですか」
「性、って、僕はその……男同士はどうしてるのかってだけで……性…とは…」
「ですから、どうしてるかというのは、性交、セッ○スのことでしょう? 違うのですか?」
「あ、いえ、違わ、ない、……のかな?」
男性同士の場合、結局どうなるのかと、それが気になってアキラに相談してはみたけれど、でも、そんな直接的な表現を使われると、ちょっと……。
だけど、知りたいと思ったのは自分なんだから、ここは羞恥心を脱ぎ去って……。
「アッくんは、男女の性交の仕方はご存知ですよね」
「う、うん、一応」
もちろん経験なんかないし、そんな場面も見たことないけど、知識としては知っている。
「それとあまり変わりないと思いますが、ア○ルは濡れないので、」
「わぁぁぁぁっ、待って待って!」
「な、なんですか!?」
「ア…は止めて、お願いだから、せめて、お、お尻にして!」
「分かりました。お尻は濡れないので、一般的にはローションを使用するんです」
「ローション? 女の人が体に塗ったりするやつ?」
「あ、ここで言うローションとは、ラブローション、潤滑剤などと言われるもので、それ専用の性具の1つです」
「せ、性……」
「性具ですからね、通販で買うとよいでしょう。それをお尻に塗るんです。そうすれば滑りがよくなって、男性器の挿入がしやすいのです」
何度も悲鳴を上げそうになったけど、それをグッと抑え込んだ。
僕の精神が、ここまでの自制心を見せたのは、初めてのことかもしれない。
「あ、もちろん解すのも大事ですよ」
「ほ、解す?」
なんだか、聞きたくないな……。
「そのままだといくら滑りがよくても、挿入すればアッくんが苦しいだけですからね。指でお尻を広げておくのです」
「ゆっ! ひっ!!」
ここでも鉄の自制心を発揮した僕は、なんとかこの程度で済ますことが出来た。
段々慣れてきたかもしれない。
更に落ち着きを取り戻そうと、何度も深呼吸していると、アキラがいきなり棚の引き出しを開けた。
中から何かを取り出すと、それを手にまた僕の傍に戻ってきた。
「ちなみに、これがローションです。それと、こちらがコン○ームです」
「ふ、ふぅん……」
よし、普通に返事できた。
アキラが差し出す小さなボトルを、勇気を出して手にとってみる。
外見は意外なほど普通で、まるで日焼けクリームかなにかのようだ。
「もっと怪しいと思ってた」
「ふふ、最近は女性受けするように、なんでも可愛らしく作るらしいですよ」
「こっちは、さすがにそれと分かるね」
「コン○ームの入れ物なんて、これ以上工夫のしようがないんじゃないですか?」
四角形の銀色の包みには、ピンクを基調とした文字や柄が描かれているけど、使用目的がはっきりと想像できる。
もうちょっと外包を変えたら、胃腸薬くらいには見えるかもしれないのに……それだと、可愛いくないから、駄目なのかな?
「これって、アキラも使ってるってことだよ、ね……?」
「いえ、使用しておりません」
「えっ!?」
「正確には、ローションは雅人の気分次第では使用されません。コン○ームにいたっては、一度も使用したことはございません」
「え、えええ!? だって、それじゃ」
「僕は使って欲しいのですが、雅人が駄目だと言うので、どうしようもありません」
か、会長、なんてことを。
「ローションはもちろんですが、コン○ームはできるだけ装着してもらえるよう、葛西先輩にお願いしたほうがいいですよ。もしコン○ームなしでお尻の中に射精されたら、」
「わぁぁああぁぁ! しゃ、とか、ちょっと!」
「射精は射精ですよ。それ以外言いようがありません」
「ご、ごめん、なさい」
「お尻の中に射精されたら、後始末はしっかりとして貰うように。でないと、アッくんが下痢になる可能性がありますからね」
もう返事をする気力がない。
「アッくん? 大丈夫ですか? 顔色がとても悪いですよ。今日はこれくらいにしておきますか?」
「う、うん、そうしてもらって、いい……?」
「はい、続きはまたの機会にいたしましょう」
「あり、がと、」
そもそも、訊いた相手が悪かったのか、訊くべきじゃなかったのか、この場合はどっちが正解なんだろう……?
「いいですか、アッくん。男同士の場合は、所謂肛門性交になります」
「コウモンセイコウ?」
「あ、意味が分かりませんか? ア○ルセッ○スのことですよ。ア○ル、つまりお尻の穴です」
「ア…し、り……えぇぇぇぇぇぇぇええぇぇ!!!」
「な、なにをそんなに驚いているのですか?」
「だ、だって、だって、お、し、えええええ、無理無理、しないよそんなこと、お、おかしいよ!」
アキラがきょとんとしている。
なんだか、僕のほうがおかしな事を言ってるみたいじゃないか。
「アッくんは、男性同士の性交の仕方を知りたいのでしょう。ですから説明しているのに、まさかしょっぱなから、全否定ですか」
「性、って、僕はその……男同士はどうしてるのかってだけで……性…とは…」
「ですから、どうしてるかというのは、性交、セッ○スのことでしょう? 違うのですか?」
「あ、いえ、違わ、ない、……のかな?」
男性同士の場合、結局どうなるのかと、それが気になってアキラに相談してはみたけれど、でも、そんな直接的な表現を使われると、ちょっと……。
だけど、知りたいと思ったのは自分なんだから、ここは羞恥心を脱ぎ去って……。
「アッくんは、男女の性交の仕方はご存知ですよね」
「う、うん、一応」
もちろん経験なんかないし、そんな場面も見たことないけど、知識としては知っている。
「それとあまり変わりないと思いますが、ア○ルは濡れないので、」
「わぁぁぁぁっ、待って待って!」
「な、なんですか!?」
「ア…は止めて、お願いだから、せめて、お、お尻にして!」
「分かりました。お尻は濡れないので、一般的にはローションを使用するんです」
「ローション? 女の人が体に塗ったりするやつ?」
「あ、ここで言うローションとは、ラブローション、潤滑剤などと言われるもので、それ専用の性具の1つです」
「せ、性……」
「性具ですからね、通販で買うとよいでしょう。それをお尻に塗るんです。そうすれば滑りがよくなって、男性器の挿入がしやすいのです」
何度も悲鳴を上げそうになったけど、それをグッと抑え込んだ。
僕の精神が、ここまでの自制心を見せたのは、初めてのことかもしれない。
「あ、もちろん解すのも大事ですよ」
「ほ、解す?」
なんだか、聞きたくないな……。
「そのままだといくら滑りがよくても、挿入すればアッくんが苦しいだけですからね。指でお尻を広げておくのです」
「ゆっ! ひっ!!」
ここでも鉄の自制心を発揮した僕は、なんとかこの程度で済ますことが出来た。
段々慣れてきたかもしれない。
更に落ち着きを取り戻そうと、何度も深呼吸していると、アキラがいきなり棚の引き出しを開けた。
中から何かを取り出すと、それを手にまた僕の傍に戻ってきた。
「ちなみに、これがローションです。それと、こちらがコン○ームです」
「ふ、ふぅん……」
よし、普通に返事できた。
アキラが差し出す小さなボトルを、勇気を出して手にとってみる。
外見は意外なほど普通で、まるで日焼けクリームかなにかのようだ。
「もっと怪しいと思ってた」
「ふふ、最近は女性受けするように、なんでも可愛らしく作るらしいですよ」
「こっちは、さすがにそれと分かるね」
「コン○ームの入れ物なんて、これ以上工夫のしようがないんじゃないですか?」
四角形の銀色の包みには、ピンクを基調とした文字や柄が描かれているけど、使用目的がはっきりと想像できる。
もうちょっと外包を変えたら、胃腸薬くらいには見えるかもしれないのに……それだと、可愛いくないから、駄目なのかな?
「これって、アキラも使ってるってことだよ、ね……?」
「いえ、使用しておりません」
「えっ!?」
「正確には、ローションは雅人の気分次第では使用されません。コン○ームにいたっては、一度も使用したことはございません」
「え、えええ!? だって、それじゃ」
「僕は使って欲しいのですが、雅人が駄目だと言うので、どうしようもありません」
か、会長、なんてことを。
「ローションはもちろんですが、コン○ームはできるだけ装着してもらえるよう、葛西先輩にお願いしたほうがいいですよ。もしコン○ームなしでお尻の中に射精されたら、」
「わぁぁああぁぁ! しゃ、とか、ちょっと!」
「射精は射精ですよ。それ以外言いようがありません」
「ご、ごめん、なさい」
「お尻の中に射精されたら、後始末はしっかりとして貰うように。でないと、アッくんが下痢になる可能性がありますからね」
もう返事をする気力がない。
「アッくん? 大丈夫ですか? 顔色がとても悪いですよ。今日はこれくらいにしておきますか?」
「う、うん、そうしてもらって、いい……?」
「はい、続きはまたの機会にいたしましょう」
「あり、がと、」