このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

★キラキラ 第一章★

[アーちゃん■自称でしょ]


残念な美形狼くん明石は、アッキーと勝負したいが為に、もじゃから離れたのかなー?
まぁとにかくバカだねー、愚かだねー
アッキーは最強マッシーンだっての。

もちろん単なる自意識過剰な発言じゃぁないよ。
対人間相手なら、たぶん誰にも負けないんじゃないかな。
人海戦術で来られたらどうなるかわかんねーけど、1対1なら絶対に負けないんだな、これが。

「・・・というわけで、普通の人間がアッキーに勝とうなんて無理ですよ。諦めなさい」

「てめぇ、なんかやってんのか?」

「伊藤、ですよ、明石くん。名乗ったのですから、ちゃんと伊藤くん、もしくはT-110と呼んであげてください。それと、てめぇというのは口癖なのでしょうか? あ、単なる好奇心からの質問ですので、お答えいただかなくても結構ですよ」

アキラはいつもこうやってはぐらかす。

「・・・なっ、てっ!」

ほら、もう自分が質問したことなんて、忘れてるよ、こいつ。
アッキーが何かやってるかって? そりゃやってるに決まってるでしょ。

「ひゃひゃひゃ、うけるー、マジうけるってのー」

「今の、てっは、てめぇっとおっしゃるつもりだったのでしょうか? 口癖なら我慢なさらなくていいのですよ、どうぞ気兼ねなくお使いください」

「・・・くそっ」

あいかわらず威嚇するような目で、汚いお言葉を吐く明石くんでーす。
だけどねー、もう毒気抜けてるよね、これ。
声はあんま怒ってねーもん。目付き悪いけど。
アキラと話すと大概のやつはこうなっちまう。
なんかアホらしくなってくんだよね、いろいろと。

「明石くんは、強い人と勝負するのがご趣味なのですか?」

「・・・・・・」

「ふむ、人の趣味につべこべ言いませんが、いきなり喧嘩を売ってこられると、相手も対応できないでしょう」

「あ、相手は、選んでる・・・つもりだ」

「そうなのですか、僕にはわかりませんが、強い方というのは相手の力量がだいたいわかるといいます。明石くんもそうなのですか?」

これは返事に困る質問だろうな。
YESと言えば、アッキーの力量すらわからなかったのに、となり、NOと言えば、己は弱いと認めたことになる。

「う、うるせーっ、てめ・・・お前には、関係ねぇっ」

「確かに関係ないですね。ですが、アッキーは僕の大切な友人なのです。できれば、いきなり喧嘩をふっかけて迷惑をかけるのではなく、正々堂々と勝負を挑んで欲しいのです。ですが何度も言うように、あなたが勝てる見込みは“0”です」

「そんなのやってみねーと」

「わかりますよ。虎と兎が1対1で闘って、兎に勝ち目がありますか? しかもその虎は俊敏で、持久力も優れています。どうでしょう、兎は勝てそうですか?」

疑い半分、恐れ半分の態でアッキーを見る明石。
ふふん、え、おおげさだって?
さぁ、どうだろうね。

「ですが、アッキーはその力を誇示するのが、あまり好きではありません。力を振るうことに躊躇はいたしませんが、基本、強い者が弱い者を痛めつけることを、あまり良しとしないのです・・・あなたと違って」

痛い、これは明石には痛いだろ。

「・・・なっ、てめぇっ!」

「違いますか? あなたはかなりお強いと周囲に思われ、どうやらご自身でもそう思っておられるようですが、ご自分より遙かに弱い相手を喜んで痛めつけてるではないですか」

「いつっ・・・俺が、そんなっ」

「おやおや、お忘れになっておいでとは、まったく羨ましい記憶力ですね」

当然、アキラはアッくんのことを言っている。
暫し、考える雰囲気の明石。
どうやらこいつは、考えることができる人間のようだ。

「・・・俺は・・・やってねぇ・・・殴ってねぇ・・・」

なんの話しかすぐに思い至ったようだ。
どうやら頭は悪くないみたいだねー

「はぁ、では、目の前で行われている暴力に対して、それを止める力を持っているであろうあなたは、何もせず、あまつさえ弱い相手の胸倉を掴み脅しをかけた、ということですね」

「な、」

もう無理ぽー
アキラの言葉に一々反応していた時点で、お前はもう無理なんだよ。
おとなしく諦めておしまいなさい。

「あ、こんな解釈はいけませんね。誰もがアッキーのように本当に強いわけではありませんものね。これは、大変失礼いたしました。訂正いたします。目の前で行われている暴力に対して、とても弱いあなたは巻き込まれるのを恐れて静観なさっていた、ということですね。そして、弱いあなたは強いふりをしたいがために、自分より弱い相手に対して、嬉々として脅しをかけた。この解釈でよろしいですね。あなたを勝手に強い人なのだと判断した僕が間違っていました。申し訳ありません」

「っ・・・・・・」

「ところで、明石くんは、こんな人気のない場所へ、何しに来られたのですか?」

「・・・はっ、え・・・」

「お見受けしたところ、だいぶお顔の色が優れませんし、目の下も薄らと隈ができております。ひょっとして寝不足気味でしょうか? もしそうなら、こちらへはお昼寝でもなさりに来られたのですか?」

あら、そうなの?
さすがアキラさまは良く見てらっしゃること。
俺? 俺こいつの正常な状態なんて、あんま知らねーもん。

「ふふ、寮の部屋では寝れませんか?」

こっくり頷く明石。
なにこいつ、めっちゃ素直に頷きやがって、きもいんだよ。

「そういえば、明石くんはー、転校生くんと同室だっけ?」

「・・・ああ・・・」

「あははー、毎日愛しの転校生くんと一緒にー、騒いでるのねー」

「違うっ!」

おお、びっくりした。
おとなしくなったと思ったのに、このボケ犬めっ!

「おや、てっきり彼のことなので、毎晩騒いでいると思ってました」

「あ、いや、違う・・・騒いでる・・・くそうるせぇ」

あれれ? なんか迷惑そうなんですけどー
おまえ、もじゃのこと好きなんだろ。

「毎日、毎日、騒ぎやがって、くそうるさくて、寝れるかっ」

「そうなんですか、それは大変お困りのようですね。ですが、あなたは一緒に居て楽しいのではないのですか?」

「・・・あんなうるせぇと、思わなかった・・・今はうっとーしぃだけだ」

はっ、なんだそれっ。

「ざけんなっての、そのうっとーしいのが欲しくて、渡辺くんに威嚇したんでしょ」

「自業自得だ」

「そんなにあっさり覚める恋心ごときに、渡辺くんは傷つけられたのですか、どこまでも人を虚仮になさる方ですね」

「・・・・・・あの、時は、どうかして・・・た、と、思う」

「どうかしてた。魔が差した。まぁなんでもいいですが、そもそもなぜあなたは彼を気に入ったのですか?」

「俺を、怖がらなかった・・・友達に、なって、やるって・・・」

氏ねっ、この王道野郎!

「うわっ、単純っ」

「なにっ!?」

「確かに単純ですね。明石くんは、僕たちがあなたを怖がっていると思いますか?」

「・・・・・・」

「あなたの理論で行くと、あとは、僕たちが友達になろうと言えば、あなたは僕たちを好きになるということですね。大変御目出度い思考です」

「くっ・・・」

「そのように、誰にも彼にも威嚇していて、怖がっているから友達ができない、などと嘆いているとは、本当に救いようがないですね」

「俺さびしいー、誰も愛してくれなーいって、勝手に心の中で嘆いてれば。なんにも言われなきゃ、こっちもわかんないんだしねー」

「ですね、努力もせずに、気付かない周りが悪いなどと考える幼稚な思考の方に興味はありません。ですが、転校生に一度でも心酔し、人を傷つけた責任はきちんとおとりください。ちゃんと最後まで、あの宇宙人の面倒をみてくださいね」

「なっ・・・!」

「なんですか? 言いたいことがおありなら、はっきりとおっしゃってください。自称喧嘩の強い孤独になりたがりの一匹狼くん」
43/99ページ
スキ