★キラキラ 第一章★
[アキラ■あなたの価値は如何ほど?]
さて、御船先輩の情報を元に、僕たちの辿り着いた空き教室。
「っ・・・・・・っ・・・・・・」
中から漏れ聞こえる声に、この場所で正解だったのだと一安心です。
アッキーは眉間の皺を濃くして不機嫌丸出しです。
ですが、怯むわけにはいきません。
営み中にお邪魔するというのは、大変失礼なことだと存じますが、仕方ありません。
――ガラッ
躊躇なくドアを引かせていただきます。
「ちょ、ちょっと、な、なにっ!?」
「あ~ん?」
なんとも整ったお顔をなさった小柄な方が、目的の人物の上に座しております。
「なんだよ、あんたっ!?」
「お邪魔をしてしまったようで、大変恐縮です。ですが、いつ誰が来るかもわからない場所で、行為をなさっていたそちらにも責はございます」
「な、なに言ってんのっ? 出て行ってよ!」
まぁ小柄な方には当然のお怒りでしょう。
ですが、僕には僕の事情がありますので、ここはお許しいただくしかありません。
「萎えたし~」
おや、僕が言葉を発する前に会計がしゃべりだしました。
「藤村さまっ?」
「もういいよー、早くどっか行ってー」
「ですよね、とっとと出てってよ」
「はは、違う違う、出てくのはお前ー」
「・・・・・・っえ・・・」
「俺言うこと聞かない奴嫌いー、早く出てってー」
「そ、そんな・・・わかり・・・ました・・・」
これは彼にはかなりダメージの大きい言葉ですねぇ。
少し可哀想ですが、出て行ってもらいたいのは僕も同様ですので、口は挟みません。
小柄な彼はのろのろと会計の上から下りて、制服を身に着けました。
しっかりと僕を睨み出て行く彼に、心の中で詫びます。
「誰かと思ったらー平凡くん連れ出した、地味男くんじゃーん」
「はい、会計さま。地味な僕を覚えていただいているとは思いもよりませんでした」
「なんか、むかつくー。それよりーお前らがあの平凡隠したから、瑠希愛が平凡平凡ってうるさいんだけどー」
「おや、おかしな言い方ですね、その平凡に消えてほしかったのでしょ、あなたは? 今こそあなたの望んだ状態ではないですか」
性行為を中断されたせいでしょうか、かなり不機嫌なようですね。
チャラ男というイメージの会計が、かなりきつい視線で僕を睨んでいます。
おっと、こちらに向かって参りました。
大事なモノは・・・大丈夫、ちゃんとしまってありますね。
壁を背にしている僕はともかく、横にはアッキーがいますので、くれぐれも行動には気をつけてくださいね、会計さん。
「なんかー、お前、ほんっと、むかつくんだけどー」
「はぁそれは申し訳ございません。ところで、会計さまはなぜあの転校生に夢中になっておられるのでしょうか?」
「はぁ、なに? そんなのお前に関係あるのー、地味男」
「まぁ、全く関係はございませんね、僕が少し気になるだけなので」
「なーにー、まさか地味男が俺に惚れたとか言わないでねー」
「はい、それは罷り間違ってもございませんので、どうぞご安心ください」
おや、先ほどより更に不機嫌な顔をなさいました。
「ただ、気になって仕方がないのです。中学時代から目立つお立場で、常に生徒の代表に立ち、その使命に誇りを持って、職務を全うなさっておられた方が、その責任を放棄し、今の堕落したお姿になったわけが知りたいのです。あ、これは単なる僕の好奇心ですので、お答えいただかなくても結構ですよ。あまりにご不快のようでしたら、僕はすぐお暇させていただきます」
「誇り・・・全う・・・ははは・・・なーにーそれー?」
「違うのですか? あなたは断ることもできる役職にわざわざ就任し、やりたくもない仕事を、嫌々ながら完璧にこなしていたのですか? それはある意味尊敬に値しますね」
「なに、それ・・・俺・・・・・・完、璧・・・とか、はは、ないない」
「ご自分で気付いておられないのですか? 僕が中学に入学したとき、あなたは既に役についておられましたし、引継ぎ後もその影響力は甚大でした。僕はあなたが卒業なさるその時まで、とても平和で居心地の良い学園生活を満喫いたしましたよ。もちろん、あなた方の去った後、皆様から引き継ぎを受けた役員たちも素晴らしかったです。ですから、高校に進学したときも、とても楽しみにしていたのです。またあのような素晴らしい日々を卒業するその時まで過せると期待していたので」
「なに・・・それ・・・・・・」
嘘は言っておりません。
確かに雅人のカリスマ性は偉大ですが、他の役員方の影響力もとてとても強かったのです。
ただ見た目が良いだけで、人は動いてはくれません。
皆、あなたたちの出す結果に満足し、納得したから平和に過すことができる空間を、作り上げる努力をしたのですよ。
「はは・・・仕事のこと・・・言われたの、初めてだ・・・瑠希愛は・・・瑠希愛は・・・セフレは・・・駄目、だって・・・言った・・・けど。俺に、セフレは駄目だって・・・俺がいてやるって・・・」
ああまさか、アーちゃんに見せられた王道小説と全く同じ理由とは、思いもよりませんでした。
事実は小説より奇なり、いえいえまさに王道展開な方です。
つまり、なんとも単純な方です。
はぁ、こんな方が生徒会に戻る必要があるのか、少し悩みますね。
しかし、仕事ができていたこともこれまた事実。
「セフレが駄目だと言われ喜んだのですか? なら、なぜあなたはその行為を止めることなく、続けておられるのでしょう? その言葉は、あなたの心にはまったく響かなかったということでしょうか? それとも先ほどの彼は、あなたの大事な大事な恋人さんなのでしょうか? それなら僕はとても失礼な、」
「違うっ!」
ひゃっ、びっくりです。
アッキーが僕の前に立ちはだかります。
「俺、恋人・・・なんて、いない・・・違っ、そう・・・じゃ、ない・・・あ・・・誇り、誇り・・・なんて、感じたことない・・・でも、ちゃんと仕事できて・・・た?」
「はい、先ほども申しましたように、とても素晴らしく管理運営なされた状態を維持しておられました。もちろんあなた1人の業績ではありませんが、その一端を担っていたのはまさしくあなたです」
「だって、俺、セフレだらけで下半身ユル男とか言われてるじゃん。なんでそんなこと言えんの?」
「その噂が事実かどうかはわかりかねますが、少なくとも、合意の元で行われている行為に他人が口出す権利はないでしょう。それこそ大きなお世話です。もちろん、褒められる行為とは思いませんが・・・。お互い納得しているならそれで良いと思います。プライベートをキチンと管理し、為すべきことを為していれば、それらは仕事の評価とは関係ありません。まぁむしろ英雄色を好むと言われるように、人の上に立つ方は、案外お好きな方が多いかもしれないですね」
「でも・・・堕落したって・・・」
「堕落、生活がくずれ、品行がいやしくなること。節操を失うこと。身をもちくずすこと。」
「っ・・・!」
「物事がその本来あるべき正しい姿や価値を失うこと。さて、1つの言葉にも色んな意味がございます。僕は今のあなたの姿を視、こちらの意味合いで、堕落と使わせていただきました」
「本来の・・・価値・・・?」
「あなたに如何ほどの価値があるかは、周囲が判断すること。まぁ今の価値はたいしてあるとは思えませんが。あなたは容姿のお話を良くなさる。そういう意味ではあなたの価値は以前と何も変わらず高いままでしょう。あなたが、そのままでよろしいなら、なんら問題はございません。出すぎた真似をいたしました」
「良くない・・・」
「はぁ、そうですか。しかし一旦下がった評価というのは、それを取り戻すには今まで以上に大変な作業となります。周りの目はより厳しくなりますからね。なら敢えて苦しまず今のまま楽しくやるのがよろしいのではないですか?」
「・・・・・・地味男は・・・?」
「は?」
「地味男は、俺が真面目に仕事したら、楽しくなる?」
「まぁ実績がございますから、完全な否定はいたしません。ですが、あの頃と今では状況がまったく違いますので、正直なんともお答えようのしようがございませんね」
「難しい事言ってー、誤魔化してるー?」
「触るな」
「いたっ・・・なにお前ー?」
いきなり調子を取り戻した会計が僕に向かって腕を伸ばしてきました。
それをアッキーが叩きおとします。
「なに、地味男の彼ー?」
あああ、アッキーの逆鱗に触れるようなこと言わないでください。
どうなっても知りませんよ。
「違いますっ! 彼に対して失礼です。僕に着いて来てくれた友人です」
「なんだー、じゃ地味男とは関係ないんだねー」
ああ、アッキーの眉間の皺が増えました。
「あの、一体何をおっしゃりたいのですか?」
「あはは、うん、俺、がんばる。皆許してくれないかもだけどー、地味男が楽しく過せるようがんばっちゃうー」
「はぁ、あの、僕が云々ではなく、ご自分の意志で持って立ち向かわないと意味がない気がしますが」
「そーなのー? いやいや大丈夫、俺、仕事好きー」
なぜいきなり調子が戻ったのでしょうか? 果たして信頼してもよいものでしょうか?
「そうですか、ではお仕事がんばってください。それと、親衛隊の皆様の信頼回復もなさったほうがよろしいかと」
「うんうん、だよねー、でないとなにするかわかんないよねー」
「あと、先ほどの方のように行為をなさるお相手を、あまり無碍に扱われますとどんな恨みを招くかわかりません。いくら同意の上とはいえ、相手の方はあなたに思いを寄せておいでなのです。きちんと誠意のある対応をなさった方がよろしいかと存じます」
「地味男・・・心配してくれてるの?」
「・・・まぁ、そういうことでしょうか」
「おい」
ん、アッキーどうしたんですか?
「それと、最後にもう1つよろしいでしょうか?」
「うんうん、なになにー?」
「受けた痛みを忘れることはなかなかできません。それが不当に与えられたものであるなら尚更。ましてや許すことなどできようはずがございません。ですが、あなたにはその罪から逃れる資格など一切ないということを、どうか努々お忘れなきよう」
「・・・地味男、名前、教えてよ」
「はい、1-Sの、佐藤晃と申します。どうか今後はご自分の立場をお忘れなきように。それでは会計さま失礼いたします」
ゆっくりとおじぎをして、僕はこの場を去ることにしました。
会計はまだ何か言いたそうでしたが、アッキーが僕の背中を押すので、早々に退散です。
さて、御船先輩の情報を元に、僕たちの辿り着いた空き教室。
「っ・・・・・・っ・・・・・・」
中から漏れ聞こえる声に、この場所で正解だったのだと一安心です。
アッキーは眉間の皺を濃くして不機嫌丸出しです。
ですが、怯むわけにはいきません。
営み中にお邪魔するというのは、大変失礼なことだと存じますが、仕方ありません。
――ガラッ
躊躇なくドアを引かせていただきます。
「ちょ、ちょっと、な、なにっ!?」
「あ~ん?」
なんとも整ったお顔をなさった小柄な方が、目的の人物の上に座しております。
「なんだよ、あんたっ!?」
「お邪魔をしてしまったようで、大変恐縮です。ですが、いつ誰が来るかもわからない場所で、行為をなさっていたそちらにも責はございます」
「な、なに言ってんのっ? 出て行ってよ!」
まぁ小柄な方には当然のお怒りでしょう。
ですが、僕には僕の事情がありますので、ここはお許しいただくしかありません。
「萎えたし~」
おや、僕が言葉を発する前に会計がしゃべりだしました。
「藤村さまっ?」
「もういいよー、早くどっか行ってー」
「ですよね、とっとと出てってよ」
「はは、違う違う、出てくのはお前ー」
「・・・・・・っえ・・・」
「俺言うこと聞かない奴嫌いー、早く出てってー」
「そ、そんな・・・わかり・・・ました・・・」
これは彼にはかなりダメージの大きい言葉ですねぇ。
少し可哀想ですが、出て行ってもらいたいのは僕も同様ですので、口は挟みません。
小柄な彼はのろのろと会計の上から下りて、制服を身に着けました。
しっかりと僕を睨み出て行く彼に、心の中で詫びます。
「誰かと思ったらー平凡くん連れ出した、地味男くんじゃーん」
「はい、会計さま。地味な僕を覚えていただいているとは思いもよりませんでした」
「なんか、むかつくー。それよりーお前らがあの平凡隠したから、瑠希愛が平凡平凡ってうるさいんだけどー」
「おや、おかしな言い方ですね、その平凡に消えてほしかったのでしょ、あなたは? 今こそあなたの望んだ状態ではないですか」
性行為を中断されたせいでしょうか、かなり不機嫌なようですね。
チャラ男というイメージの会計が、かなりきつい視線で僕を睨んでいます。
おっと、こちらに向かって参りました。
大事なモノは・・・大丈夫、ちゃんとしまってありますね。
壁を背にしている僕はともかく、横にはアッキーがいますので、くれぐれも行動には気をつけてくださいね、会計さん。
「なんかー、お前、ほんっと、むかつくんだけどー」
「はぁそれは申し訳ございません。ところで、会計さまはなぜあの転校生に夢中になっておられるのでしょうか?」
「はぁ、なに? そんなのお前に関係あるのー、地味男」
「まぁ、全く関係はございませんね、僕が少し気になるだけなので」
「なーにー、まさか地味男が俺に惚れたとか言わないでねー」
「はい、それは罷り間違ってもございませんので、どうぞご安心ください」
おや、先ほどより更に不機嫌な顔をなさいました。
「ただ、気になって仕方がないのです。中学時代から目立つお立場で、常に生徒の代表に立ち、その使命に誇りを持って、職務を全うなさっておられた方が、その責任を放棄し、今の堕落したお姿になったわけが知りたいのです。あ、これは単なる僕の好奇心ですので、お答えいただかなくても結構ですよ。あまりにご不快のようでしたら、僕はすぐお暇させていただきます」
「誇り・・・全う・・・ははは・・・なーにーそれー?」
「違うのですか? あなたは断ることもできる役職にわざわざ就任し、やりたくもない仕事を、嫌々ながら完璧にこなしていたのですか? それはある意味尊敬に値しますね」
「なに、それ・・・俺・・・・・・完、璧・・・とか、はは、ないない」
「ご自分で気付いておられないのですか? 僕が中学に入学したとき、あなたは既に役についておられましたし、引継ぎ後もその影響力は甚大でした。僕はあなたが卒業なさるその時まで、とても平和で居心地の良い学園生活を満喫いたしましたよ。もちろん、あなた方の去った後、皆様から引き継ぎを受けた役員たちも素晴らしかったです。ですから、高校に進学したときも、とても楽しみにしていたのです。またあのような素晴らしい日々を卒業するその時まで過せると期待していたので」
「なに・・・それ・・・・・・」
嘘は言っておりません。
確かに雅人のカリスマ性は偉大ですが、他の役員方の影響力もとてとても強かったのです。
ただ見た目が良いだけで、人は動いてはくれません。
皆、あなたたちの出す結果に満足し、納得したから平和に過すことができる空間を、作り上げる努力をしたのですよ。
「はは・・・仕事のこと・・・言われたの、初めてだ・・・瑠希愛は・・・瑠希愛は・・・セフレは・・・駄目、だって・・・言った・・・けど。俺に、セフレは駄目だって・・・俺がいてやるって・・・」
ああまさか、アーちゃんに見せられた王道小説と全く同じ理由とは、思いもよりませんでした。
事実は小説より奇なり、いえいえまさに王道展開な方です。
つまり、なんとも単純な方です。
はぁ、こんな方が生徒会に戻る必要があるのか、少し悩みますね。
しかし、仕事ができていたこともこれまた事実。
「セフレが駄目だと言われ喜んだのですか? なら、なぜあなたはその行為を止めることなく、続けておられるのでしょう? その言葉は、あなたの心にはまったく響かなかったということでしょうか? それとも先ほどの彼は、あなたの大事な大事な恋人さんなのでしょうか? それなら僕はとても失礼な、」
「違うっ!」
ひゃっ、びっくりです。
アッキーが僕の前に立ちはだかります。
「俺、恋人・・・なんて、いない・・・違っ、そう・・・じゃ、ない・・・あ・・・誇り、誇り・・・なんて、感じたことない・・・でも、ちゃんと仕事できて・・・た?」
「はい、先ほども申しましたように、とても素晴らしく管理運営なされた状態を維持しておられました。もちろんあなた1人の業績ではありませんが、その一端を担っていたのはまさしくあなたです」
「だって、俺、セフレだらけで下半身ユル男とか言われてるじゃん。なんでそんなこと言えんの?」
「その噂が事実かどうかはわかりかねますが、少なくとも、合意の元で行われている行為に他人が口出す権利はないでしょう。それこそ大きなお世話です。もちろん、褒められる行為とは思いませんが・・・。お互い納得しているならそれで良いと思います。プライベートをキチンと管理し、為すべきことを為していれば、それらは仕事の評価とは関係ありません。まぁむしろ英雄色を好むと言われるように、人の上に立つ方は、案外お好きな方が多いかもしれないですね」
「でも・・・堕落したって・・・」
「堕落、生活がくずれ、品行がいやしくなること。節操を失うこと。身をもちくずすこと。」
「っ・・・!」
「物事がその本来あるべき正しい姿や価値を失うこと。さて、1つの言葉にも色んな意味がございます。僕は今のあなたの姿を視、こちらの意味合いで、堕落と使わせていただきました」
「本来の・・・価値・・・?」
「あなたに如何ほどの価値があるかは、周囲が判断すること。まぁ今の価値はたいしてあるとは思えませんが。あなたは容姿のお話を良くなさる。そういう意味ではあなたの価値は以前と何も変わらず高いままでしょう。あなたが、そのままでよろしいなら、なんら問題はございません。出すぎた真似をいたしました」
「良くない・・・」
「はぁ、そうですか。しかし一旦下がった評価というのは、それを取り戻すには今まで以上に大変な作業となります。周りの目はより厳しくなりますからね。なら敢えて苦しまず今のまま楽しくやるのがよろしいのではないですか?」
「・・・・・・地味男は・・・?」
「は?」
「地味男は、俺が真面目に仕事したら、楽しくなる?」
「まぁ実績がございますから、完全な否定はいたしません。ですが、あの頃と今では状況がまったく違いますので、正直なんともお答えようのしようがございませんね」
「難しい事言ってー、誤魔化してるー?」
「触るな」
「いたっ・・・なにお前ー?」
いきなり調子を取り戻した会計が僕に向かって腕を伸ばしてきました。
それをアッキーが叩きおとします。
「なに、地味男の彼ー?」
あああ、アッキーの逆鱗に触れるようなこと言わないでください。
どうなっても知りませんよ。
「違いますっ! 彼に対して失礼です。僕に着いて来てくれた友人です」
「なんだー、じゃ地味男とは関係ないんだねー」
ああ、アッキーの眉間の皺が増えました。
「あの、一体何をおっしゃりたいのですか?」
「あはは、うん、俺、がんばる。皆許してくれないかもだけどー、地味男が楽しく過せるようがんばっちゃうー」
「はぁ、あの、僕が云々ではなく、ご自分の意志で持って立ち向かわないと意味がない気がしますが」
「そーなのー? いやいや大丈夫、俺、仕事好きー」
なぜいきなり調子が戻ったのでしょうか? 果たして信頼してもよいものでしょうか?
「そうですか、ではお仕事がんばってください。それと、親衛隊の皆様の信頼回復もなさったほうがよろしいかと」
「うんうん、だよねー、でないとなにするかわかんないよねー」
「あと、先ほどの方のように行為をなさるお相手を、あまり無碍に扱われますとどんな恨みを招くかわかりません。いくら同意の上とはいえ、相手の方はあなたに思いを寄せておいでなのです。きちんと誠意のある対応をなさった方がよろしいかと存じます」
「地味男・・・心配してくれてるの?」
「・・・まぁ、そういうことでしょうか」
「おい」
ん、アッキーどうしたんですか?
「それと、最後にもう1つよろしいでしょうか?」
「うんうん、なになにー?」
「受けた痛みを忘れることはなかなかできません。それが不当に与えられたものであるなら尚更。ましてや許すことなどできようはずがございません。ですが、あなたにはその罪から逃れる資格など一切ないということを、どうか努々お忘れなきよう」
「・・・地味男、名前、教えてよ」
「はい、1-Sの、佐藤晃と申します。どうか今後はご自分の立場をお忘れなきように。それでは会計さま失礼いたします」
ゆっくりとおじぎをして、僕はこの場を去ることにしました。
会計はまだ何か言いたそうでしたが、アッキーが僕の背中を押すので、早々に退散です。
