★キラキラ 仕舞章番外★
[瀬緒■鏡の間2]
どれほど頼んでも、総代との直接の対面を許してもらえない。
できることは、鷺視本家に一堂会しての、御簾ごしの対面だけ。
それも、ほんの束の間。
何度も足を運ぶのに、それだけしか許されない。
この対面で、雪客の可能性があるモノは、後日奥院にて総代が直々に調べる。
それが古来よりの習わしだと聞いた。
ならば、そろそろ僕を呼び出し、正式に調べてくれてもいいのではないか。
10歳を迎えてから、もう3年。
受験も終え、無事中学への入学を果たし、既に中学2年生になっていた。
成績は、常に首席。
当然だ、僕は誰よりも優れた記憶力を持っているのだから。
一度見たものは、すぐに覚えてしまう――それは僕が雪客である可能性を、示唆している。
それなのに、総代は僕に会ってはくれない、それどころか、誰とも会おうとはしない。
総代の年齢は既に58歳、直系だと聞いている。
だとしたら、その残された時間もあとわずか。
鷺視の雪客は、総代が亡くなる前には必ず顕れると教えられた。
なら、とっくに生まれているはずだ。
継埜のモノは、必死で雪客を探していることだろう。
それは、僕であるかもしれない。
直接会えば、気付いてもらえるかもしれないのに――
高校に入っても、いまだ総代との直面(じきめん)は果たせていない。
それは、他のモノも同じ。
まだお元気だそうだから、総代は事を楽観視しているのかもしれない。
馬鹿な――いきなり倒れでもしたら、どうするつもりなんだ。
珍しくも父が早い時間に帰宅した。
戻ったときは、必ず最初に僕へと声をかけてくれる。
厳しいことで有名な父だが、長子である僕のことは、とても大切に扱ってくれる。
世間もそうだ。
鷺視の分家とはいえ、瀬緒家の立場はかなり重い。
だから、皆が僕に従う、それは当然のことなんだ。
夕食を終えたあと、父から思いがけない話を聞かされた。
姫宮家から中学へ通っている瑠希愛が、街でよからぬ仲間と遊んでいると。
最近は、まったく相手にしなかったから、拗ねているのだろう。
僕は、すぐに彼の携帯に電話をし、諌めた。
悪い遊びはおさまったと連絡があったのは、わずか2日後だった。
高校2年へと進級する直前、申し込んでいた総代との直面を断られた。
いったいこれで、何回目だろうか。
おかしい、総代の年齢を鑑みても、これほど頑なに拒むのが解せない。
そうして、春を迎え、僕は鬱々とした気持ちのまま、勉学に励むこととなった。
当然ながら、次期鷺視当主の候補に名を連ねることになった。
父と母は喜んではいたが、たかがお飾りの当主に興味などはない。
新学期が始まり数日後、姫宮の伯父から瑠希愛のことを相談された。
どうやら、学校で問題を起こし、退学となったらしい。
困った奴だ。
そして、伯父が理事長を勤め、鷺視家が総理事を勤める学園へと、転校させることになった。
全寮制ということもあり、瑠希愛を躾直すには良い機会だろう。
僕はしっかりと、伯父に釘を刺しておいた。
「理事長の甥だからと甘やかすことなく厳しく接するように、そう周知したほうがいいですよ」
伯父は、納得してくれたようだ。
僕の頭の中には、総代への疑念が渦巻いていて、瑠希愛の問題まで持ち込まれるのは勘弁してほしいね。
どれほど頼んでも、総代との直接の対面を許してもらえない。
できることは、鷺視本家に一堂会しての、御簾ごしの対面だけ。
それも、ほんの束の間。
何度も足を運ぶのに、それだけしか許されない。
この対面で、雪客の可能性があるモノは、後日奥院にて総代が直々に調べる。
それが古来よりの習わしだと聞いた。
ならば、そろそろ僕を呼び出し、正式に調べてくれてもいいのではないか。
10歳を迎えてから、もう3年。
受験も終え、無事中学への入学を果たし、既に中学2年生になっていた。
成績は、常に首席。
当然だ、僕は誰よりも優れた記憶力を持っているのだから。
一度見たものは、すぐに覚えてしまう――それは僕が雪客である可能性を、示唆している。
それなのに、総代は僕に会ってはくれない、それどころか、誰とも会おうとはしない。
総代の年齢は既に58歳、直系だと聞いている。
だとしたら、その残された時間もあとわずか。
鷺視の雪客は、総代が亡くなる前には必ず顕れると教えられた。
なら、とっくに生まれているはずだ。
継埜のモノは、必死で雪客を探していることだろう。
それは、僕であるかもしれない。
直接会えば、気付いてもらえるかもしれないのに――
高校に入っても、いまだ総代との直面(じきめん)は果たせていない。
それは、他のモノも同じ。
まだお元気だそうだから、総代は事を楽観視しているのかもしれない。
馬鹿な――いきなり倒れでもしたら、どうするつもりなんだ。
珍しくも父が早い時間に帰宅した。
戻ったときは、必ず最初に僕へと声をかけてくれる。
厳しいことで有名な父だが、長子である僕のことは、とても大切に扱ってくれる。
世間もそうだ。
鷺視の分家とはいえ、瀬緒家の立場はかなり重い。
だから、皆が僕に従う、それは当然のことなんだ。
夕食を終えたあと、父から思いがけない話を聞かされた。
姫宮家から中学へ通っている瑠希愛が、街でよからぬ仲間と遊んでいると。
最近は、まったく相手にしなかったから、拗ねているのだろう。
僕は、すぐに彼の携帯に電話をし、諌めた。
悪い遊びはおさまったと連絡があったのは、わずか2日後だった。
高校2年へと進級する直前、申し込んでいた総代との直面を断られた。
いったいこれで、何回目だろうか。
おかしい、総代の年齢を鑑みても、これほど頑なに拒むのが解せない。
そうして、春を迎え、僕は鬱々とした気持ちのまま、勉学に励むこととなった。
当然ながら、次期鷺視当主の候補に名を連ねることになった。
父と母は喜んではいたが、たかがお飾りの当主に興味などはない。
新学期が始まり数日後、姫宮の伯父から瑠希愛のことを相談された。
どうやら、学校で問題を起こし、退学となったらしい。
困った奴だ。
そして、伯父が理事長を勤め、鷺視家が総理事を勤める学園へと、転校させることになった。
全寮制ということもあり、瑠希愛を躾直すには良い機会だろう。
僕はしっかりと、伯父に釘を刺しておいた。
「理事長の甥だからと甘やかすことなく厳しく接するように、そう周知したほうがいいですよ」
伯父は、納得してくれたようだ。
僕の頭の中には、総代への疑念が渦巻いていて、瑠希愛の問題まで持ち込まれるのは勘弁してほしいね。
