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★キラキラ 第二仕舞章★

[アッくん■仕舞の終い]


芳しい春の薫りが漂うな中、新一年生たちが、続々と登校している。

「僕にもあんな時代あったんだよね・・・」

「う、アッくん、じぃなのよ」

「え、年寄り臭いって、失礼だよアキ。ちょっと懐かしんでるだけなの」

ピカピカの真新しい制服がなんだか眩しいなぁ。
着慣れた制服を摘んで、なんだか侘しい気持ちになっちゃった。
やっぱり、年寄り臭いのかな?

「あ、う、アッくん、じぃなのよ、なの、いいのよ~♪」

キャッキャ笑いながら、僕を年寄り扱いして喜ぶアキ。
もう、ひどいなぁ。

無事2年生となった僕とアキは、新しい教室で隣同士の席になった。
選択教科でクラスを決めているから、1年の頃と教室内の面々は変わらない。
たまに進級する際に、移動を願い出る人もいるらしいけど、今年はゼロ。
だから、野添くんもちゃんといるよ。

「今年は、外部組が結構いるらしいぜ」

「ふーん、そうなんだ」

この学園は中高一貫教育だから、そのまま中等部から持ち上がる人がほとんど。
だけど、別の中学からこの学園を受験する人たちも結構いる。
そうして見事試験にパスした人が、外部組と称されて、初めてこの学園に通うことになるんだ。
その数は毎年決して多くはないけど、野添くんがそう言うならいつもより多いってことなんだろうね。

「いいのよ、アキ、ぱいなの、なのよ、いいのよ」

「うん、僕たち先輩なんだよね、なんか嬉しいね」

もちろん中学のときだって先輩は経験したけど、高校生になるとなんだかその重みが違う。

「鈴木が先輩ね、なんかイメージが・・・」

「あう、さーさん、いやなのよ、なのよ」

ぷぷぷって野添くんが笑うから、一気にアキの機嫌が悪くなっちゃったよ。
でも、僕も少し笑っちゃった。

「アキ、おおいのよ、いいのよ、なの」

「あ、そうか。アキ身長伸びたんだよね・・・いいなぁ・・・」

「なの、なのよ、アキ、いいのよ」

「ええ、鈴木伸びてるのか? なんか変わってない気がするけど・・・」

「うぅ、あう、おおいのよっ!」

そうだよね、アキ身長伸びたんだよね。
確か、出会った頃から6cmも伸びてて、今じゃ153cmだもんね・・・僕は1cmも伸びなかったのに。

特別何も変わらない、普段通りの僕たち。
だけど、きっと少しずつ成長していってる、はず。

「うん、そうだよ。僕も成長してるんだよね」

「あう? アッくん、ないのよ、アキ、おおいのよ」

「渡辺って、1cmも伸びてないんじゃなかったっけ?」

「ち、違うよ、身長の話じゃないよ。もう」

アキと野添くんに、身長が伸びてないって言われちゃった。
いくら本当のことでも、ちょっとショックだよ。

そんなことを言い合ってたら、新しい担任の先生が教室へ入ってきた。

起立して、礼をして、

「今日からこのクラスの担任になる――」

こうやって、平凡で平和な日常が、また続いていくんだ・・・・・・
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