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★キラキラ 第二仕舞章★

[アッくん■扉の向こうは]


僕は御殿に来ていた・・・・・・

えっと、それしか喩えが思いつきません。
高座の奥の観音開きの扉を、こともなげに開けたアーちゃん。
緊張する僕を尻目に、さっさと歩き出して、辿りついた先。

「これって・・・寝殿造とか言うんだっけ?」

ポカンと口を開けたまま、僕は誰に聞くともなく呟いた。

「お、よく知ってるねー、やっぱA理とったの間違いじゃねー?」

む、確かに数学苦手だけど、それとこれは関係ないと思うよ。

「まぁ、だいたいそんな感じの造りだよねー、庭もそうだし」

なんか、タイムスリップした感じ・・・

庭なんてレベルじゃない、広い広いとにかく広い場所には、白砂が敷かれ、大きな池には橋まで架かってる。
いくつもある建物は、どうやら渡殿らしきもので繋がってるみたいだ。
中は、想像したような几帳とか衝立で仕切ってるわけじゃなく、ちゃんと襖や障子が使われてた。
見た目は平安風で、中は現代の立派な日本家屋って感じ、電気もあるしね。

アーちゃんと共に広い廊下を歩いていると、他の人ともすれ違った。
皆僕たちに気付くと、脇に寄って、アーちゃんに頭下げてる。
やっぱり、アーちゃんって偉いみたいです。



「ようこそ奥院へ、あなたの御出でをお待ちしておりました」

アーちゃんが開けた襖の先で、アキラと、アキ、アッキーが僕を迎えてくれた。
やっぱり白い着物を着たアキラの横には茶釜があって、ここが茶室なのだと気付いた。

「み、皆・・・」

言いたいことはいっぱいあったんだ。
なんで連絡してくれなかったの、とか、気にしてたんだよ、とか。
だけど、皆のいつも通りの表情を見たら、なんだか全部どうでも良くなったんだ。

「ふふ、ささ、早く席についていただかないと、用意している菓子がなくなってしまいます」

「へ・・・?」

よく見ると、空色の着物をきたアキが袖をまくりながら、目の前の菓子をひたすら食べていた。
1つ1つ丁寧に作られたであろう、盆に並べられた色とりどりの大量の和菓子を、

「あむ、いいのよ、あむ、いいの」

それって、作法としてどうなんだろう。

「アキ、足りなくなる。もうしまいにしろ」

紺青の着物を着たアッキーが、アキに注意してくれた。

「いやなのよ、たべるのよ」

「駄目だ」

「あうう、あい、なのよ」

「ほらほら、早く座らないと、アッキーに怒られるよー」

「う、うん・・・」

はは、本当に皆、何も変わらないね。
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