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★キラキラ 第二仕舞章★

[アッくん■尻を叩かれる]


双子がいた、そしてもう1人、瀬緒――かれが、いた。

双子は口も手足も拘束され、まるで蓑虫のように床に這っている。
それでも顔を上げて、驚愕の表情で高座を見ている。

そして、瀬緒。
彼にはもうなんの表情も伺えない。
双子より、高座に近い場所に座り、ただジッとしている。

「水野レミ、水野ソラ、こやつら、瀬緒咲夜の道具を始末しようと思う。が、仮にも表の住人、よって、裁きは多少の温情をいれることを伝えておく」

「「承知」」

「では、瀬緒咲夜、こやつらを道具とした理由を答えろ」

「ああ、なんでも答えてやる、こいつらから僕に近づいてきた。なんでもクラス落ちし、そこでかなり酷い目にあっていたらしい。だから親衛隊の隊長にしてくれと泣きついてきた。最初は興味がなかったが、瑠希愛のせいでこうなったと喚くから、少し興味がわいた。見た目も悪くないし、水野家の者だから、道具としては悪くないと思っただけだ」

あれほど自信ありげに話していた人が、とても気の抜けた言葉を紡ぐ。

「なるほど、特になにかしらの理由があったわけではないのか・・・そこな2名、私を覚えているか?」

「「うっ、うう」」

「ふん、覚えておるのか、なら話しは早い、轡を取ってやろう。だが、余計な発言をせぬよう心掛けよ」

雪客が軽く手を振ったことで、双子は口枷から解放された。
どうか無駄に雪客を怒らせたりしませんように・・・

「・・・葛西」

「・・・会長」

「「助けてよ・・・」」

長老たちに説明をされたからか、彼らはある程度の事情は把握してるみたいだ。
怯えて、会長たちに助けを求めているのは、東西のことを理解しているから、かな。

「無駄だっ! ここで貴様らを助けることができるのは私のみ、しかし、その私が貴様らの処分を、今決定したぞ」

「なっ!」

「じょ、冗談だよねっ、会長! 僕これからちゃんとするから、瀬緒さま、お願い助けてっ!」

僕は雪客の言葉より、もっと違うことに驚いていた。
ここにきて、彼ら双子が違う反応を見せたことに、びっくりしたんだ。
1人は愕然とし、1人は必死で助けを求める。
どちらもショックを受けてはいるんだけど、その表しかたが違う。

「どうした、いつものように、ハモらんのか? つまらん奴らだ」

「うっ、・・・う・・・う・・・」

「僕たち何もしてないのにっ! 会長、助けてよ・・・お願いっ!」

「水野ソラ、その男に何を言っても無駄だっ!! 貴様ごときが軽々しく呼ぶなっ!!」

え、ひょっとして雪客は・・・まさか、こんな重い空気の中でそんな、まさか。

「オホン、雪客様」

高座の端から、守人が出てきて、またわざとらしい咳払いをしてる。

「喧しいわっ! 水野ソラ、貴様がその男に惚れていること、私は知っているぞっ!」

「なに言ってんのよっ! そんな、こと・・・」

「雪客様っ!」

「喧しいっ、守人控えていろっ! ふん、貴様の恋心など打ち砕いてやるわ、東、いますぐ私にっ――むがっうう!!」

雪客の座下に控えていた長老たちが、一斉に雪客に襲い掛かり、その口を塞いでいた。

もうもうもう、なにやってるの、アキラッ!
会長は、そんなアキラを見て・・・笑ってる、嬉しそうに相貌を崩してる、なんかすごくムカつく。

「裕輔さん、これがいつものことってやつですか?」

「ああ、そうだ」

裕輔さんはすっごい呆れた調子だった。
そうか、いつものことなんだ、だから長老たちも慣れているんだ。

「じじぃっ、――この、私に、あっ――無礼、者っ! あっ」

長老たちに取り囲まれて姿は見えないんだけど、パンパン音に合わせて声が上がってる。
それに、なんか説教されてるみたい・・・小さくてよく聞こえないけど。
ああ、これが尻を叩かれるってやつなんだ、高校生にもなって本当にされるんだね・・・もう呆れて何も言えないよ。

でも雪客って一番偉いから、誰も逆らえないと思ってたのに、ちゃんと諌めるところは諌めるんだ。
それって、なんかすごいことだね。

学校で家の権威を振り翳す人たちを、良く思ってなかったのも頷ける。
この闇のモノたちはそういう意味では、とてもまともな環境で育ったように、僕には思えた。

強い力を持っているからこそ、諌める人が必要なんだ。
でないと人は失敗してしまう、何もかもを失くした、あの人のように・・・・・・
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