★キラキラ 第一章★
[アッくん■巻き込まれたようです]
「はよなの、おひるなの、はよなのよ、アッくん」
「え、え、」
彼に怯えることのない安全な場所で、疲れに身を任せて、久しぶりにゆっくり寝れた。
起きぬけに暗号を提示された。
混乱混乱混乱。
「おはよう、もうすぐお昼だけど、おはよう、アッくん。byアキ♪」
「なの、なのよ」
「お、おは、よう」
目の前にはアキと、アーちゃん。
あ、訳してくれたんだ。
うーん、難しいなアキの言葉。僕も皆みたいにわかるようになりたい。
「早くはないですが、おはようございます。アッくん」
「う、うん。おはよう」
朝、いやお昼から皆が揃ってる。なんだかすごく嬉しい。
僕、いびきとか寝言大丈夫だったかな?
キッチンからは良いにおいがしてきて、僕のお腹がぐーと鳴った。
忘れていた感覚。
彼と会ってからは、食欲なんてまったく沸かなくて、口にいれても砂を食べてるみたいだった。
でも、もう大丈夫。
ちゃんと食べれる・・・というか食べれた。
「お昼は、アッキー特製のクリームパスタです。ささ、顔を洗ってきてください」
「うん」
あはは、ちょっとよだれが出ちゃった。
「お、メールメール」
アーちゃんは右手にフォーク、左手で携帯をあやつりだした。
「もじゃさまご一行報告しまーす」
一瞬息が詰まる。
すっかり忘れていた。
あまりにもこの空間の居心地が良くて、僕は彼のことを忘れていた。
まだ、終わったわけじゃないのに。
「おや、楽しみですね」
「なのよ、なのよ」
「昨夜はアッくんの部屋に乱入し、一通り荒らしたら、同室者を罵倒しながら退出。その後寮内を大声で徘徊し、出会った人物全員に「アキラはどこだっ!? 知らないのかっ!? 最低だっ!」と罵声を浴びせました。現在は、親友を拉致した犯人は親衛隊と勝手に決めつけ、校内を捜索中らしいです。お供は副会長、双子、爽やか。以上」
目眩がした。
彼はあの不可解な自論を引っさげて、僕を見つけ出すために周囲に迷惑を掛け捲っているのか・・・
「おやおや、僕たちは犯罪者扱いですか」
「ええぇぇぇ、もじゃにとっての犯人は、あなただけじゃないですかー?」
「たぶんそうでしょうね。あれに周りを見る脳みそはなさそうなので、目の前で彼を攫った僕しか記憶に残ってないでしょうね」
「そ、そんな、そんな」
「おや、アッくんはもう食べないのですか? なんでしたら僕が片付けましょうか。いえいえご遠慮なさらず、僕の胃袋はいつでも大歓迎ですよ」
「あう、アキラ、うう、アキの」
「自分のまだ残ってるでしょ。アッくんのを狙うんじゃないの」
「きゃう、あう」
口の周りにいっぱいクリームをつけているアキは、アーちゃんにデコピンされた。
アキはその小さい体に比例して、小さな器に、ちょこんと盛られたパスタをフォークで掬うようにして口にしている。
「アキラ、人のを狙うんじゃなくて、おかわりしてきなさい」
「はぁ、了解です」
僕の倍以上が盛られていたアキラの器は既に空っぽだ。
僕と身長は変わらないくらいなのに、痩せた僕よりももっと細い。
食べた分はいったいどこに入ってるんだろう?
しぶしぶといった感じで、キッチンへ向かう後姿が、まだ少し辛そう。
思わずその理由を思い出して、ちょっと顔が熱くなっちゃった。
なんだかアキラってそういう性的な雰囲気を感じさせないから、余計。
「切欠はアキ、敢行したのはアキラ」
「お、アッキーにしては良いこと言うねー。そうだよーアッくんが気にすることじゃぁないね」
「だ、だって、僕のせいで」
「ええええええ、なになに? アッくんそんなふうに思ってるのー? お兄さんショックー」
「だ、だって」
「うう、あむ・・・うあ、じ、じー、じなのよ」
「アキの言うとおりです。自分で判断し自分勝手に行動したのですから自己責任です。アキは勝手にあなたに声をかけた。僕は勝手にあなたを連れ出した。2人は勝手にもじゃたちに対峙した。アッキーにゴミをとれと言いましたが、それを行動にうつすかどうかはアッキーの自由です。僕たちは自分の好き勝手に判断して行動しました。あの場合、巻き込まれたのは君です。僕たちの勝手な行動に君が巻き込まれたんです」
「え、あの」
「アキはあなたに声をかけたとき、僕たちがあの集団に関わるなんて考えてもいませんでしたよ。僕たちがあの場を去っても、アキは一切気にしません。自分が勝手に関わったんですから。だから僕が君に声をかけ結果的にはアキを助けたような状況でも、アキは僕にお礼なんて言いませんよ。僕は自分の勝手で関わったのですし、アキは助けられようなんて思ってもいなかったのですから。君は僕たちに巻き込まれたと怒っても良いくらいです。さて、自分のせいなどというナルシシズムの時間はお終いです。あ、パスタいらないならいつでも言ってくださいね」
僕が皆に巻き込まれた・・・って?
「ほら巻き込まれ平凡脇役くん。とっとと食べないと、次は阻止できないよん」
「食わないと、確実に狙われるぞ」
「なの、のよ」
彼のことをすごく勝手な人だと思った。
事実、とても自分勝手な人間だ。僕はそれに巻き込まれた。
アキラは自分たちのことを勝手だと言った、僕を巻き込んだって言った。
アキラの言葉通りだと同じことをされてるはずなのに、どうしてこんなに状況が違うんだろう。
あ、ところで平凡脇役ってなに?
「はよなの、おひるなの、はよなのよ、アッくん」
「え、え、」
彼に怯えることのない安全な場所で、疲れに身を任せて、久しぶりにゆっくり寝れた。
起きぬけに暗号を提示された。
混乱混乱混乱。
「おはよう、もうすぐお昼だけど、おはよう、アッくん。byアキ♪」
「なの、なのよ」
「お、おは、よう」
目の前にはアキと、アーちゃん。
あ、訳してくれたんだ。
うーん、難しいなアキの言葉。僕も皆みたいにわかるようになりたい。
「早くはないですが、おはようございます。アッくん」
「う、うん。おはよう」
朝、いやお昼から皆が揃ってる。なんだかすごく嬉しい。
僕、いびきとか寝言大丈夫だったかな?
キッチンからは良いにおいがしてきて、僕のお腹がぐーと鳴った。
忘れていた感覚。
彼と会ってからは、食欲なんてまったく沸かなくて、口にいれても砂を食べてるみたいだった。
でも、もう大丈夫。
ちゃんと食べれる・・・というか食べれた。
「お昼は、アッキー特製のクリームパスタです。ささ、顔を洗ってきてください」
「うん」
あはは、ちょっとよだれが出ちゃった。
「お、メールメール」
アーちゃんは右手にフォーク、左手で携帯をあやつりだした。
「もじゃさまご一行報告しまーす」
一瞬息が詰まる。
すっかり忘れていた。
あまりにもこの空間の居心地が良くて、僕は彼のことを忘れていた。
まだ、終わったわけじゃないのに。
「おや、楽しみですね」
「なのよ、なのよ」
「昨夜はアッくんの部屋に乱入し、一通り荒らしたら、同室者を罵倒しながら退出。その後寮内を大声で徘徊し、出会った人物全員に「アキラはどこだっ!? 知らないのかっ!? 最低だっ!」と罵声を浴びせました。現在は、親友を拉致した犯人は親衛隊と勝手に決めつけ、校内を捜索中らしいです。お供は副会長、双子、爽やか。以上」
目眩がした。
彼はあの不可解な自論を引っさげて、僕を見つけ出すために周囲に迷惑を掛け捲っているのか・・・
「おやおや、僕たちは犯罪者扱いですか」
「ええぇぇぇ、もじゃにとっての犯人は、あなただけじゃないですかー?」
「たぶんそうでしょうね。あれに周りを見る脳みそはなさそうなので、目の前で彼を攫った僕しか記憶に残ってないでしょうね」
「そ、そんな、そんな」
「おや、アッくんはもう食べないのですか? なんでしたら僕が片付けましょうか。いえいえご遠慮なさらず、僕の胃袋はいつでも大歓迎ですよ」
「あう、アキラ、うう、アキの」
「自分のまだ残ってるでしょ。アッくんのを狙うんじゃないの」
「きゃう、あう」
口の周りにいっぱいクリームをつけているアキは、アーちゃんにデコピンされた。
アキはその小さい体に比例して、小さな器に、ちょこんと盛られたパスタをフォークで掬うようにして口にしている。
「アキラ、人のを狙うんじゃなくて、おかわりしてきなさい」
「はぁ、了解です」
僕の倍以上が盛られていたアキラの器は既に空っぽだ。
僕と身長は変わらないくらいなのに、痩せた僕よりももっと細い。
食べた分はいったいどこに入ってるんだろう?
しぶしぶといった感じで、キッチンへ向かう後姿が、まだ少し辛そう。
思わずその理由を思い出して、ちょっと顔が熱くなっちゃった。
なんだかアキラってそういう性的な雰囲気を感じさせないから、余計。
「切欠はアキ、敢行したのはアキラ」
「お、アッキーにしては良いこと言うねー。そうだよーアッくんが気にすることじゃぁないね」
「だ、だって、僕のせいで」
「ええええええ、なになに? アッくんそんなふうに思ってるのー? お兄さんショックー」
「だ、だって」
「うう、あむ・・・うあ、じ、じー、じなのよ」
「アキの言うとおりです。自分で判断し自分勝手に行動したのですから自己責任です。アキは勝手にあなたに声をかけた。僕は勝手にあなたを連れ出した。2人は勝手にもじゃたちに対峙した。アッキーにゴミをとれと言いましたが、それを行動にうつすかどうかはアッキーの自由です。僕たちは自分の好き勝手に判断して行動しました。あの場合、巻き込まれたのは君です。僕たちの勝手な行動に君が巻き込まれたんです」
「え、あの」
「アキはあなたに声をかけたとき、僕たちがあの集団に関わるなんて考えてもいませんでしたよ。僕たちがあの場を去っても、アキは一切気にしません。自分が勝手に関わったんですから。だから僕が君に声をかけ結果的にはアキを助けたような状況でも、アキは僕にお礼なんて言いませんよ。僕は自分の勝手で関わったのですし、アキは助けられようなんて思ってもいなかったのですから。君は僕たちに巻き込まれたと怒っても良いくらいです。さて、自分のせいなどというナルシシズムの時間はお終いです。あ、パスタいらないならいつでも言ってくださいね」
僕が皆に巻き込まれた・・・って?
「ほら巻き込まれ平凡脇役くん。とっとと食べないと、次は阻止できないよん」
「食わないと、確実に狙われるぞ」
「なの、のよ」
彼のことをすごく勝手な人だと思った。
事実、とても自分勝手な人間だ。僕はそれに巻き込まれた。
アキラは自分たちのことを勝手だと言った、僕を巻き込んだって言った。
アキラの言葉通りだと同じことをされてるはずなのに、どうしてこんなに状況が違うんだろう。
あ、ところで平凡脇役ってなに?
