★キラキラ 第二仕舞章★
[アッくん■憎む]
「あなたが一番知りたいことだと思います。ただし、こちらも私が語ります。自己紹介くらいは本人にさせましょう。音無、挨拶なさい」
どうしてアキから直接聞いちゃいけないんだろ?
「承知。かつて鈴木明と呼ばれておりました私の名は、牟韻音無(むおんのおとな)と申します」
アキの朗々とした声に、とても違和感を感じる。
あのアキはもうどこにもいないと、そう伝えてでもいるのか、僕はその声にただ耳を傾けた。
「牟韻の家は言葉を操る家です。彼らが語ると人はその言葉に従いたくなってしまうのです。故に言霊使いと称されることもあります。彼らは私の裁きを言葉でもって行います。そして白儿と同じく、その血の濃さで力の強弱が決まっておりました。ですが、特殊な能力ゆえか、その力が開眼するモノはほとんどおりません。長い歴史の中でも当主の名である音無を継いだモノはわずか12名です。そして彼が13人目の当主牟韻音無」
12人が少ないって、それほど古くからある家系なんだ。
「彼は元々牟韻家の外れも外れ、血の繋がりがあることすら忘れられていた家に生まれました。その血はとても薄い。ですが、その外れの血に先祖返りともいうべき彼が生まれました。一族がそれを知ったのは、彼が力に目覚めてから2ヵ月後のことです。めったにない当主誕生の可能性に愚かな一族どもは狂喜乱舞して彼を迎え入れようとしました。それが力を封じ込める原因になるとも知らずに」
雪客の言葉に、音無の背後の固まりは一斉に平伏した。
きっと彼らのせいでアキは言葉が下手になったんだ。
「そして彼は言葉を操る術を無くし、これまで白儿が庇護して参りました。愚かなモノは私に音無を目覚めさるよう願い出ましたが、あなたも知っているように、私にそのような気はございません。ですが、此度の一件で、彼は突然目覚めることとなってしまった・・・」
雪客が忌々しげに瀬緒を見た。
もう全てを失った彼は、雪客の視線にただ怯え震えている。
雪客、ううんアキラは言っていた。
言葉を話そうが話すまいがどうでもいい、それがアキの望んだことならと、だから無理矢理目覚める原因をつくった瀬緒が、アキラはきっと、憎いんだ。
アキの過去に何があったかは知らない。
だけど、目覚めたということは、それは思い出したということじゃないんだろうか。
アキが閉ざすと決めた記憶の一部、それを無理矢理抉られたということじゃないんだろうか。
なら僕も憎むよ、瀬緒。
アキ自らが望まぬ目覚めを強要したあなたを、僕は心の底から憎む。
「さて、彼の家は言葉を操る、故に言葉で正す家。元々このような家は七家ございます。ですが、いずれも血は廃れ、自然にその名と力を消し去りつつあります。そんな消え去る運命にあるモノを総轄しております、私、鷺視雪客(さぎみのせっかく)の話しをさせていただきましょう」
ああ、とうとう、とうとう僕は君たちのことを知ることができるんだね。
「私の家は記録を司る家です。言葉を持ちし日ノ本の、真の歴史を全て記しております。よって、過去の事例、判例に則り、いつの間にやらこのような裁定の場を取り仕切るように相成りました」
「裁定・・・?」
「我らのような裏に潜みしモノどもは、表の世界で罰することはできません。故に私が罰するのです。その裁きには一切の温情も憐憫も存在せず、それらすべて雪客の判断のみで執り行います。表のあなたには理解しにくいとは思いますが」
守人は雪客の望みを叶えるだけの家。
門音は鬼の力で雪客の裁きを実行する、力で制する家。
音無は言葉を操り、同じく裁きを実行する、言葉で正す家。
そして、それらを総轄するのが雪客、全ての歴史をもって、裁きを行う、記録を司る家。
もう、頭がパンクしそうだよ。
でも、僕の脳裏にふと浮かぶ疑問。
「さて、我らの紹介はこれくらいで、あなたは新たな疑問を持ったのではないですか? どうぞ2つめの質問をなさってください」
「あなたが一番知りたいことだと思います。ただし、こちらも私が語ります。自己紹介くらいは本人にさせましょう。音無、挨拶なさい」
どうしてアキから直接聞いちゃいけないんだろ?
「承知。かつて鈴木明と呼ばれておりました私の名は、牟韻音無(むおんのおとな)と申します」
アキの朗々とした声に、とても違和感を感じる。
あのアキはもうどこにもいないと、そう伝えてでもいるのか、僕はその声にただ耳を傾けた。
「牟韻の家は言葉を操る家です。彼らが語ると人はその言葉に従いたくなってしまうのです。故に言霊使いと称されることもあります。彼らは私の裁きを言葉でもって行います。そして白儿と同じく、その血の濃さで力の強弱が決まっておりました。ですが、特殊な能力ゆえか、その力が開眼するモノはほとんどおりません。長い歴史の中でも当主の名である音無を継いだモノはわずか12名です。そして彼が13人目の当主牟韻音無」
12人が少ないって、それほど古くからある家系なんだ。
「彼は元々牟韻家の外れも外れ、血の繋がりがあることすら忘れられていた家に生まれました。その血はとても薄い。ですが、その外れの血に先祖返りともいうべき彼が生まれました。一族がそれを知ったのは、彼が力に目覚めてから2ヵ月後のことです。めったにない当主誕生の可能性に愚かな一族どもは狂喜乱舞して彼を迎え入れようとしました。それが力を封じ込める原因になるとも知らずに」
雪客の言葉に、音無の背後の固まりは一斉に平伏した。
きっと彼らのせいでアキは言葉が下手になったんだ。
「そして彼は言葉を操る術を無くし、これまで白儿が庇護して参りました。愚かなモノは私に音無を目覚めさるよう願い出ましたが、あなたも知っているように、私にそのような気はございません。ですが、此度の一件で、彼は突然目覚めることとなってしまった・・・」
雪客が忌々しげに瀬緒を見た。
もう全てを失った彼は、雪客の視線にただ怯え震えている。
雪客、ううんアキラは言っていた。
言葉を話そうが話すまいがどうでもいい、それがアキの望んだことならと、だから無理矢理目覚める原因をつくった瀬緒が、アキラはきっと、憎いんだ。
アキの過去に何があったかは知らない。
だけど、目覚めたということは、それは思い出したということじゃないんだろうか。
アキが閉ざすと決めた記憶の一部、それを無理矢理抉られたということじゃないんだろうか。
なら僕も憎むよ、瀬緒。
アキ自らが望まぬ目覚めを強要したあなたを、僕は心の底から憎む。
「さて、彼の家は言葉を操る、故に言葉で正す家。元々このような家は七家ございます。ですが、いずれも血は廃れ、自然にその名と力を消し去りつつあります。そんな消え去る運命にあるモノを総轄しております、私、鷺視雪客(さぎみのせっかく)の話しをさせていただきましょう」
ああ、とうとう、とうとう僕は君たちのことを知ることができるんだね。
「私の家は記録を司る家です。言葉を持ちし日ノ本の、真の歴史を全て記しております。よって、過去の事例、判例に則り、いつの間にやらこのような裁定の場を取り仕切るように相成りました」
「裁定・・・?」
「我らのような裏に潜みしモノどもは、表の世界で罰することはできません。故に私が罰するのです。その裁きには一切の温情も憐憫も存在せず、それらすべて雪客の判断のみで執り行います。表のあなたには理解しにくいとは思いますが」
守人は雪客の望みを叶えるだけの家。
門音は鬼の力で雪客の裁きを実行する、力で制する家。
音無は言葉を操り、同じく裁きを実行する、言葉で正す家。
そして、それらを総轄するのが雪客、全ての歴史をもって、裁きを行う、記録を司る家。
もう、頭がパンクしそうだよ。
でも、僕の脳裏にふと浮かぶ疑問。
「さて、我らの紹介はこれくらいで、あなたは新たな疑問を持ったのではないですか? どうぞ2つめの質問をなさってください」
