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★キラキラ 第二仕舞章★

[アッくん■披露目]


「まずは新たな同胞の披露目を」

急に瀬緒が立ち上がった。

同胞・・・披露目・・・あなたなんかが、彼らの仲間だとでも言うの・・・?

「瀬緒咲夜っ、貴様は控えておれっ!」

「なっ、」

突然のアキラの怒声に一喝された瀬緒。
同時にアッキーのいる場所から2つの影が飛び出して、瀬緒をその場に跪かせた。

「な、この僕になにをするっ! 僕は次代だぞっ!」

次代――瀬緒に責められながら、何度も言われた言葉だ。

「黙らせろ」

アッキーの冷たい一言。

「ぐっ・・・がっ――っ・・・」

瀬緒は影たちに背後から喉を締め上げられた。

「では続ける。本日、正式に牟韻音無(むおんのおとな)を継ぎしモノ、かつて鈴木明と名乗りし同胞、皆見知りおけ」

「此度、音無の名を継ぎしモノにございます。未だ若輩ではございますが、この重責必ずや果たす所存にて、どうぞ、お見知りおきくださいませ」

床に手を付き、深々と頭を下げる――アキ。
アキが、アキが、あんなに言葉を苦手としていたアキが、とても滑らかに言葉を紡いでいる・・・なぜ・・・?

「よろしい、略儀なればそれで結構。では、すぐに裁定に入る」

待ってよ、アキラ、お願い待って――

「――待ってよっ!」

ザワっと周囲の影たちが一気に騒めきたった。
裕輔さんが、まるで庇うように僕の肩を引き寄せた。
僕はとんでもないことを、してしまったのかもしれない。

「表の東西」

「「はっ」」

会長と、裕輔さんが、アキラの声に応えた。

「此度の裁定の場に表の住人を招いたは私。なれば、私が直に答えようと思うが、どうか」

「それがよろしいかと」

アキラを見ながら答える会長の声には、驚くほど抑揚がなかった。
まるで、会長にそっくりな、別人を見ているようだ。

「では、趣向を変えよう。瀬緒十夜(せおとおや)、姫宮藍貴(ひめみやあいき)をこれへ」

アキラの言う姫宮藍貴って、確か理事長だ。
姫宮くんの伯父さんで、瀬緒の伯父でもある人。
瀬緒十夜っていう人は知らないけど、きっと瀬緒の身内だと思う。
そんな人までここにいるの?

黒い影たちに引きずられるようにして、彼らは瀬緒と同じくアキラの正面へとつかされた。
2人とも瀬緒と同様に白い袴姿をしている。

理事長の顔は見たことがある、もう一人の男性は、年齢的にもたぶん瀬緒の父親だと思う。
その男性は表情を強張らせ、ずっと俯いたまま大人しく座っている。
理事長は顔を少し引き攣らせてはいるけど、その態度からは自分の方が立場が上だと信じているように見えた。

「お前たち2名、そして瀬緒咲夜、渡辺彬、貴様らの問いにこの私が直々に答えてやる」

「っ・・・・・・っな、に、この、僕に、この僕に対してその態度はなんだ!?」

アキラが軽く手を振り、押さえつける腕が外れた途端、噛み付く勢いで叫ぶ瀬緒。

これは、それは、その、態度はいいんだろうか、アキラに対してそんな口を聞いて大丈夫なんだろうか。
瀬緒のその物言いは、きっとこの場では間違っている、そんなことに気付かないんだろうか。
それとも、それとも本当に彼は、それほどの立場の人物なんだろうか。

「く、はは、ははははははは、面白い、ここで私にそのような口を聞くとは愉快この上ない。いいぞ、まずは私が貴様らに問うてやろう。私の名はなんだ?」

アキラは、驚くほどの高笑いをあげ、瀬緒をあざ嗤った。
そして、彼ら3人を見やる面には、あからさまな侮蔑の表情を浮かべている。

――ああ、君はいったい、ダレなんだろう?
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