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★キラキラ 第二仕舞章★

[アッくん■皆が揃った]


「久しぶり、彬くん。やっとその気になってくれて、嬉しいよ」

裕輔さんが手を握ってくれた。
前に脚を伸ばして座る僕に頭上から、やっぱり意味のわからないことを言う、影たちとは対象的な白い袴姿の瀬緒。

「・・・・・・」

無視を決め込んだ僕を小馬鹿にするように、ふんと1つ鼻を鳴らし、彼は悠然と高座を見据え、左右に挟まれた真中に座った。
ここに彼がいるのは、きっとおかしなことではないんだ、と僕はこの薫りの中ぼんやりと考えていた。

瀬緒が主役でもあったのか、周囲の女性たちが燭台の位置をかえたりと慌しく動き出した。
そして、ほんの束の間、あたりは一気に静まりかえった。

左右に設けられた戸が軋みをたてることもなく、スッと両脇に開く・・・そして、

「ア、」

僕の言葉は強く握られた裕輔さんの手で飲み込まれた。
だから、僕はただ黙ってジッと見る。

高座に向かって右――僕の正面から闇を染め抜いたかのような黒い袴姿で現れた、アキ。
昨日のアーちゃんを彷彿とさせる無表情の彼は、僕の知っているアキとは、もう違うんだろうか。
左――僕の後方からはアキと同じ衣装を身に纏った、いつでも無表情のアッキー。
左右対面で2人ともが、あの1団の中ポッカリと空いていた、その座についた。

彼らの周囲にいる黒い影たちと長老たちは、アキとアッキーに対して、深く深くお辞儀をしている。
それが彼らの立場を物語っていた。

「お前は下げぬのか」

高座の観音開きの扉が知らぬ間にあいて、いた。
そしてその扉から現れ出でたのは、おそろしく凛とした耳に心地よい声の持ち主。

――アキラだ。

昨日はアーチャン、そしてここではアッキー、アキの2人が揃ってる中、彼がいてもなんら不思議はない・・・はず。

「この僕が、なぜ配下のモノに頭を下げなければならない」

先ほどまで下げられる立場にいたアキたちも、アキラに対して恭しく頭を垂れている。
もちろん全ての人たち、裕輔さんや会長まで、額づいている。
だけどそんな中、瀬緒だけは違う。
胡坐をかき踏ん反り返って、まさに傲岸不遜な態度の彼。

・・・あ、僕もだっ!

僕は慌てて、アキラに対して頭を下げた。なぜそうしてしまったのかは、よくわからない。
ただ、周囲の空気に圧倒されただけだとは、思うけど。
脚を前に出してるからどうしても中途半端になっちゃうけど、いいよね。

袴ではなく真黒の着物を身に着けたアキラは、これも時代劇でしか見たことない打掛――て言うのかな?――を身に纏っている。
色はもちろん黒で、全身黒い衣装に身を包む彼は、まるでこの闇そのものを象徴してるかのように見えた。

アキラは瀬緒の言葉を気にするでもなく裾を優雅に捌き、その一番上座であろう坐につく、すると、瀬緒がいぶかしげに目を細めたのがわかった。

「では、此度の集い前置きは一切なしとする。予め了承を」

「「承知」」

アキとアッキーが声を揃えての同意。
ねぇ、いったい、ナニが始まるの?
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