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★キラキラ 第二仕舞章★

[私■雪客二人]


御二方が10歳になられた頃のお話をいたしましょう。
これは、私も守人も腰を抜かしそうになった出来事でございます。

鷺視の血の流れるモノは、10歳を越えた頃には、必ず一度は御本家へとやって参ります。
なぜなら、今現在の雪客は総代ただ御一人だからでございます。
次代の雪客となるべき人物が御顕在であればよろしいのですが、この時点ではまだその御方は顕れてはおりません。

ですから親族どもは己の子が雪客であればと期待をし、総代のもとへと続々参上するのです。
雪客は血の濃さでお生まれになるわけではございません。
確かに直系方が雪客であらっしゃっる事が多うございますが、鷺視に連なるモノ全てに顕れる可能性があるのでございます。

そして、その時がやって参りました。
これほどの驚きは私の人生において2度と無いでしょう。
それは総代にとっても同様だったようでございます。
己が子にして孫である御二方が揃って雪客様であろうとは。

鷺視の永い歴史にもいちどきに2人も生まれた例しはございません。

これはなんらかの啓示なのではないでしょうか・・・



さて、私が御二方の元から去ったのは、御二方が13歳のときでございました。
私事でございましたが、婿をとったしだいでございます。
交代で御二方の側に上がったのは、私の妹。
お優しい方々は、この妹にも名をつけ、可愛がってくださったようです。

そして、私が無事出産を終えた頃、継埜守人より突然の次期守人への指名。
これにはさすがの私も動転いたしました。
まだ生まれたばかりの子を、御二方の元から下がってきた妹へと預け、まずは総代へとご挨拶に伺いました。

そして、ここでも私は心の臓が止まるほどの出来事を耳にいたしました。

妹君さまのご懐妊を――

お相手は・・・語る必要もないでしょう。
ご想像通りかと思われます。

「やはり引き離すべきだった・・・」

血を吐く思いでそうおっしゃった総代。
ですが私はこう思います。
御二方はたとえお離ししても、必ず結ばれていたのではないか、と。

継埜のモノは雪客様に付き従うモノ。
総代が命じるならば御子を流すことになんら躊躇はいたしません。
ですが、総代はそれを御命じにはなりませんでした。
ただ、身重の妹君様の御世話を懇ろねんごに、とそれだけを我らに告げました。

「紅、紅、わたしはどうなっても、この子は無事に産んであげたい」

幼い頃より、虚弱であられた妹君様。
御子を身篭られたその御姿は、以前よりも華奢になっておいででございました。

兄君様は、御労しいことに、御子の命乞いをされとうに自害なされておりました。
愛する夫を亡くされた、妹君様・・・いえ、雪客様。
未だ次代の資格は得ておられませんが、たった御独りの後継たる雪客様。

何故私が守人に指名されたのか、ここに来てはっきりと理解いたしました。
我ら継埜のモノに流れる血に従いて、私は私の身命に代えても御仕えするべき、唯一の主を今得ました。
それが次代の雪客である貴女様。

ならば、私は、貴女様だけに付き従いましょう。
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