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★キラキラ 第二仕舞章★

[私■紅]


あれはもう何年前のことでしたか・・・
私は、継埜家当主である守人より、奥院への立ち入りを許されたのでございます。
それは、御方おんかた様がお亡くなりになられてから、半年後のことでございました。
御方様の御残しになられた、双玉――かの御子様方の御世話並びに、遊び相手というのが私に与えられた使命。

当時の私は16歳、御子様方は6歳、なんとも可愛いらしい盛りでございます。
総代より、間違いのないようと命じられてはおりますが、御二方を引き離すことはなさいませんでした。
やはり総代には並々ならぬ御愛情がおありなのでしょう。

「ね、なんとお呼びすればいいの?」

妹君様が小さな手で私に触れ、そう問うてくださいました。

「そうですね、どうぞお好きな名でお呼びくださいませ」

「じゃ、くれないにしようよ、庭に綺麗に咲いてるから」

兄君様が、美しい華の色にたとえ、私の名をお決めくださいました。
なんと光栄なことでございましょうか。

兄君様は仕来りに則り、7歳までは女児としてお育ちになりました。
鷺視直系の男児は、古来より7歳を迎えられる方が少ないからでございます。
髪を伸ばし、愛らしい振袖を纏い、紅を差す。

そのおかげでございましょうか、兄君様は無事7歳を迎えられました。
女児の華やかな色合いの着物から、男児らしいものを身につけられ、御髪おぐしも短くなさいました。
兄君様は少し面映おもはゆんで「とても軽くなった」とお喜びになっておいででした。
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