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★キラキラ 第二章★

[アッくん■僕は平気]


アキと明石くんが入ってきて、僕は気持ちが奮うのを感じた。
だけどそれ以上に恐怖がのしかかる。

――ダメ、逃げて、お願い。

「アッくん、なのよ、なっ――!」

「チビッ!!」

「ア、キーーーーーーーッ!!」

僕に駆け寄ろうしたアキは、瀬緒さんに顔面を蹴られ、体ごと後方へと飛ばされた。

――いや、やめてよ!

袴を着た人が向かってきた明石くんを殴り飛ばす。

――いやだいやだもういやだ。

お願いアキ、もう逃げて、こっちに来ないで。

せめて、気を失ってて――

「あうう、うああああ」

真紅に染まった顔で、なのにアキはこっちへとやってくる。

どうして――

畳に転がっていることしかできない役立たずの僕。
そんな僕の首にしっかりとしがみついてくる、アキ。

僕もアキを抱き締めたいよ、だけど腕はちゃんと動かなくて役に立たなくて、ごめんなさい。

「ア、キ・・・だめ、逃げ、て」

「う、あう、のよ」

「そっちのチビちゃんもなかなかの腕前だけど、先に大きいのから黙らせよう」

瀬緒さんの合図で明石くんは2人の男によって畳に押さえ込まれた。
僕はかろうじて動く首を捩り、それを視た。
抵抗し、暴れる明石くんの両足は封じられ、男は彼の左腕をとると背中へとまわした。

「ぐっ、ぎっ――――っ!」

にぶく、嫌な音がした。
折れた、折ったんだ・・・彼らは明石くんの腕を、事も無げに――折った。

「うぁぁ、おおさん、あああぁぁっ!」

「チビッ、このっ――くる、なっ、っ!!」

アキは血塗れの顔に憤怒をたぎらせ、明石くんに圧し掛かかる男に向かっていく。
僕も身体の痛みなんて忘れて、腕を使い体を起こそうと躍起になるのに、ああなんて僕は駄目なやつなんだろう。

「やめてやめて、お願いやめて――」

「あう、ああうっ――!」

アキの蹴りは明石くんにのしかかる男には届かず、もう1人の男の脚がアキの腹を・・・とらえた。
まるでスロー映像を見ているようだった。
アキの小さな身体はいったん上へと浮き上がり、口からは紅いものを撒き散らしながら、そうして、ゆっくり肩から床へと激突・・・・・・した。

「ああああああああぁぁぁぁぁっぁ、いやいや、アキアキいやいや――――――知らない、ほんとにしらない、わかんないよーーー、やめてもうやめてアキアキ――――――」

「チビッ、チビッ、チビッ――――!!」

「さすがに次代じだいさまは手強いね、決して正体を明かさないその根性は認めるけど、お友達のためにならないよ」

「ぎぃぃいいぁぁあぃぃっ――――――」

瀬緒さんが僕の右膝を思いっきり踏みつけ、そのまま体重をかけてくる。

「あぅっ、・・・う、いや、なの、よっ! あぐっ、な・・のよ、ああ、あっううぅうう」

まだ意識を失ってくれないアキは、床を這いずり這いずり、僕のほうへとやって来ようとする。

いや、アキ、こっちこないで、もうそのまま倒れてて、お願い――

ああ、きっと僕が悲鳴をあげるから駄目なんだ。
声を出さずにジッとしてたら、アキも明石くんも諦めてくれるよね。

「やめろっ、瀬緒!! やるなら俺にしろ! ナベとチビに手出すな!!」

「うるさいね、その不良は。黙らせといて」

「がぁっ!」

ああ、ごめんね、明石くん。でもお願い、この人が言うようにもうしゃべらないで、じっとしてて。
僕はね、痛いのなんて慣れてるから、こんなの全然平気なんだよ。

「いや、なのよ、いや・・・いやいや」

「うるさいチビだね、そのこも、」

「アキに手を出すなっ、いっ―――」

ほら、大丈夫、痛くないから悲鳴は出さなかったよ。
だからアキもこっちに来ちゃ駄目。

「あはは、元気だね次代じだいさまは、ほらほら砕けちゃうよ」

瀬尾さんは笑いながら、僕の膝を踏み潰す作業に没頭していた。

僕の右膝は軋みを上げ、やがて――

苦痛なんて感じてないと、アキたちに分かってもらうように必死で唇を噛み締めた。
ギチギチと、骨のあげる悲鳴に耳を澄ませながら、ただそのときだけを待つ。

「いやなのよ、なの、いやなの、いあよ、いあいやいややめてやめて、やめてよっやめてよやめろ、やめろっあぁぁぁっぁあっ!! 瀬緒っ――――

そして、そして、僕の意識は闇へと沈んだ――――――
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