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★キラキラ 第一章★

[アーちゃん■笑ったよ]


傷を全て写真に収め、ついでに鼻水写真も大事に保存、と。
渡辺くんは、アキと一緒にわんわん泣いていた。
少しくらいはすっきりしてくれたかな?

おじいちゃん先生に傷の処置をしてもらいながら、渡辺くんがこれまでのことをポツリポツリと語り出す。
普段から滅多と喋らないアッキーは当然として、アキラも先生も、俺だって何の口も挟まない。
ただただ渡辺くんの話を聞くだけだ……弁当食いながら、ね。

アキラと俺は保健室に移動する間に、何件かメールを送っていた。
ん、誰にかって?
アキラは俺の財布、もとい東峰会長さまに。
俺も東峰にはごめりんこーって送っといたけど、それとは別に風紀委員長葛西にも送った。
個人的に、知り合いなのよね。
今現在これほど静かってことは、アキラと俺のメールが奏功したと思っていいだろう。

一通り語り終えた渡辺くんに、アキラは言う。

「渡辺くん、聞かせてくれてありがとうございます。ですが、まずはそのお弁当を片付けてしまいましょう。アキもまだ手をつけておりませんしね。あ、先生もお食事の続きをなさってください。僕はここで3人が食している様を物欲しげに拝見いたしますので」

「あ、あの」

「渡辺くん、腹が減っては戦はできぬと言いますでしょう。まずは食べてしまってください」

「渡辺くん、大人しく食べたほうがいいよ。でないとこの食欲魔人、食欲がないのなら僕がって、言い出しちゃうから」

だからこそ俺もアッキーも、先に食わせてもらったわけだけど。

「たべるのよ」

「渡辺、ちゃんと食べたほうがいいぞ」

「……」

アキに言われ、先生にも言われ、最後はアッキーからの無言の圧力。

「は…い」

そして午後の授業は、全員自主休講と決まった。
先生が連絡しといてくれるってさ。

適当な会話をしながら、アキラは渡辺くんと先生からなんやかんやとおかずを取り上げる。
こいつは口と脳みそに相当なエネルギーを必要とするのか、痩せてるくせにとにかくよく食べる。
これで運動神経が普通にあったらどうなるのやら……。

アキはぽろぽろと飯をこぼし、それをアッキーがいそいそと片付け、渡辺くんはアキラにおかずを取られながらも、ときおり笑みを見せて弁当の中身を胃に収めていった。

うん、自然と笑えたね。



いつまでも保健室に陣取ってるわけには行かない。
さてさて俺の部屋へと場所を移しますか。

「さて、今日渡辺に聞いたことは、」

「やっぱ<生徒間の問題はまずは生徒間で>だと思うんだよねー」

「…我が校の方針だね。だけどね、」

「もちろん渡辺くんが今すぐ警察へというのならばそうすべきです。但し、彼らがやったことを立証することはできないでしょう。それに、渡辺くんに少し考える時間を与えるべきだと思います。今日のことは職員会議で報告程度、ということでお願いできませんか」

渡辺くんをアッキーとアキと共に先に行かせた後の、俺とアキラと先生の会話だ。

「約束はしないよ」

「「はい」」

うん、表情見てわかったよ。
あんがと、先生。俺たちのこと信用してくれて。

先生に礼を述べたあとは、俺だけが渡辺くんたちを迎えに行く。

「じゃ、あとでー」

「はい。では後ほど」
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