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★キラキラ 第二章★

[アッくん■図書室にて]


少しきつい言葉になってしまったけど、言いたいことは言った。
最後は少し涙目になっていた姫宮くん。
正直言って、今回のことは彼にはなんの責任もない。
だけどごめんね、僕は周囲のことなど関係ないと言えるほど、君と一緒にいたいと思わない。

翌日から、彼は僕の言ったことを守ってくれた。
だいぶ落ち込んでいるようだけど、これは仕方ないんだ。
何か話した気に僕を見るけど、僕から彼に話しかけるようなことはしない。

そしてあれ以降親衛隊もFCも僕に何も言ってこない。
僕が彼から離れたと判断したのだと思う。
裕輔さんが風紀の巡回を増やしたのも理由の1つかもしれない。

そんな日が数日続いたある日、僕は図書室へ来ていた。
もちろん本を借りるつもりで。
以前の僕は姫宮くんに引き回され、制裁に怯えていたので、本を借りに図書室へなんて無理だった。
だけど、今は違うから。

大好きな推理小説の並んでいる棚を左からじっくり見ていく。

「新刊結構出てるなぁ」

好きな作家さんの新刊も数冊発見した。
そんなに来てなかったんだ。
でも一気になんて読めないし、今日は2冊くらいでいいか。
少し高い位置にある本を、腕を伸ばして取ろうとしたら、

「彬くん、この本?」

本に触れた僕の手に、別の手が翳された。

「え、・・・」

重ねられた掌が、僕の手をギュッと握りしめていた。
振りほどくことも思いつかず、そのままの体勢で後ろを見やる。
そこには僕に覆いかぶさるように、瀬緒さんが立っていた。

「この本でいいの?」

そう聞きながら、僕の手ごと新刊を棚から出してくれた。
親切でしてくれてるんだろうけども、こんなところ親衛隊に見られたら困る。

「あ、ありがとう、ござい、ます」

あれ、なんか変。
本は僕の手の中にあるけど、その手は瀬緒さんの大きな掌に包まれたままだ。
いつの間にか本棚が目前に迫っていて、背中には瀬緒さんの体が密着していた。

「ね、それ面白いの?」

やけに近くで声がすると思ったら、僕の肩越しに瀬緒さんが顔を覗き込ませていた。
反対の手はさりげなく、僕の腰にまわされている・・・なんなんだ、この体勢。

「ね、その本面白いの?」

固まった僕に、優しげな声で再度尋ねてくる瀬緒さん。
できれば体を離して欲しいな。

「あ、ぼ・・・僕は、おもしろい、です」

なぜか声が震える。
瀬緒さんはクスクスと、何が面白いのか笑っている。

「ねぇ彬くん、瑠希愛は君にすごく執着してると思わない?」

「・・・・・・え?」

いきなり何を言い出すんだろ、この人。

「瑠希愛はね、愛されるばかりだったから、誰かを強く求めるなんてないんだよ」

「・・・・・・」

「でもね、そんな瑠希愛が彬くんには執着する・・・」

そんなことしらない。
そう言ってやりたいのに、声が出ない。
図書室にいるのは僕らだけじゃない。
こんなとこ誰かに見られたら・・・ううん誰か来て、気付いて。

いきなり大きな足音とざわめきが室内を埋めた、続いて図書委員が注意する声。

「は、離して、くださいっ」

まるで呪縛が解けたように瀬緒さんのほうに体を向けて、その広い胸を後ろに押す。
大して力も入れてないけど、彼は簡単に離れてくれた。
本のことなんてすっかり忘れて、僕はそのまま図書室から逃げ出した。
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