★キラキラ 第一章★
[アーちゃん■味方がわからないよ]
いつも優しく穏やかな笑みを浮かべている、保健室の住人松田先生。
山奥にあるから、いざというときのために保健医もちゃんと医師免許をもった先生だ。
皆にはおじいちゃん先生って親しまれている。
諸事情により、ベッドを利用する機会の多い俺は、このおじいちゃん先生とは大の仲良しだ。
もちろん、俺つながりでアキラたち3人とも親しくやってる。
「からだ、からだ、なのよ」
もじゃとの初邂逅後、保健室に移動した俺たちは、松田先生に渡辺くんの手当てをお願いした。
「渡辺、脱げ」
「いやん、アッキーったら大胆。でも好き」
きゃ、睨まれちゃった。こわーい。
「ぇ…あの…」
「もぐ…むぐ…ん…、渡辺くん、シャツ、脱いでください…むぐ…」
保健室に着いた途端、そうそうに弁当を頬張りだしたのは、どんなときでもマイペースが心情のアキラさん。
一応先生に断りをいれてるのがやっかいだ。
「渡辺、他にも怪我してるのかい? あるならちゃんと診せてごらん」
「でも…あの…」
「からだ、なのよ、からだ、のよっ」
「ずっと腹と足を庇っていた」
「渡辺、シャツを脱いでみなさい」
「は…はぃ…」
アッキーに指摘され、再度先生に言われて、渡辺くんは諦めたようにネクタイをはずしシャツを脱ぐ。
やだ、皆ガンミしてる。えっち。
「ひゃっ」
アキの小さな悲鳴。
「……」
アッキーは嫌なモノを見たとでもいうように、眉をしかめた。
「むぅ……」
先生唸っちゃってるよ。
でも、ひどいね、これ。
渡辺くんの身体は、大小様々な痣だらけだった。
腹なんてドス黒くなっている。
これはそんじょそこらで出来た傷ではない。
ずっと日常的に受けてきた暴力の証だ。
「むぐ…もぐ…被害届、出しますか?…んぐ…証拠、が、…ごく…ごく…ぷはっ…あれば良いのですが、どうせ第三者のいない所でされたものでしょう?」
うん、アキラくん、もうちょっと空気読もうよ。
「暴行は立派な犯罪だと思います。今すぐ警察に届けるか、まずは風紀に知らせるか…あぁでもその前に謝罪しないといけませんね。渡辺くん、本当に申し訳ありません。風紀の取締り、会長親衛隊の見廻り、これらがあるから制裁が行われる可能性が低いと判断してしまいました。でも、その傷はもじゃの取り巻きに直接与えられたものですよね。君はもじゃに連れまわされて彼らといることが多かったか…ら…」
「ぅっ…う、ひっ…く、うっ…」
俯きがちな渡辺くんは一瞬びっくりした顔をしてアキラを見たあと、小さく搾り出すように嗚咽をもらした。
「ひっく…うぁあぁぁぁん」
あ、これはアキね。
渡辺くんが泣き出したら、アキも泣き出しちゃったよ。
「ア、ア、アキュは、したのよ…えぐっ、いたいのよ…でも…いわないの、ないのよ…、いわないの、ふちゅーなのよ」
うぉ、さすがの俺でも全部は訳せないぞ。
「アキの言うとおりですね。本当にごめんなさい」
さすがはアキラさまです。
「アキは自分には関係ないからと、見てみぬフリをしてしまったと後悔しているのです。でもそれは、僕がアキに関わるなと言ったからです。ですから責任は僕にあります。僕が愚かでした。アキのせいでは無いのです。本当に申し訳ありません」
アキラは椅子から立ち上がり、膝につきそうなほど頭を下げた。
「申し訳ありません」
「申し訳ありません、渡辺くん」
アキラに続き、アッキーと俺が下げた頭を前にして、渡辺くんは完全にフリーズした。
「本当に辛かったら誰かに助けを求めると考えたことが愚かでした。アキの言うとおりです。全生徒を敵に回したに等しい君に、誰が味方かなどわかるはずもございません。下手に助けを求めて裏切られたら…それを思えば誰にも言えなくなるのが普通です。重ねてお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした」
3人で再度頭を下げる。
「…教師代表として、わたしにも謝罪させてもらうよ。すまなかったね」
「いえ…いえ…ぅっ…う」
プルプル震えて必死で頭を振って、まるで小動物みたいだ。
「ぼ、ぼくは…誰も、うっうううぅぅぅ」
うんうん。
今は泣こう。
それで落ち着いたら、話を聞かせてね、【渡辺彬】くん。
いつも優しく穏やかな笑みを浮かべている、保健室の住人松田先生。
山奥にあるから、いざというときのために保健医もちゃんと医師免許をもった先生だ。
皆にはおじいちゃん先生って親しまれている。
諸事情により、ベッドを利用する機会の多い俺は、このおじいちゃん先生とは大の仲良しだ。
もちろん、俺つながりでアキラたち3人とも親しくやってる。
「からだ、からだ、なのよ」
もじゃとの初邂逅後、保健室に移動した俺たちは、松田先生に渡辺くんの手当てをお願いした。
「渡辺、脱げ」
「いやん、アッキーったら大胆。でも好き」
きゃ、睨まれちゃった。こわーい。
「ぇ…あの…」
「もぐ…むぐ…ん…、渡辺くん、シャツ、脱いでください…むぐ…」
保健室に着いた途端、そうそうに弁当を頬張りだしたのは、どんなときでもマイペースが心情のアキラさん。
一応先生に断りをいれてるのがやっかいだ。
「渡辺、他にも怪我してるのかい? あるならちゃんと診せてごらん」
「でも…あの…」
「からだ、なのよ、からだ、のよっ」
「ずっと腹と足を庇っていた」
「渡辺、シャツを脱いでみなさい」
「は…はぃ…」
アッキーに指摘され、再度先生に言われて、渡辺くんは諦めたようにネクタイをはずしシャツを脱ぐ。
やだ、皆ガンミしてる。えっち。
「ひゃっ」
アキの小さな悲鳴。
「……」
アッキーは嫌なモノを見たとでもいうように、眉をしかめた。
「むぅ……」
先生唸っちゃってるよ。
でも、ひどいね、これ。
渡辺くんの身体は、大小様々な痣だらけだった。
腹なんてドス黒くなっている。
これはそんじょそこらで出来た傷ではない。
ずっと日常的に受けてきた暴力の証だ。
「むぐ…もぐ…被害届、出しますか?…んぐ…証拠、が、…ごく…ごく…ぷはっ…あれば良いのですが、どうせ第三者のいない所でされたものでしょう?」
うん、アキラくん、もうちょっと空気読もうよ。
「暴行は立派な犯罪だと思います。今すぐ警察に届けるか、まずは風紀に知らせるか…あぁでもその前に謝罪しないといけませんね。渡辺くん、本当に申し訳ありません。風紀の取締り、会長親衛隊の見廻り、これらがあるから制裁が行われる可能性が低いと判断してしまいました。でも、その傷はもじゃの取り巻きに直接与えられたものですよね。君はもじゃに連れまわされて彼らといることが多かったか…ら…」
「ぅっ…う、ひっ…く、うっ…」
俯きがちな渡辺くんは一瞬びっくりした顔をしてアキラを見たあと、小さく搾り出すように嗚咽をもらした。
「ひっく…うぁあぁぁぁん」
あ、これはアキね。
渡辺くんが泣き出したら、アキも泣き出しちゃったよ。
「ア、ア、アキュは、したのよ…えぐっ、いたいのよ…でも…いわないの、ないのよ…、いわないの、ふちゅーなのよ」
うぉ、さすがの俺でも全部は訳せないぞ。
「アキの言うとおりですね。本当にごめんなさい」
さすがはアキラさまです。
「アキは自分には関係ないからと、見てみぬフリをしてしまったと後悔しているのです。でもそれは、僕がアキに関わるなと言ったからです。ですから責任は僕にあります。僕が愚かでした。アキのせいでは無いのです。本当に申し訳ありません」
アキラは椅子から立ち上がり、膝につきそうなほど頭を下げた。
「申し訳ありません」
「申し訳ありません、渡辺くん」
アキラに続き、アッキーと俺が下げた頭を前にして、渡辺くんは完全にフリーズした。
「本当に辛かったら誰かに助けを求めると考えたことが愚かでした。アキの言うとおりです。全生徒を敵に回したに等しい君に、誰が味方かなどわかるはずもございません。下手に助けを求めて裏切られたら…それを思えば誰にも言えなくなるのが普通です。重ねてお詫びいたします。本当に申し訳ありませんでした」
3人で再度頭を下げる。
「…教師代表として、わたしにも謝罪させてもらうよ。すまなかったね」
「いえ…いえ…ぅっ…う」
プルプル震えて必死で頭を振って、まるで小動物みたいだ。
「ぼ、ぼくは…誰も、うっうううぅぅぅ」
うんうん。
今は泣こう。
それで落ち着いたら、話を聞かせてね、【渡辺彬】くん。
