名前はほぼ出さない文体が中心です
途切れないもの―その後―
空欄は『如月』になります
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
その後、見合いの依頼に
彼女は既婚者である旨を伝え断ると、それはまたたく間に広まった。
しばらく周りは騒がしかったが、相手が武装探偵社社長だと分かると、自然と波は引いていった。
「やっと、落ち着いてコーヒー飲めますね」
憩いの場も戻った。
「結局、結婚式はしなかったんですね」
「こういう商売だからな。
逆恨みで身内に手を出されることも考えられる」
「それに、社長ともなれば来賓も大勢だ。
大規模なのは社長も如月……福沢夫人も好まないだろう」
国木田が書類を眺める。
「ところで敦。
ここ数ヶ月、その夫人と会ったか?」
「いえ…。もともと出張が多い方なので、出社しないことは珍しくありませんし」
「そうか…。急ぎではないが、確認してもらいたい書類があってな」
異能の分離は稀と言えど、
対応出来る人数があまりに少ない。
彼女とその血族のみの『特殊異能』
依頼が入れば、赴かねばならない。
「社長も葉月さんもお忙しい方ですし、結婚してもすれ違いが多いのかもしれないですね…」
「そんなことはないと思うよ」
後ろの席で、パフェをつつく乱歩。
何処となく意味ありげに口角を上げる。
「気になるなら、聞いてみればいい。
葉月さんの居場所」
「――という訳なんです。
出社日の予定、社長はご存知ですよね?」
「書類は私が預かろう。
今は、休みを取らせているからな」
「えっ?何かあったんですか…?」
怪我なら与謝野さんがいる。
なら、休まなければならない程の病気…
「子どもが、産まれたからな」
「それは大変……ん?
―――ええぇぇっ!?」
「…へー」
さすがの太宰も目を丸くしていた。
ここ数ヶ月、特務課や行政関係とのやり取りが増えていると思っていたが…
社長としてだけではなく、
夫として、父親として、動いてた訳か。
私事のように、自然と頬が緩んだ。
「え?いつ産まれたんですか?」
「男の子?女の子?」
「名前は?」
忙しなく飛び交う言葉
「社長。おめでとう、ございます」
今度は賢治だけでなく、社員皆の声が揃う。
「ああ。――ありがとう」
目を閉じ、
福沢は、静かに微笑んだ。
5/5ページ